数学に再び、身体の息吹を取り戻そうとする試み。
p.25 で「三平方の定理」が出てきている。注釈があるので見ると、こうある。
「三平方の定理」の定理は「ピタゴラスの定理」とも呼ばれ、世界的には後者の呼び名が一般的である。 だが、定理の主張はピタゴラス以前から経験的に知られていた。 ピタゴラス自身がこの定理を「証明」した可能性は低い。
世界的には「ピタゴラスの定理」としか言わないから日本における「三平方の定理」という呼び名などやめちまえ、 という方がいた。私としては、名前が内容を連想させる「三平方の定理」のほうが好きだが、世界に通用する名前というのも難しいものだ。 名前でいえば、内容でも人名でもないものとして「中国剰余定理」とか「逆ポーランド記法」などがあるが、 どちらも違和感を覚える。特に「逆ポーランド記法」はポーランドの論理学者ウカシェヴィチにちなむものだから、 「ウカシェヴィチ記法」がよいと思う。
題名 | 数学する身体 |
著者 | 森田 真生 |
発行日 | 2015年10月15日 |
発行元 | 新潮社 |
定価 | 1600 円(本体) |
サイズ | 205p; 20cm |
ISBN | 978-4-10-339651-2 |
NDC | 410:数学 |
備考 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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