副題は世界中を魅了するパズルの奥深い世界
数独を特に数学は必要ない、と言われることがある。これにはちょっとばかり異論がある。代数や幾何や解析といった分野の数学は(数独を解くためだならば)必要ないが、論理や推論という数学の基本は使うことになる。 だから、数独を解くのに数学は「ほとんど」必要ない、というのが正しいと思う。本書の p.343 では、次のように主張している。
数独は、局所的な数学である。数独パズルを解くのを楽しめれば、数学を楽しんでいることになる。数独パズルについて、 当然の質問をいくつか投げかけることで、必然的に、組み合わせ論や数論、代数の主要な考え方へと導かれる。
本書では、バーンサイドの補題が出ているのには驚いた。なお、通常は「バーンサイドの定理」として言及される。
p.166 の左から3行目から1行目、ひとつめは、左上から右下にかけての対角線に鏡映させる(中略)。(行列に詳しければ、この操作が置換と同じであることに気づくだろう)。
ここでいう置換
とは、おそらく《転置》ではないか。
書名 | 「数独」を数学する |
著者 | ジェイソン・ローゼンハウス+ローラ・タールマン |
訳者 | 小野木明恵 |
発行日 | 2014 年 10 月 7 日 第1刷 |
発行元 | 青土社 |
定価 | 3900 円(本体) |
サイズ | A5版 234 ページ |
ISBN | 978-4-7917-6827-1 |
その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
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