副題は《素数、完全数からゼータ関数まで》
第 1 章は「素数の魅力」である。わたしは、素数の神秘性について惹かれたことがほとんどない。感受性が摩耗しているのだろうか。
第 3 章は「ピタゴラスの定理から眺める世界」とある。そういえば、裏表紙には「ピタゴラスの定理」と面積 157 の直角三角形の秘密。
とあった。何が秘密なのかというとこういうことだ。
p.97 から引用する
3 辺の長さが有理数である直角三角形の面積になるような整数を合同数といいます。
pp.97-98 から引用する
157 も合同数ですが,実は,これはとんでもない直角三角形の面積になります。 この三角形の 3 辺の長さは,何と次のようになります。
まず,直角をはさむ 2 辺の長さは,
`411340519227716149383203/21666555693714761309610`
`6803298487826435051217540/411340519227716149383203`
斜辺の長さは,
`224403517704336969924557513090674863160948472041/8912332268928859588025535178967163570016480830`
です。これが 157 を面積とする 3 辺の長さが有理数になる一番簡単な直角三角形です。
これがいちばん簡単な直角三角形といえば、びっくりする。これが秘密ということなのだろう。
今まで述べたことは忘れて、整数の世界をこの本をもとに鑑賞したい。
数式の記法には ASCIIMath を、 数式の表示には MathJax を用いている。
書名 | 大学入試問題で語る数論の世界 |
著者 | 清水 健一 |
発行日 | 2011 年 10 月 20 日 |
発行所 | 講談社 |
定価 | 880 円(本体) |
サイズ | 18cm |
ISBN | 978-4-06-257743-4 |
その他 | 講談社ブルーバックス、越谷市立図書館で借りて読む |
NDC | 412 |