副題は位相空間:20 世紀数学のパラダイム
本書の p.135 では神々に愛されし人,ウリゾーン
というトピックスがある。
本書を読むと、ウリゾーンが位相空間そのものの研究に与えた影響がいかに大きなものだったかがわかる。
私には抽象空間論は理解できず、その点では著者に申し訳ないと思う。
しかし、本書の題名である「抽象への憧れ」を、多くの数学者が抱き、希求していたことは、
少しだけだが感じられるようになった。
なお、本書では p.101 で `epsilondelta-` 論法という表記が出てくるが、 ふつうはハイフンを `epsilon` と `delta` の間に入れて `epsilon-delta` 論法と表記する。 また、微分方程式の解が一意であるときの条件を p.159 以下でリップシッツ条件と言っているが、 よく見られるのはリプシッツ条件という表記である。
書名 | 抽象への憧れ |
著者 | 志賀浩二 |
発行日 | 2008 年 8 月 29 日(第1刷) |
発行元 | 紀伊國屋書店 |
定価 | 1800 円(本体) |
サイズ | A5 |
ISBN | 978-4-314-01044-3 |
備 考 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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