桂利行:代数学Ⅲ 体とガロア理論

作成日:2024-03-05
最終更新日:

概要

「はじめに」から引用する:

(前略)ガロア理論を解説した教科書はすでに多々あるが,本書では個性的な本を目指さず,初学者を念頭において直接的で標準的な記述の仕方を心がけた. また,できるだけ自己包含的になるようにしたが,それでも本書を読むにあたって代数学の基礎的な知識は必要である. たとえば,本書に先立って出版された『代数学Ⅰ 群と環』の内容は既知としている.

章末には問題があり、巻末には章末問題の略解がある。

感想

私は初学者なので、この本の内容は難しい。

一つだけ問題をといておく。p.84 の章末問題 (6) である。

(6) `x_1^2 + x_2^2 + x_3^2` および `x_1^3 + x_2^3 + x_3^3` を `x_1, x_2, x_3` の基本対称式 `s_1, s_2, s_3` で表わせ.

基本対称式 `s_1, s_2, s_3` の定義は p.52 にある。
`x_1^2 + x_2^2 + x_3^2 = (x_1 + x_2 + x_3)^2 - 2(x_1x_2 + x_2x_3 + x_3x_1) = s_1^2 - 2s_2`。
`x_1^3 + x_2^3 + x_3^3 = (x_1 + x_2 + x_3)(x_1^2 + x_2^2 + x_3^2 - x_1x_2 - x_2x_3 - x_3x_1) + 3x_1x_2x_3 = s_1^3-3s_1s_2 + 3x_3`。

後半の 3 乗和は苦労した。`a^3+b^3+c^3 - 3abc = (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)` が思い出せなかったからだ。

章末問題には略解がある。ただ、一つだけ、解答が省略されている問題がある。第1章の章末問題の(9)だ。p.41 から引用する

(9) すべての素数の平方根は有理数体上線形独立であることを示せ.

いわんとしていることはわかるのだが、いざ証明しようとすると難儀する。なんといっても無限次元である。どうすればいいのだろうか。

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数式記述

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書誌情報

書名 代数学Ⅲ 体とガロア理論
著者 桂利行
発行日 20** 年 ** 月 ** 日
発行元 東京大学出版会
定価 **** 円(本体)
サイズ A5版 *** ページ
ISBN 978-4-13-062927-0
その他 越谷市立図書館にて借りて読む

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MARUYAMA Satosi