旅日記Vol.61  沖縄弾丸バカンス紀行   (全ての写真はクリックすると大きくなります) 2013.10.7〜9 沖縄

それは4年前のコトだった。沖縄に旅したものの台風がやって来てしまい、雨と風にたたられた。しかも帰る日になってようやく沖縄の海と空が微笑みを取り戻したものの、結局悔しい思いだけが残ったのだった。あれから随分経ち、思いばかりが募っていた。沖縄、行きたい沖縄。

7月のある日、ふとANAのマイレージを確認すると、せっかく貯めたマイルが9月から少しずつ期限切れを迎えてしまうことが判り、それなら思い切って沖縄へ行くしかないじゃないかと。「いっしょにマイル割」ならかなりトク。泊まるのはもちろん万座ビーチと決めた。あとは勤務日程を遣り繰りして便と宿の予約。特典航空券なのでフライトの選択には制限があったが、小松-東京-沖縄の乗り継ぎ、それに万座ビーチはハイフロアービーチサイドを確保。これは楽しみだ!!

ところが今年は台風の当たり年。旅立つ日が近づくにつれ嫌がらせのように次々と生まれる台風に、気が気でならなかった。出発直前に台風23号が沖縄に近づきどうなる事かと思ったら、ギリギリ旅にはには支障しない模様。胸をなでおろしたところに続いて台風24号が後を追うようにやって来て、これは出発当日に沖縄へ最接近するという。1日おきとは…。
前日は夜勤だったが専らネットで台風情報やANAのサイトで運航の見通しばかり確認する始末。この時点で沖縄行きは平常通り運航とあって、ちょっとは安心していた。ところがこの時点で大きなミスに気付いた。

夜勤から速攻で帰宅して小松空港へ急げは11:30発のNH756便には間に合うと思って予約したつもりが、フライトを確認すると10:05発の1つ早いNH754便だったのだ。予約時にクリックし損なったのかも…ANAから届いたメールでちゃんと確認しなかったのかなあ…とにかく小松発が急に早まってしまい、仕事は当然早退するはめに(笑)。

●  ●  ●

慌ただしく職場を後にし、いよいよというか大急ぎで支度を整えて小松空港へ向かう。幸い道路は空いていてチェックインには十分間に合った。自動チェックイン機にカードをかざすと、出てきたのは東京までの便のチケットだけ。沖縄まで荷物を預けてしまいたいので改めて東京-沖縄の分をと有人のカウンターへ。ここでもっと困った事態に遭遇する。

東京-沖縄で乗るつもりだったNH133便はなんと欠航になっていた!!それも空港に着いた頃に決まったようだ。目の前が一瞬真っ暗になった。どうしよう、楽しみにしていた旅がここで終わってしまうなんて…。帰らなきゃいけないのか。
しかしその後の運行予定を聞くと、台風の通過は早く次便のNH135便は70分遅れで運航と決まっていて、空席もあり振替が出来るという。一瞬にして光が射した。本来ならマイレージクラブに連絡しなければならないが、こんな場合は「イレギュラー振替」という扱いで一発変更出来るようだ。予約していた便と同じ座席も指定出来て、どうにか旅の目途がついた。諦めなくてよかった〜。

モヒカンB6が待っていた!!

結局東京では5時間近くも待たなくてはならなくなったが、それならヒコーキの撮影も楽しめるという思わぬオマケがついた。搭乗待合室に入ると、ボクたちを待っていたのはモヒカンカラーのB767-381(ex.JA602A)だ!!なかなか逢えなくて縁がないのかと思っていたモヒカンに、まさか乗れるとまで思わなかった。

スグにボーディングとなり機内へ。懐かしいスカイプルーのライニング、ダビンチマーク。高校生の時初めて乗ったB727-281(ex.JA8344)を思い出すなあ。風が変わったかランウェイチェンジとなりR/W06からの離陸のようだ。JASDFのイーグルたちが先に飛び立っていく。定刻にプッシュバック開始…だったが、フローコントロールのためショートホールドを余儀なくされ、離陸は少し遅れた。

「駐車場にオレンジのFITが見えたよ」と#2。愛車とはしばしのお別れだ。しばらく海岸沿いに飛んで南へと変針。上空はちょっと雲が多い。

やがて雲の向こうに富士山が見えてきた。世界文化遺産登録以来初めて見る富士山だった。まさしく「♪頭のを雲の上に出し〜」ってトコだろうか(笑)。パワーが絞られて降下を開始、雲の下に出ると既にR/W34Lは目の前。

軽いショックの後、スラストリパーサーが戻り切らないうちに高速誘導路に入る。ランプインしたのは定刻だった。ボーディングブリッジを歩くうち、電波OFFモードを解除したばかりの携帯に着信が…。レンタカー会社だった。万一に備え、考えられる限り全ての連絡先を登録しておいたのが功を奏した。
「DFS営業所は台風のため12:00で閉鎖となりましたので、お客様のおクルマは空港営業所でのお渡しとなります。こちらへは何時頃に…」。那覇空港からゆいレールおもろまち駅へ行き、DFSでレンタカーをピックアップと思っていたのだが仕方がない。便の振り替えと到着予定を伝える。沖縄はだいぶ荒れているのか…。


●  ●  ●

世界文化遺産 富士山 モヒカンの横顔
富士山が見えた モヒカンB6の横顔

羽田空港はさすがにヒコーキがいっぱい。降機したスポットの近くにはB767-381ER「FLYパンダ」が駐機。国際線機材だがここ最近はずっと国内線を飛んでいる。小松空港へも飛来したコトがあるが撮りに行けず諦めていた機体だ。そして残すところ3機となったB747-481Dジャンボなど。こうして羽田でスポッターなんて高校生の時以来だ。その時はまだ成田開港前(爆)。

