p.ⅲ の「岩波現代文庫版にあたって」から引用する。
本書は 1996 年にアメリカ数学会から出版された
Mathematical Circles ( Russian Experience) の翻訳です。
わたしにも解ける問題がありそうだ。まず「第1章 パリティ(偶奇性)」の問題を見てみよう。pp.16-17 から引用する。
問6 9 本の線分でできている閉じた道を描きます。それぞれの線分がほかの線分 1 本と交わるようにこの道を描けるでしょうか。
解き方 もしこのような閉じた道が描けるとしたら,線分はすべて交わる線分とのペアに分けることができるはずです。しかしその場合には 9 本という線分の数は偶数でなくてはなりません。
最初、この問の意味も、解き方の意味もわからなかった。それから少し考えた。問の「閉じた道」とはどういう図形か。 線分どうしが交わるということから、当たり前だが多角形ではない。線分でできている閉じた道、で多角形しか想像できないのが悲しい。 そこで線分どうしが交わる閉じた道には何があるか。そういえば 5 つの点を結ぶ星形は、それぞれの線分がほかの線分 2 本と交わっている。そうか、こういう図形のことを考えればいいのか。 では解き方はどうだろうか。「線分はすべて交わる線分とのペアに分けることができるはずです。」の意味が取れなかった。 少し考えてやっとわかった。9 本の線分を `E_1, E_2, cdots, E_9` とする。ある線分 `E_1` と交わる 1 本の線分を `E_2` とする。`E_2` と交わる線分は条件から `E_1` しかない。 同様に、線分 `E_3` と交わる線分を `E_4` とする。 同様に進めると、線分 `E_9` と交わる線分がない。解き方でいっている「ペア」というのは`E_i` と `E_(i+1)` のペアのことだった。頭が悪いなあ。
数式は ASCIIMath で記述し、MathJax で表示している。
書名 | やわらかな思考を育てる数学問題集1 |
著者 | D.フォミーン,セルゲイ・ゲンキン,イリヤ・イテンベルク |
訳者 | 志賀浩二, 田中紀子 |
発行日 | 2011 年 11 月 16 日 第1刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 1080 円(本体) |
サイズ | 文庫版 |
ISBN | 978-4-00-600275-6 |
NDC | 410 |
その他 | 岩波文庫、草加市立図書館で借りて読む |
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