なぜ情報が活かされないのか
戦前の日本がどんな情報活動(インテリジェンス)をおこなっていたかを明らかにする。
作戦部と情報部の仲が良くなかった、というのはわかる気がする。
おもしろかったのはpp.134-135 の次のくだりである。情報部が戦果報告を控えめに算出すると、 作戦参謀から「作戦部隊の報告を無視するような戦果をうんぬんするのはけしからん」と批判されたという。これを受けたのが以下の引用である。
おそらく、空母や戦艦の撃沈判定に関しては、情報収集さえきちんとできていればそれほどむずかしいことではない。 通信傍受や新聞などによって、「撃沈された」はずの艦船が行動していることがわかれば戦果誤認は明らかであろう。 作戦部の状況判断によれば、米空母「レキシントン」は六回、「サラトガ」は四回も撃沈されたことになっており、 そのあまりの杜撰な報告に天皇は「サラトガが沈んだのは今度で四回目だったと思うが」と及川古志郎軍令部総長に苦言を呈すありさまであった。
書 名 | 日本軍のインテリジェンス |
著 者 | 小谷 賢 |
発行日 | 2007年5月16日第4刷 |
発行元 | 講談社(講談社選書メチエ) |
定 価 | 1600円(本体) |
サイズ | |
ISBN | 978-4-06-258386-2 |
その他 | 越谷市立図書館(南部)で借りて読む。 |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 小谷 賢:日本軍のインテリジェンス