ユークリッド幾何学は5つの公準からなる。そのうちの第5公準を否定した幾何学は非ユークリッド幾何学と呼ばれる。 この幾何学、すなわち著者の言う「曲がった空間」で展開される幾何学を展望する。
私は、古典的な平面幾何学は嫌いだった。何より、図形に関する直観がまるでないからだった。 そのせいかどうかわからないが、非ユークリッド幾何学ということばを聞いたとき、胸がときめいた。 私はひねくれものなのだろうか。さて、非ユークリッド幾何学とはどんなものか、実はきちんと勉強したことがなかった。 第5公準と「三角形の角の和は2直角である」という命題は等価である、と小平邦彦の「幾何のおもしろさ」に書かれている。 だから、「三角形の角の和は2直角より小さい」か、「三角形の和が2直角より大きい」というのが非ユークリッド幾何学の公理なのだろう。 本書を読んでみたのは、そのようなことを期待していたからだ。
3次元空間での曲線を `c(s)` とする。接ベクトル方向を `bbe_1`、加速度ベクトル方向を `bbe_2` として、これらに直交する単位ベクトル `bbe_3` をとる。 ただし、`bbe_1, bbe_2, bbe_3` はこの順で右手系となるような座標系とする。これらのベクトルには次の関係がある。
`{(bbe'_1 = kappa bbe_2),(bbe'_2 = - kappa bbe_1 + tau bbe_3),(bbe'_3 = -tau bbe_2) :}`
ここで、`kappa` は曲率、`tau` は捩率と呼ばれ、曲線を特定すれば定まる量である。この公式を見るとかっこいいと思うのだけれど、 具体的な曲線でこの値を求められるかどうか、自信がない。
この本では、「ガウスの驚愕定理」が紹介されている。 驚愕ということばが定理の名前に使われるのがまさに「驚愕」である。
数式表現には、MathJax を用いている。
書名 | 曲がった空間の幾何学 |
著者 | 宮岡 礼子 |
発行日 | 年 月 日 |
発行元 | 講談社 |
定価 | 1080円 (税別) |
サイズ | 新書判(18cm) 238ページ |
ISBN | 978-4-06-502023-4 |
NBC | 414.8 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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