ロシアの数学者、Феликс Рувимович Гантмахерによる、応用数学から見た線形代数。 英訳は全2巻からなる。後半は、別ページで紹介した。
この本は、岩波講座「応用数学」の「線形代数 II」のあとがきで、著者が挙げていた。 さて、 Gantmacher のことを日本語で何と読むのかわからない。ガントマハーと書かれている WEB のページがあったのでそれに従う。 まったくといって読んでいないので、目次だけ掲げる。
普通行列は、`((a,b),(c,d))` のように丸カッコか、`[(a,b),(c,d)]` のようにカギカッコを使う。 ところが、この本での行列は、`norm((a,b),(c,d))` のように、左右を二重縦棒で囲む表記をするので驚いた。 ちなみに行列式は `|(a,b),(c,d)|` のように左右を一重縦棒で囲む表記であり、同じである。
行列 `A` とベクトル `bb b` から、`bb b, Abb b, A^2 bb b, cdots` のように一次独立なベクトルを次々生成すると、 これらのベクトルから張られる空間は `A` の部分空間となる。これをクリロフ部分空間という。 クリロフ部分空間からは各種の結果が得られる方法が開発されている。この本ではクリロフ部分空間という命名こそされていないものの、 第7章の第8節で、Krylov's method of transforming the secular equation (永年方程式を変換するクリロフの方法)が説明されている。 ちなみに、永年方程式とは、固有値を求める特性方程式の古い言い方である。
数式は MathJax で記述している。
書 名 | Theory of Matrices |
著 者 | F. R. Gantmacher |
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まりんきょ学問所 > 数学の本 > Gantmacher:Theory of Matrices I