概要
「はしがき」から引用する。
(前略)線形代数の文献はおびただしく,和文の単行本だけでも百数十あると思う. それにもかかわらずあえてこの本を書いたのは,普通のテキストと多少違った,くだいた解説をしたかったからである. 既存の本を参考にした部分もあるが,本の性格から,これらを含めて文献はすべて省略した.(後略)
感想
例題をやってみた。ただし、下記の記述で角カッコ [] で表示されている結果は math.js を使っている。
非可換の例
p.30 の例 1 である。`A = ((0,1),(1,0)), B= ((1,0),(0,-1))` のとき、`AB != BA` を確かめる問題である。
`AB =` , `BA` =
確かに異なっている。
行列に列ベクトルを掛ける例
p.33 の例 3 (i) である。
`((1,4,1),(4,2,1))((3),(5),(6))` =
確かにあっている。
行列のランク
p.107 では行列のランク(階数)の概念が解説されている。行列のランクはどうやって確かめるのだろう。 Wikipedia の「行列の階数」(ja.wikipedia.org)というページを見てみると、 行列の基本変形によって階数を求める方法を説明したあとで、
浮動小数点を用いたコンピューター上の数値計算においては、この基本変形を用いたりLU分解を用いることで階数を求める方法は、精度が落ちることもあり用いられない。 替わりに、特異値分解(SVD)やQR分解を用いて求められる。
と結んでいる。math.js は私が調べた限り SVD の計算はできないから、QR 分解を使うしかないのだろう。
p.107 に出ている例をみてみよう。` B = ((1,1,2,1),(2,3,1,4),(2,5,-5,8))` のランクを調べるために QR 分解をしてみた。。
Q =
R =
横長のベクトルの QR 分解は、math.js でできるのだろうか。
固有値と固有ベクトル
p.159 の固有値の例はどうだろうか。`P = ((1,0),(1, 1/2))` の固有値と固有ベクトルを求めよう。math.js で計算したところ、
固有値と固有ベクトルの組は、となる。
特に、固有値は、でよい。
本書の記述では次のようになっている。
`P` の固有値は `1` と `1/2` で,これらに対する固有ベクトルとしてそれぞれ `((1),(2)), ((0),(1))` をとれる.
固有ベクトルは定数倍しても同じであるから数値上は正しいが、やはりすっきりした値で示されるのが気持ちいい。これはやはり手計算でないといけないということだな。
数式記述
数式は MathJax で記述している。
書誌情報
| 書名 | これだけは知っておこう 線形代数 |
| 著者 | 安藤四郎 |
| 発行日 | 1989 年 3 月 23 日(初版1刷) |
| 発行元 | 現代数学社 |
| 定価 | 1800 円(本体) |
| サイズ | |
| ISBN | 4-7687-0148-5 |
| その他 | 草加市立図書館で借りて読む |