日本応用数理学会誌2001年9月号

作成日:2001-11-04
最終更新日:

この雑誌は論文誌が分かれている。この号の論文はわずか2編であった。こんなものかもしれない。 論文誌はもちろん、本誌にも相変わらず私にはわからないことばかり載っている。 たとえば、「浮体運動学の数理」という論文(サーベイ)を見てみる。 第2ページを見ると、英語が書いてある。 「浮体の x, y, z 軸方向の運動を surge, sway, heave と言い」 これだけで、ほほう、と唸ってしまう。英語で船の揺れをいうときは、確かローリングとかピッチングとかいうのではなかったか、 といぶかしく思うと、すぐあとで、「また x, y, z 軸まわりの回転運動を roll, pitch, yaw と言い」とある。 ああ、このことかと納得する。(並進)運動と揺れ(回転)は違うよな、と納得した。

でこの後の論文を読み進めていくと、これら6つの英単語は全く出てこない。 英語の語彙には、正確な定義ができるほどの細かさ、豊富さがあるのだ、というのを自慢したいだけなのだろうか。

論文誌のとびらの言葉を見る。 著者は次のように語っている 多くの現場において、 独自シミュレーションコードの開発を取り止められていること、 シミュレーションが必要な場合は、 商用アプリケーションが使われていることが述べられている。 そして、これら商用アプリケーションが欧米製であることを 残念に思っている。

私としては、何ら回答を持ち合わせてはいない。しかし、 フリーウェアとしての計算環境やライブラリーが、 最近発展している。こちらを積極的に使うようにしていくのも、 いいのではないか。

まりんきょ学問所数学の部屋


MARUYAMA Satosi