「はじめに」から引用する。
本書では,理工学の各方面で今後ますます重要になると思われる差分法を, 基礎から始めて実用上重要な格子生成法にいたるまで,入門書としてはかなり詳しく解説した。
本書では付録に差分法のプログラムが載っているが、あいにく FORTRAN 77 である。 Fortran 90 にするにはどうしたらよいのか、本書の意図とは全く異なるが、少し考えてみた。
この書き換えを通して気づいたことがある。付録 D の FORTRAN プログラムの p.196 では、 次のようなプログラムコードがある。CHARACTER Z(60,23)に対して 2 次元配列の処理を行っている個所で、 58 行から 61 行を掲げる。
DO 10 J=1,23 DO 10 I=2, MX-1 Z(I,J)=' ' 10 CONTINUE
私の考えでは、これは次のほうがよいと思う
DO 10 J=1,23 DO 10 I=1,60 Z(I,J)=' ' 10 CONTINUE
というのは、この配列は 23 行 60 列の 2 次元配列だから、すべての要素を初期化の対象とすべきだからだ。 それに、このプログラム 81 行から 83 行は次のようになっているからだ。
DO 50 J=23,1,-1 WRITE(*,600) (Z(I,J)=I,60) 50 CONTINUE
つまり、2 次元配列の要素すべてを表示するというプログラムになっている。事実、 私がこの本の通り(といっても FORTRAN 77 を Fortran 90 に直して)実行すると、 ところどころ、配列の初期化がされていない要素が表示されてしまい、がっかりした。 すべての要素を初期化すれば、ごみは当然表示されない。私がこの本で学習したのは、 些末なここだけだった。あとは私の頭が弱すぎて理解できなかった。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | 偏微分方程式の差分解法 |
著者 | 高見穎郎・河村哲也 |
発行日 | 1994 年 6 月 20 日 初版 |
発行元 | 東京大学出版会 |
定価 | 3200 円(本体) |
サイズ | A5 版 228 ページ |
ISBN | 4-13-062901-8 |
その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
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