電子メールの作法 |
作成日:2005-04-04 最終更新日: |
以前から気になっていることに、電子メールをどのように書くか、ということがある。
面白いことに、みな作法や流儀が違う。そして、ほとんどの人は、自分の作法を変えていない。 変えるのは大変であるからだろう。 そこで私は、相手の作法に合わせることを旨としている。 それが正しいかどうかはわからない。 相手の作法に合わせるためなので、余計な労力といわれるかもしれない。 でも、無用の誤解を避けるための労力は、私は必要であると思っている。 では、一つずつ作法を述べる。
私が電子メールを使い始めた1993年は、引用は最小限にしましょうと教えられた。 それだけ無駄なネットワーク資源を使っているからだ、という理由である。 また、相手が読みにくいという理由もある。わたしは今でも引用最小派である。 しかし、引用最少派は、今は少数派になってしまった。
そして、最近は引用まるごと派が多数を占めるようになった。 同僚の話を聞いたり、メーリングリストの話題を見たりして知った理由は次の通りである。 デフォルトで引用されるのを削るのがうっとうしい、 引用を削ると、前回までの議論の過程が抜け落ちるため、議論をおろそかにしていると思われる、などなど。
私は、上記の意見に賛成するものではない。 しかし、引用の有無で議論をするより本題の議論が大事だと思うので、 引用まるごと派の人に返事するときには、その返信をまるごと引用している。
この挨拶もいろいろな作法がある。
私は、挨拶抜きである。電子メールは要件のみを伝えればよいと割り切っているからだ。
そこへ行くと、通常の手紙文のような電子メールもある。
「陽春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」
口語の呼びかけも多い。
「おはようございます」
「こんにちは」
「こんばんは」
電子メール向けに開発された、昼夜問わず使える表現もある。
「こん**は」
なお、最後の「こんにちわ」「こんばんわ」表記も多い。少し気になる。
「お疲れ様です」もけっこう多い。これは、気にする人が結構多い。
「お世話様です」も同様に気にする人が多い。
私が挨拶抜きなのは、下手な挨拶で相手を不愉快にさせるのがいやだからだ。 どうせ不愉快にさせるのなら、挨拶なしのほうがいい。 なお、さすがに外部のお客さんや業者と交わすときは 「いつもお世話になっております」を使っている。 また、相手への返答には、上下の関係が特別に隔たっていない限り、同じことばで返す。
昔は、宛名をつけていなかった。いきなり本文である。 しかし、手紙との類推か、あるいはメールアドレスの打ち間違いが多くなったからか、 本文にも宛名を書く人がほとんどである。私もこれはまず守る。 宛名の敬称は、「様」か「さん」か、「殿」か、あるいは役職か、これもいろいろである。 これも相手に倣うのがいいと思っている。
私の標準は次のようにそっけない。
○○さん(CC:△△さん)/丸山
本文
昔の電子メールのマナーブックには、「会社や学校からメールを私的用事で出すとき、 それが私的であるということを明らかにするために、署名(シグネチャー) に自分をあらわす一言をいれましょう」 と書いてあった。だいぶ歪曲しているような気もするが、その歪曲も含めての私の理解である。 そして、そんな気の利いた一言があちこちの署名にあった。
今は署名の一言を探すのは難しい。その代わり、絵文字は多く開発された。 私は絵文字は使わない。しかし、読み仮名をいれる。 苗字は読み間違えられることはないが、名前は「さとる」「とも」「ち」などと 間違えられることがあったからだ。 また、メールアドレスにはmailto:をつけておくと、 メーラーによってはハイパーリンクをつけておいてくれる。これは、あるメーリングリストで教わった。 実例はこんな感じだ。
-- 丸山 智(まるやま さとし) mailto:***@***.***.***
この署名と全く同じ形式で別の人からメールが来たことは、まだない。
作法のいろいろで、最後に「以上」を書く人がいる。 通常の報告文では、これ以上の余白がないことを表すために「以上」を使う。 しかし、電子メールでは署名がその役割を果たすので、 私自身は使わない。 使うときは、「以上、よろしくお願いします。」という文章の形で使う。 (2012-09-23)