「はじめに」から引用する。
本書におさめた数学パズルは、わたしが計数管理教育の教材として使用しているものです。むずかしい数式はひとつも使っていません。(中略) ただひとつお願いしておきたいのは、すぐに解答を見ないで、まず自分で考えてみてみることです。
p.57 の問を転記する。
1 缶 70 円のさば缶、1 缶 145 円のさけ缶をいくつか買って、ちょうど 1000 円支払いました。それぞれいくつ買いましたか(消費税は考えない)。
ヒント 試行錯誤でもできますが、代数で解いてみてください。
p.58 の解を転記する。
さば缶を `x` 個、さけ缶を `y` 個買ったものとします。
`70x + 145y = 1000`
両辺を 5 で割ると、
`14x + 29y = 200`
この式は `y` が偶数でないと成り立ちません。
そこで `y = 2n` (これは偶数)とおいて、さらに式を変形します。
`7 times 2x + 29 times 2n = 100 times 2`
`x = (100 - 29n) / 7`
`x, n` は正の整数ですから、`n = 1, 2, 3 cdots` とおいて、`100 - 29n` が 7 で割り切れる正の整数を求めればよいわけです。 実際にためしてみると、`n = 2` のとき、`x = 6, y = 2n = 4` となります。つまり、さば缶を 6 個、さけ缶を 4 個買ったことになります。(後略)
ヒントを見ると、試行錯誤でもできますが、代数で解いてみてください。
とあるので、試行錯誤してはいけないように思っていたが、解を見ると少しではあるが試行錯誤していた。
うーん、試行錯誤しない解法を考えよう。まず、`0 lt y lt 7 ` であること、つまり `0 lt n lt 4` であることを導いたうえで、
最後の x を n で表した式を、`7x = 7(14 - 4n) + 2 - n` と変形すれば、一発で `n = 2` であることが見えると思う。
それにしても、1 缶 70 円のさば缶、1 缶 145 円のさけ缶があったなんて、昔は物価が安かったものだ。
数式は MathJax で記述している。
書名 | 新装版 面白くてやめられない数学パズル |
著者 | 沖田浩 |
発行日 | 2003 年 9 月 24 日 第 1 刷 |
発行元 | 中経出版 |
定価 | 1000 円(本体) |
ISBN | 4-8061-1895-9 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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