カバーから引用する:
数学の理論ができあがる背景には,たくさんの具体的な計算のつみかさねがある. やさしい算数の計算を解いてみれば,フェルマー,オイラー, ガウスなど大数学者が切り開いてきた素晴らしい数学の世界も堪能できる.
私は頭が弱いから、平方剰余の相互法則という名前を聞いて、どんな法則なのだかまったく思い出せない。 そこで、本書の第 7 章を手掛かりに、平方剰余の相互法則を理解しようとした。 まず平方剰余とは何か。こんな定義が本書の p.101 にある。
(素数) `p` を法として `a` の平方根が存在するときに,`a` は `p` の平方剰余である,といい, そうでないときに,`a` は `p` を法とする平方非剰余であるという.
平方根と聞いて驚いたが、`a` の平方根が `b` であるとは、`b * b -= a (mod p) ` ということなのだろう。 これであっているはずだ。法 19 について、平方剰余と平方非剰余である数がわかった。次は原始根の概念だ。
原始根を導入する前振りが p.101 にある。
素数 `p` と互いに素な整数の `p` を法とする位数は `p-1` の約数であった (命題 4.20 と例 4.8 参照).
意味が分からない。p.59 の命題 4.20 を見るとこうある。
命題 4.20 `a` は `m` と互いに素であるとし, `d = "isuu"_m(a)` とおく.
(i) `d` は `phi(m)` の約数である.
(ii) 整数 `k` について,`a^k -= 1 (mod m) ` となるための必要十分条件は, `d` が `k` を割り切ることである.
ここで、`d = "isuu"_m(a)` とは、「`m` を法とする `a` の位数は `d` である」と読む。 ああ、意味が分からなかった文は、 「素数 `p` と互いに素な整数を `q` とする。 `p` を法とする `q` の位数は `p-1` の約数である。」 という意味だった。これならわかる。位数を求めるプログラムを書いてみた。
を法とする の位数は
次に原始根を求めるプログラムを書いてみる。
は を法とする原始根か?
その次は平方剰余だ。ルジャンドル記号を実装する。
考えてみると、こうやって計算を実装すると手計算での工夫をしなくなってしまう。 いいことばかりではないな。
このページの数式は MathJax で記述している。
書 名 | 算数からはじめよう! 数論 |
著 者 | R. F. C. ウォルターズ |
発行日 | 2011 年 9 月 27 日(第1刷) |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 2400 円(本体) |
サイズ | A5版 164 ページ |
ISBN | 978-4-00-005413-3 |
その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
まりんきょ学問所 > 数学の本 > R. F. C. ウォルターズ:算数からはじめよう! 数論