まえがきより引用する:
計算を実行し,解法の考え方を確認しながら通読すれば,線形代数,ラプラス変換,フーリエ変換,数値解析, 差分法,微分・差分方程式など,工学の応用解析に必要な基礎知識をこれ 1 冊で身に付けることができる。
章末には演習問題が置かれている。巻末には参考文献と演習問題の解答がある。
巻末は「演習問題詳解」がある。この詳解がありがたい。ほとんどの本では略解だからだ。
もっとも、一部の問題で各差分法の計算精度の比較は読者にゆだねる。
(p.176) とあるので、
すべてが書かれているわけではない。
読者は学生を想定しているらしい。まえがきでも学生諸君ということばが出てくるし、
本文でも学生諸君の頭に電極を着けて脳波を測定すると,時間とともに変動する脳波が観測される。
(p.2) やカオスなのに解析解が得られることに納得できない諸君は
(p.6)
などのように使われている。私はもはや学生ではないから、もう脳波が観測されることはないのだろうか、
と変な心配をしてしまう。もっとも、
どの方法を選ぶかは読者の好みによる。
(p.36)読者という表現を使っている箇所もあり、よくわからない。
なお、本書では、厳密解、解析解、明瞭解ということばが出てくるが、これらは同義と捉えていいだろう。
妙に細かな記述もある。p.5 から引用する:
式 (1.12) と類似の上に凸の関数として
`f(x) = (ax)/(1+bx) - cx`(ただし,`a, b, c` は正の定数)のようなものも考えられており, 豆類に付くアズキゾウムシやヨツモンマメゾウムシの固体変動がこの関数を使ったモデルで解析されている。
このムシたちの列挙がいい。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | 工学のための微分方程式入門 |
著者 | 金野 秀敏 |
発行日 | 2004 年 10 月 8 日(初版第1刷) |
発行元 | コロナ社 |
定価 | 2300円(税別) |
サイズ | A5版 183 ページ |
ISBN | 4-339-06075-5 |
NDC | 413.6 |
その他 | 草加市立図書館にて借りて読む |
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