永井 保成:代数幾何学入門

作成日:2021-07-22
最終更新日:

概要

副題は「代数学の基礎を出発点として」

感想

私は頭が弱いので、最初から理解できなかった。それというのも、学部レベルの代数学の基礎知識がないからだ。 本書が想定している学部レベルの代数学の基礎知識はどの程度かということになるが、 本書の参考文献によれば、Artin の Algebra 2nd ed., が良書だということである。 ただ、どのような内容かはわからない。和書では、松村英之の「代数学」(朝倉書店)が、 線形代数・微積分を一通り学び終えた後に取り組む代数学の教科書としてはよい水準の教科書 であるとしている。http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-11418-8/ に目次がある。 うーん、ここまで代数学の基礎を把握しておかないといけないのか。もう私には無理だ。

x 軸を接錐にもつ三つの特異点

defghi1977 氏によるSVGGraph (defghi1977.html.xdomain.jp) によるグラフで、p.12 にある三つのグラフを書いてみた。

`x^3-y^2=0`

次の曲線がある:
` x^3 - y^2 = 0`
この曲線は、`(x, y) = (0,0) ` で尖点をもっている。 これを表示するために、パラメーター表示をしてみる。次のように表せるだろう。
`{(x = t^2), (y = t^3) :} `

`x^5 - y^2 = 0`

次の曲線がある:
` x^5 - y^2 = 0`
この曲線も、`(x, y) = (0,0) ` で尖点をもっている。 これを表示するために、パラメーター表示をしてみる。次のように表せるだろう。
`{(x = t^2), (y = t^5) :} `
上のグラフより、尖り度合いが鋭い。

`x^5 + y^4 - 2x^3y - 2y^3 = 0`

次の曲線がある:
`x^5 + y^4 - 2x^3y - 2y^3 = 0`
この曲線は、`(x, y) = (0,0)` で上記の2グラフとは様子が異なっていることがわかる。 これを表示するためにパラメーター表示をしたいのだが、 陰関数の形が複雑なのでパラメーター表示がしにくい (SVGGraph で陰関数表示された式をグラフにすることはできない)。 すこし頑張ってみたがうまくいかない。 考えてみれば、本書の目的はグラフを描くことではない。 あきらめた。

5項補題とヘビ補題

p.72 に5項補題の可換図式がある。可換図式といえば5項補題である。ASCIIMath でイカサマな図式を描いてみた:

`{:(,M_4,overset(f_4)(->),,M_3,overset(f_3)(->),,M_2,overset(f_2)(->),,M_1,overset(f_1)(->),,M_0),(u_4,darr,,u_3,darr,,u_2,darr,,u_3,darr,,u_2,darr),(,N_4,overset(g_4)(->),,N_3,overset(g_3)(->),,N_2,overset(g_2)(->),,N_1,overset(g_1)(->),,N_0):}`

5項補題そのものをイカサマといっているのではなく、上の図式の書き方をイカサマといっている。 左から右の写像である `f_i` と `g_i` は矢の上にうまく載っていて字も小さくなっているが、 上から下の写像である `u_i` は矢の脇にあるべきなのだが少し離れてしまい字も小さくなっていない。 これは、ある記号の上や下に別の記号を添える記法は ASCIIMath で用意されているのに、 ある記号の左や右に別の記号を添える記法は ASCIIMath で用意されていないからだ。

ヘビ補題というのは初めて目にする。これを書けるとよいのだが、5項補題の可換図式はイカサマなので、 イカサマでヘビ補題を書いてしまうのはヘビに失礼なので、書かないことにした。

数式の記述

数式はASCIIMathML を用いている。

書 名代数幾何学入門
著 者永井 保成
発行日 年 月 日
発行元森北出版
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MARUYAMA Satosi