どうして数学を学ばなければいけないのか。 その経験を人類史から問い直し、数学の本質を明らかにし、そのおもしろさを体験する。 画期的で欲張りな数学の入門書。 (日本図書館協会)
借金 1 万 1 千円を、1 年間毎月千円ずつ 12 回払って返済する場合の利率を計算する2種類の方法が、コラム 8 で述べられている。
(ア)は概算で、1ヶ月から 12 ヶ月借りるのを、「平均 6.5 ヶ月借りる」とみなすことで計算しやすくしている。
(イ)は厳密な計算で、方程式を立てて求めている。ここでは(ア)だけ述べる。
このときは、
価格に対する利息の割合 | = `1000/11000` |
= `0.090909 cdots quad cdots` |
実質年利 | = `0.090909cdots quad cdots div 6.5 times 12` |
= `0.167 cdots quad cdots`(約 17 %)」 |
年率 17% の利息は、元本が 100 万円以上の場合グレーゾーン金利に該当する。
わたしは人類史のところは飛ばしてしまったのだけれど、 p.180 から説明されているリボ払いの恐ろしさのところはしっかり読んだ。だから、リボ払いはしない。
pp.185-186 では、数学者の小平邦彦が紹介されている。
「文化勲章の受章前と、受章後で、業績が量・質ともにほぼ同じ」という珍しい学者である。
という紹介文がおもしろい。もっとも、小平の受章は 42 歳だったからということもあるだろう。
p。178 の最終行、年利は約 17.1% とあるが、「年利は約 17.7 % である」が正しい。下から2行目は、
`(1 + r)^12 = 1.176633 cdots quad cdots`
となっているからである。
数式記述は ASCIIMath で、 数式表現は MathJax で行なっている。
書 名 | はじまりの数学 |
著 者 | 野﨑 昭弘 |
発行日 | 2012 年 10 月 10 日 |
発行元 | 筑摩書房 |
定 価 | 780 円(本体) |
サイズ | |
NDC | 410.2 |
ISBN | 9784480688897 |
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