数学・基礎教育研究会(編著) : 線形代数学 20 講

作成日 : 2022-02-07
最終更新日 :

概要

まえがきから引用する :

内容は 1・2 章が 10 節,3・4 節が 12 節からなり,前期・後期それぞれ 90 分の講義 10 講ずつ合計 20 講義分と数回の演習で構成されています.

10 節と 12 節を足すと 22 節だから、20 講義分にどのように割り当てればいいのだろうか、悩む。

節末と章末には問題があり、略解が載っている。

感想

Amazon のレビューを見ると、 間違いが多いとか定理などの説明に若干誤りが見られるというような否定的な見解がある。 私には間違いが見つけられなかったのでよくわからない。

表現行列

さくいんで「表現行列」をひくと p.108 を見よとある。そこにはこのように載っている。 なお、`bbV, bbW, bba, bb b` は本書ではイタリックのゴシック体になっているが、 ここでは立体のゴシック体で引用する。

ベクトル空間 `bbV` から `bbV` 自身への 1 次変換 `f` に対して, 基底 `{bba_1, cdots, bba_n`}, `{bba_1, cdots, bba_n}` に関する `f` の表現行列 `A` を単に基底 `bba_1, cdots, bba_n` に関する `f` の表現行列といい, `f_({bba_1, cdots, bba_n}) harr A` と表す.(後略)

俺が知りたかったのは、`bbV` から `bbV` 自身への 1 次変換 `f` の表現行列ではなく、 定義に使われているほうの、初出の表現行列のほうを知りたかった。こちらは p.104 にある。 索引にはこちらを示してほしかった。以下 p.104 から引用する。

一般に `f` を `bbV` から `bbW` への線形写像とし, その基底をそれぞれ `{bba_1, cdots, bba_n`}, `{bb b_1, cdots, bb b_m}` とし,

`{(f(bba_1) =, a_(11)bb b_1 + cdots + a_(m1)bb b_m), (vdots , vdots), (f(bba_n) =, a_(1n)bb b_1 + cdots + a_(mn)bb b_m):}`
のとき `((a_(11),cdots,a_(1n)),(vdots, cdots, vdots),(a_(m1), cdots, a_(mn))) = A` を `f` の基底 `{bba_1, cdots, bba_n}, {bb b_1, cdots, bb b_n}` に関する表現行列という. (後略)

こちらの「表現行列」は太字ではない。そこで索引にはあとのほうの p.108 にある「表現行列」 が載ってしまったのだと思う。

書誌情報

書名線形代数学 20 講
編著者数学・基礎教育研究会
発行日2003 年 2 月 25 日 初版 第 1 刷
発行元朝倉書店
定価2500 円(本体)
サイズA5 判 166 ページ
ISBN4-254-11096-0
備考草加市立図書館にて借りて読む

まりんきょ学問所数学の部屋数学の本 > 数学・基礎教育研究会(編著) : 線形代数学 20 講


MARUYAMA Satosi