コーリー・アルソフ ：独学プログラマー

概要

副題は「Python 言語の基本から仕事のやり方まで」

感想

学がないと大変

本書の p.101 では、リストをスライスする動作を説明している。 このページの最初のコード例を見てみよう。 なお、本書に記載されている行番号は省いた。

# http://tinyurl.com/h2rqj2a


fict = ["トルストイ", "カミュ", "オーウェル",
        "ハクスリー", "オースティン"]
fict[0:3]

なんだ、この fict というのは？　フィクション fiction の意味だろうか。 それからリストの中身は何だ？　トルストイ、カミュ、オーウェルは作家だろうと見当はつく。 では、ハクスリーは誰だ？　オルダス・ハクスリーか。『すばらしい新世界』の著者か。 オースティンは誰だかわからない。学がないと困ってしまう。仕方がないので、次のコード例に進もう。

# http://tinyurl.com/hug9euj

ivan = ["死の代わりにひとつの光があった。"]
ivan[0:6]
ivan[6:16]

なんだ、この ivan というのは？　トルストイの小説「イワン・イリッチの死」のことか。 こんな文があったのか。

これはたまたま開いたページにあった、文学からの引用例である。 本書は文学の素養がないと、特にヨーロッパ・ロシア・アメリカの文学の素養がないと、 ついていけないだろう。

文学の素養を脇におけば、プログラミング以外の重要な領域にも目を向けていて、好ましいと感じる。

書誌情報

まりんきょ学問所 ＞ コンピュータの部屋 ＞ コンピュータの本 ＞ Python ＞ コーリー・アルソフ：独学プログラマー