細川 尋史 : 線形代数学の基礎・基本

作成日 : 2022-02-06
最終更新日 :

概要

はしがきから引用する :

本書では「正方行列の正則性」をひとつの幹と位置づけ構成した.

正則行列の定義

はしがきのことばを見て、そういえば正則行列の定義は何だろう、と考えてみた。 行列式が 0 でない、ということだっけ、と思ったら違った。p.21 によれば次の通りである :

`n` 次正方行列 `A in M_n(K)` に対して

`AX = XA = E`
をみたす `n` 次正方行列 `X in M_n(K)` が存在するとき,`A` を正則行列, あるいは正則であるという.

ここで `M_n(K)` とは体 `K` の元を成分とする `n` 次正方行列全体の集合であり、 `E` は単位行列である。正則というのは逆元が存在する行列のことをいうのだったか。 もっとも、逆元が存在する行列と行列式が 0 でない行列は同値だから、まあいいか。

クラメールの公式

本書の p.60 を見ると Cramer の公式を「クラメールの公式」と記している。世の中では「クラメルの公式」や、 「クラーメルの公式」が多いと思う。Wikipedia では「クラメルの公式」であるが、 同じく Wikipedia の人名見出しでは「ガブリエル・クラメール」と表記している。 それはともかく、クラメルの公式は連立一次方程式を解くには実用的ではない、 という文がどこかにあるといいと思った。

固有値と固有ベクトル

本書では、固有値と固有ベクトルは取り上げていない。その理由は、はしがきにある。 これも一つの見識だと思う。

数式記述

このページの数式は ASCIIMathML で記述している。

書誌情報

書名線形代数学の基礎・基本
著者細川 尋史
発行日2002 年 1 月 20 日 初版第1刷発行
発行元牧野書店
定価1,700 円(本体)
サイズA5 版 184 ページ
ISBN4-7952-0143-9
NDC411.3
備考草加市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi