「はしがき」から引用する :
本書は「線形代数の基礎」の問題,章末問題A,章末問題Bの全てに解答を与えるために書かれた.
私は「線形代数の基礎」を持っていないので、章末問題Aと章末問題Bの区別がわからない。内容から察する限り、Aは基礎的な問題で、 Bは発展的な問題であろう。
pp.167-168 ではフロベニウスの定理に関して記述されている。本書 p.168 の定理 7.12 を引き写す。
`n` 次正方行列 `A` の固有値を `lambda_1, lambda_2, ldots, lambda_n` とする.変数 `t` の多項式
`g(t) = c_0t^m + c_1t^(m-1) + cdots + c_(m-1)t + c_m`に対する行列 `A` の行列多項式 `g(A)` の固有値は `g(lambda_1), g(lambda_2), ldots, g(lambda_n)` である。
私が見た覚えのある、フロベニウスの名前がついた定理は、こんなにすっきりしたものではなく、もっと泥臭いものだったような気がする。 気になって調べてみたら、うろ覚えのフロベニウスの名前のついた定理は正しくは「ペロン=フロベニウスの定理」だった。詳しくは 伊理正夫『線形代数Ⅱ』の p.269 にある。
なぜ「泥臭い」と思ったのか。ペロン=フロベニウスの定理は非負行列に対してのみ成り立つ命題であり。これが「泥臭い」という印象につながったのだと思う。
このページの数式は ASCIIMathML で記述している。
書名 | 詳解 線形代数の基礎 |
著者 | 川原雄作・木村哲三・新妻弘・亀田真澄 |
発行日 | 2001 年 5 月 15 日 初版1刷発行 |
発行元 | 共立出版 |
定価 | 2,400 円(本体) |
サイズ | A5 版 |
ISBN | 4-320-01675-0 |
NDC | 411.63 |
備考 | 草加市立図書館で借りて読む |
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