「まえがき」から引用する。
本書の特徴は,明示していないが,1章から6章までを基礎編とし, 7,8章を更に高度な内容の応用編として,2部後世になっていることである.
第1章のはじめに、ザッと目を通したら,できれば MATLAB や Mathematica,あるいは自作のプログラムでコンピュータを使ってみてほしい
とある。
私は MATLAB も Mathematica も持っていないので、Scilab で同様のことができるか試してみた。なお、Scilab ではアルゴリズムの詳細については情報がないようだ。
まず第1章の線形方程式と固有値について、Scilab でできることは、普通の連立一次方程式を解く linsolve のほかに、umfpack という非対称疎行列を解くためのパッケージが用意されている。 固有値については、spec という行列とペンシル(行列束)の固有値を求める関数があるほか、eigs という、最大固有値(の上位6個)を計算する関数や、svd という特異値分解を行なう関数がある。
第2章の補間と近似については、本書で取り上げられたラグランジュ補間やニュートン補間、パデ近似がどれも Scilab にはない。スプライン補間や最小二乗法については各種用意されている。
第3章の数値積分については、本書で取り上げられた各種数値積分公式は残念ながら Scilab にはない。
第4章のフーリエ変換については、Scilab で用意されている。
数式は MathJax を用いている。
書名 | 数値計算法 |
編者 | 名取亮 |
著者 | 長谷川秀彦・櫻井鐡也・桧山澄子・周 偉東・花田孝郎・北川高嗣 |
発行日 | 1998 年(平成 10 年) 9 月 20 日 第1版第1刷 |
発行元 | オーム社 |
定価 | 2400 円(本体) |
サイズ | A5 版 |
ISBN | 4-274-13153-X |
備考 | 草加市立図書館で借りて読む |
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