原啓介 : 線形性・固有値・テンソル

作成日 : 2024-04-06
最終更新日 :

概要

「まえがき」から引用する :

本書の目的は,数学の非専門家を対象に,線形代数のエッセンスをできるだけ簡潔に解説することです.

感想

テンソルの概念は物理学や工学にもよく出てくる概念なので学ぶ価値があると思う。ただ、数学の一分野として学ぶとすればどこだろうか。 もし学ぶタイミングがあるとすれば線形代数だろう。線形性で共通するからだ。しかし、線形代数の本でテンソルにまで言及されている書籍はあまりない。 だから本書は貴重だと思う。 本書の第4章が「テンソル」であり 4.1 節「多重線形性」の 4.1.1 項「多重線形性,双線形性の定義」では次のように始まる。

統計学や機械学習の応用の場で,「テンソルとは多次元配列なのか?」という質問を受けることがある. その答はイエスでもありノーでもある. なぜなら,この質問は「行列は2次元配列なのか?」という質問と同じだからである.

確かにテンソルは多次元配列の形で表現できるが,それに対して要請される性質までこめたものがテンソルであり,その性質が以下の多重線形性である.(後略)

なるほど、と思った。それにしても、統計学や機械学習にテンソルが出てくるとは思わなかった。どのように役に立つかはわからなかった。少し WEB を見てみたが、 簡単な解説では単に多次元配列としてしかテンソルを捉えていないようだ。しっかりした解説もあったがこちらはわからない。残念だ。

数式記述

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書誌情報

書名 線形性・固有値・テンソル
著者 原啓介
発行日 2019 年 2 月 22 日 第1刷発行
発行元 講談社
定価 2,800 円(本体)
サイズ A5 版
ISBN 978-4-06-514685-9
NDC 411.6
備考 川口市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi