副題は数遊び・組合せ・論理のパズル
にせ金と天秤のパズルは次が典型である。
同じ種類の硬貨(金貨でも銀貨でもいい)が全部で `m` 個ある。形はみな同じだが、 その中に 1 枚だけ確実に「にせ金」が入っている。このにせ金は本物より軽いか重いかはわからない。 分銅は使わずに、にせ金を皿ばかり(天秤)だけ `n` 回測定するだけで見つける方法を示せ。このとき、 「(❤️)見つけたにせ金が本物より軽いか重いかまで含めて」示せ。
事前情報として、本物よりにせ金が重いか軽いかは事前に知ることができる問題設定もある。 また、にせ金が重いか軽いかがわからない場合には、特定のにせ金が軽いか重いかを示す必要がない、 とする問題設定もある。世の中のページではこのパズルの解法が多く載っているが、 上記の(❤️)の問題設定が抜けているものがほとんどなので残念だ。 `m` = 13, `n` = 3 の場合が有名だ。
本書では少し条件が緩やかだ。 自主練習問題として、金貨ではなく部品に置き換えて
`m` = 13, `n` = 3 の場合を扱っている。p.16 では、
分銅はありませんが,標準の部品を 1 個追加(14 個に)して,皿ばかりに置くことが許されます。
とある。皿ばかり、という言い方がいいな。
なお、英語ではこの手のパズルを Balance puzzle というらしい。日本語で「天秤パズル」というと、 モビールが釣り合う条件を満たすようにぶら下げる数を決める、別の種類のパズルになることもある。
pp.143-144 では、次の記述がある。
ある整数を書きます。数字の順番を逆に置き換えて,その数を加えます。この得られた合計にも同じことを行います。 得られて合計に対して数回この計算した後,数字を右から左に,左から右に読むと同じになること気づきます。 (後略)
この項目の話題について、数字を右から左に,左から右に読むと同じになる
数のことは、
本書では対称数と呼んでいるが、現在の日本では一般に回文数と呼ばれている。
また、何度この計算をしても対称的な数にならない数
、196 のことも書かれている。
このような数は、リクレル数という名前がつけられている。
p.13 の9番目の判じ絵は次のようになっている。
A T O M × A T O M - - - - - * * * * * * * * * * * * * * * - - - - - - - * * * A T O M
こちらが正しい。
A | T | O | M | ||||
× | A | T | O | M | |||
- | - | - | - | - | |||
* | * | * | * | * | |||
* | * | * | * | * | |||
* | * | * | * | * | |||
* | * | * | * | * | |||
- | - | - | - | - | - | - | - |
* | * | * | * | A | T | O | M |
p.178 の下から 8 行めはa) `(2+3i)^2=9+12i-4=5+12i`
となっているが、《`(2+3i)^2=4+12i-9=-5+12i`》が正しい。
このページの数式は MathJax で記述している。
書 名 | 数学センス! |
著 者 | Б・А・コルディムスキー |
発行日 | 2004 年 10 月 10 日 |
発行元 | 丸善 |
定 価 | 1800 円(本体) |
サイズ | A5版 111 ページ |
ISBN | 4-621-07127-0 |
その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
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