ブレンターノ・フッサール

作成日: 2007-01-16
最終更新日:

概要

ブレンターノとフッサールの著作から、訳出されている。

どうしてこの本を買ったのか

私が 20 歳台のころ、哲学をかじってみようと思ったことがある。哲学にはいろいろな考え方があるが、 そのなかで現象学という考え方を提唱したのがフッサールだ、ということを聞いた。では、 フッサールの書いた本を読んでみたい、そう思って買ったはずだ。

ブレンターノはフッサールの師である。そんなことから一冊に収められているのだろう。

ブレンターノ

この世界の名著で、編集者はとりあげた思想家の生涯をまとめ、とその著作の梗概を述べている。 これによれば、ブレンターノは観念論を否定し、経験主義の重要性を主張した、という(少なくとも私はそうとった)。

この書物に収められているのは一篇「道徳的認識の源泉について」のみである。目次の最初は次のようだ。

  1. 歴史と哲学の、法学にとっての価値。オーストリアにおける法学授業の改革についての新しい提案
  2. わたしたちのテーマ。ウィーン法学協会におけるイェーリングの講演との関係
  3. 「自然な権利(自然法)」という表現の二様の意味
  4. イェーリングとの一致点。「自然の法」と「諸民族の法」の否定。前倫理的時代の政治的おきて
  5. イェーリングとの対立。普遍妥当的な、自然的に認識されうる道徳法則が存在する。この問題の前問題からの独立性

イェーリングといえば、「権利のための闘争」の著者である。この本も買って読んだということしか覚えていないが、 またいつか読んでみたい。

さて、イェーリングとの対立点が出てくる。次の問 「自然本性そのものによって教えられる道徳的真理が存在するか」について、イェーリングは「存在しない」という立場であるのにたいし、 ブレンターノは「存在する」と答える。この質問ももっと突っ込んで考えなければならないし、本にはいろいろな説明があるのだが、 私にはこれ以上考えられない。私は、ブレンターノに賛成するが、 せいぜいそれは「人を殺すな」というのがその真理にあたるのではないか」というほどの考えでしかない。 もちろんブレンターノは事例を出して収めるのではなく、もっと先に「承認」(Sanktion)という考えを出して先に進めている。

もう、こうなると私にはお手上げである。(2015-02-07)

フッサール

書 名世界の名著 ブレンターノ・フッサール
著 者ブレンターノ・フッサール
発行日年月日
発行元中央公論社
定 価円(本体)
サイズページ
ISBN

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MARUYAMA Satosi