沖田浩:新装版 面白くてやめられない数学パズル

作成日:2023-08-21
最終更新日:

概要

「はじめに」から引用する。

本書におさめた数学パズルは、わたしが計数管理教育の教材として使用しているものです。むずかしい数式はひとつも使っていません。(中略) ただひとつお願いしておきたいのは、すぐに解答を見ないで、まず自分で考えてみてみることです。

感想

p.57 の問を転記する。

1 缶 70 円のさば缶、1 缶 145 円のさけ缶をいくつか買って、ちょうど 1000 円支払いました。それぞれいくつ買いましたか(消費税は考えない)。

ヒント 試行錯誤でもできますが、代数で解いてみてください。

p.58 の解を転記する。

さば缶を `x` 個、さけ缶を `y` 個買ったものとします。
`70x + 145y = 1000`
両辺を 5 で割ると、
`14x + 29y = 200`
この式は `y` が偶数でないと成り立ちません。
そこで `y = 2n` (これは偶数)とおいて、さらに式を変形します。
`7 times 2x + 29 times 2n = 100 times 2`
`x = (100 - 29n) / 7`
`x, n` は正の整数ですから、`n = 1, 2, 3 cdots` とおいて、`100 - 29n` が 7 で割り切れる正の整数を求めればよいわけです。 実際にためしてみると、`n = 2` のとき、`x = 6, y = 2n = 4` となります。つまり、さば缶を 6 個、さけ缶を 4 個買ったことになります。(後略)

ヒントを見ると、試行錯誤でもできますが、代数で解いてみてください。とあるので、試行錯誤してはいけないように思っていたが、解を見ると少しではあるが試行錯誤していた。 うーん、試行錯誤しない解法を考えよう。まず、`0 lt y lt 7 ` であること、つまり `0 lt n lt 4` であることを導いたうえで、 最後の x を n で表した式を、`7x = 7(14 - 4n) + 2 - n` と変形すれば、一発で `n = 2` であることが見えると思う。

それにしても、1 缶 70 円のさば缶、1 缶 145 円のさけ缶があったなんて、昔は物価が安かったものだ。

数式と図の記述

数式は MathJax で記述している。

書誌情報

書名 新装版 面白くてやめられない数学パズル
著者 沖田浩
発行日 2003 年 9 月 24 日 第 1 刷
発行元 中経出版
定価 1000 円(本体)
ISBN 4-8061-1895-9
その他 越谷市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi