杵島正洋, 松本直記, 左巻健男 編著:新しい高校地学の教科書 : 現代人のための高校理科

作成日 : 2014-05-03
最終更新日:

概要

高校地学の範囲を説明している。

読後感

ティコ=ブラーエのデータ

昔、「天動説の絵本」という、安野光雅の本を持っていた。今は見つからないのだが、あとがきに、 ティコ・ブラーエのデータによってケプラーが云々かんぬん、ということが書かれていたように思う。 このティコ・ブラーエを久しぶりに思い出した。「チコちゃんに叱られる」という番組を 2019/5/3 に見ていたら、 「チコの星」が紹介されていた。この「チコ」はティコ・ブラーエのことだろう、と連想が働いた。 本書の p.270 で、ティコ・ブラーエが出てくる。ブラーエは地動説を否定して世を去ったとある。 なんとまあ。しかし、ブラーエの共同研究者、ケプラーはブラーエの残した詳細データを検討してケプラーの3法則を得た、と書かれている。

日本応用数理学会の会報で、石黒真木夫氏による「AIC はなぜ役に立つのか」という論文がある(VOL.4, NO.2 JUN. 1994)。 ここでは氏はティコ・ブラーエのデータが手に入れられなかったため、シミュレーションにより仮想的なデータを作り、 そのデータとモデルのAICによる選択から、ケプラーの3法則のうちの第3法則が妥当であることを導いている。 今では、下記からデータがダウンロードできる。氏による方法は下記データからもうまくいくのだろうか、気になる。
http://www.pafko.com/tycho/observe.html

苦手だった地学

中学生のとき、理科は第1分野と第2分野に分かれていた。第1分野は物理・化学で、第2分野は生物・地学というくくりだった。 私は第2分野が、特に地学が苦手だった。地学といっても天文・気象・地質・鉱物といろいろあるが、すべて苦手だった。 東と西の区別もわからない私が、どうして天文が好きになれるだろうか。 そして岩石の種類がわからなかった。 p.58 に、岩石の区分として火成岩、堆積岩、変成岩があるというけれど、そのへんに転がっている石はこのうちの種類なのだろうか、 今でもわからない。まして p.60 で火成岩の分類があるが、実物を見ても ??? だった。

製鉄の原料

地学は中学校を最後に遠ざかり、社会人になった。最初に勤めた企業は製鉄会社で、製銑(鉄鉱石から銑鉄を作る工程)の偉い人が先生となり、 私を含めた新人相手にこんな講義をした。 「銑鉄を作るときの原料はなんでしょう?」私は指名されなかったが、ほかの誰かが「鉄鉱石」、「コークス」、「石灰石」といかにもな答を次々と挙げていった。 (石灰石が原料であることは本書の p.74 にある)。しかし、これら3つのほかに原料がある、というのだ。誰も新人がわからずにいると、 先生は言った「酸素だ!」。新人からは「ずるい」と声があったのを覚えている。

その後、実習で私は高炉担当に配属された。高炉とはもちろん、製銑で使う炉である。炉前の特定の場所に近づくと、 身に着けた一酸化炭素センサーが鳴るのだった。

書誌情報

書名新しい高校地学の教科書 : 現代人のための高校理科
著者杵島正洋, 松本直記, 左巻健男 編著
発行日20**年 * 月
発行元講談社(講談社ブルーバックス)
定価***円
サイズ***p, 18cm
ISBN4062575108
NDC450:地球科学、地学

まりんきょ学問所読んだ本の記録杵島正洋, 松本直記, 左巻健男 編著:新しい高校地学の教科書 : 現代人のための高校理科


MARUYAMA Satosi