「まえがき」から引用する
本書は,読者に,たとえ多少でも,数学あるいは数式という「外国語」を理解することが自然現象を整理し理解するのに大いに役立つものであることを実感してもらい, 数学あるいは数式という「外国語」を使えることの便利さ,喜びを知ってもらうことを目的としている.
p.130 の演習問題から引用する。
4.7 ギリシア人は静的な,完全調和の世界を深く信じ,愛したといわれる. 一方,近代になって,人間が獲得した新しい知識,智恵は,変化するもの,あるいは,小さくて直感的には十分把握できないものを表現しようとすることであるといわれる. このように近代の考えと微分積分学の発展は深く関連しているが,それはどのような関連か.自分の考えを述べよ.
演習問題の解答が p.222 にあるので見てみると、4.7 省略(本文を参照し,まさに自分の考えを述べていた
とある。困った。自分の考えなどない。とはいっても、いいかげんなことだったらかけるかもしれない。
p.162 の演習問題から引用する。
5.5 「ガウスの定理」,「ストークスの定理」と電磁気学における「ガウスの法則」,「アンペールの法則」との関係を説明せよ.
演習問題の解答が p.223 にあるので見てみると、5.5 省略(本文参照).
とある。困った。仕方がないのでまとめてみる。
ガウスの定理とは次の式である。
`intint_S(bbA*bbn)dS = intintint_v(nabla*bbA)dV`
ここで、`bbA*bbn` は、ある量の流れ `bbA` が単位面積を通過する量を表している。つまり左辺全体では、考えているある空間を包んでいる面から流れ出ている量を表現している。 いっぽう、右辺の`nabla*bbA` は、ある量の流れ `bbA` が、考えているある空間に生じている湧き出しである。これは「空間の表面からの流れ出し量」=「空間の体積における湧き出し量」 と標語的にいえる。これがガウスの定理である。このガウスの定理にたいして、ある量として物理的に存在する電場を考える。すると標語は 「空間の表面からの電場の総和」=「空間に発生する電場」である。これがガウスの法則である。つまりガウスの定理を電場に適用した結果がガウスの法則である。
次に進む。ストークスの定理とは本書によれば次の式である。
`int_CbbA*dbbr = intint_S(nabla xx bbA)*bbndS`
ただ、本書のこの式は一般的なストークスの定理とは異なる気がする。これについては追って書く。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | したしむ物理数学 |
著者 | 志村史夫 |
発行日 | 2003 年 2 月 10 日 初版第 1 刷 |
発行所 | 朝倉書店 |
定価 | 3500 円(本体) |
サイズ | A5 版 |
ISBN | 4-254-22768-X |
その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
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