モヒカンB6の離陸 FLYパンダの離陸 ANAジャンボ
モヒカンB6が離陸 FLYパンダも離陸 ジャンボは貫録十分

時間がたっぷりあったので昼ゴハンは第2ターミナルの展望デッキにあるトロピカルなお店でロコモコなど。あと地下1階の「コカコーラ フリースタイル」という、いろんなフレーバーが楽しめるディスペンサーのお店も楽しんだり。普段あまりゆっくり楽しめないビックバードを堪能。おっと、ホテルにも到着が遅れるコトを伝えておかなくちゃ。

第二ターミナル出発 空港でリアル鳥
第二ターミナルの出発フロア ビッグバードでリアル鳥(笑)

やっと出発時刻が近づき、改めて搭乗待合室へ。NH135便はB747-481D(ex.JA8966)ジャンボがアサインされてて、これまた願ったり叶ったり。これがANAのジャンボに乗る最後のチャンスだったのかもしれない。ツイている…のかな??

頼むぞジャンボ!!
頼むぞジャンボ!!

●  ●  ●

ジャンボのエンジンと富士山「ANA135便は、沖縄那覇空港上空待機30分ぶんの燃料を搭載いたしておりますが、着陸出来なかった場合は羽田空港に引き返しいたします。その場合、羽田空港到着は21:00頃を予定しております」。一斉に漏れる溜息。
搭乗口でのアナウンスではもちろん条件付き運航だ。しかし那覇から先、宮古方面への乗り継ぎを受け付けているあたり、まず大丈夫だろうと自分に言い聞かせる。

ボーディングが始まった。小松行きで何度も条件付き運航は経験済みだが、こんなスリリングなフライトはなかなかないだろう。席に着くと窓の外は夕陽に変わり始めていた。

定刻を70分過ぎ、そろそろプッシュバックだろうというのになかなか機体が動かない。5分、10分…そのうちアナウンスが入り、ノーショウの乗客がいた模様。受託手荷物の取り降ろしに時間を要し。結局25分遅れで機は動き出した。
離陸はR/W05。新しいD滑走路だ。タキシングで東京湾に出来たヒコーキ専用の橋??を渡るのもオツなもの(笑)。

4基のCF6-80C2B1Fが見事なユニゾンを奏で、機は滑走路をグングン飲み込んでいく。国内線B747としてはリミットに近い重量だろうか長めの滑走でエアボーン。

離陸後しばらくして右手にまた富士山が見えてきた。雲が少しオレンジ色に染まろうとしていた。R1ドアの窓からエンジンを入れて撮ったこのショット、ANAジャンボのいい思い出になるだろう。

雲の切れ間から伊勢湾が見えた辺りから機は少し左に変針、沖縄を目指していく。高度は約12,000m。国際線と同じ高度で台風の雲を避けたのだろう。機窓はだんだんと雲のボリュームが増し、同時に不気味さも増していく。機内オーディオに飽きてきた頃、機長のアナウンスが入った。「現在那覇空港は着陸出来るギリギリの横風が吹いております。着陸出来なかった場合は…」足早に進んでいるはずの台風24号だが、なかなかしぶといのか。

いつしか機は高度を下げ始め、雲の中へと挑んでいく。不思議と揺れは少なく翼端のストロボライトが雲を照らしている。時折見える雲の切れ間。台風は沖縄を過ぎ、風は南西方向から吹いているだろう。今の季節なら「ミーニシ」と呼ばれる北風、ディセンドで見えてくる沖縄を楽しみに右サイドの席を確保したのだが、今日は夏場のように北側からR/W36を直接目指していく。どのみち外はもう暗い。
エンジンは既にパワーを絞っている。ランディングギアが下りた。悪天候時には珍しくスクリーンには前方の風景が写されて、やがて正面ではなく左端に那覇空港の灯火が見えた。横風のため機首を風上に向けるクラブ法で精一杯のアプローチ。もうすぐだ。

いつウイングロウ法になったのか判らない位、実にスムーズなタッチダウン。思わず「パーフェクト!!」と口をついた位だ。夜の雨の中をタキシング。JTAの「ジンベエジェット」の姿が見える。無事スポットに停止すると、次便のNH137便のはずのB747-481D(ex.JA8961)が先に着いていた。羽田でモタモタしている間に先を越されてたのか!!


無事に着いた…沖縄
無事に那覇空港に到着

バゲージクレームで荷物をピックアップ、レンタカー会社の迎えのクルマで営業所へと向かう。雨風共にだいぶ弱くなってきていて、ゆいレールも運転を再開していた。手続きを済ませて久しぶりの沖縄をドライブ。しかし台風のために殆どの店舗が休業していて、まだ宵の口だというのに夜中のような沖縄。58号線には活気がない。晩ゴハンもアテが外れてしまい、結局北谷のコンビニで「おにポー」と「じゅーし」(ポーク入りおにぎりと沖縄風炊き込みご飯)、あとチキンとさんぴん茶を買ってホテルへ向かう。

4年ぶりの万座ビーチホテルはそれでもボクたちを暖かく迎えてくれた。遅い時間のチェックインだというのに実に親切な対応、それにこの日、修学旅行の団体客が入っていたのが功を奏したか、部屋がランクアップされて最上級のプレミアムフロアがアサインされた。なかなかツイているぞ。

部屋に入り、やっと夕食。時折雨と風がバルコニーに面するサッシを打ちつける。ホテルショップなど覗くうち、今日一日の疲れがドッと押し寄せてきた。そうか夜勤明けでそのまま出発して、いろんな出来事が一気にやって来たから…。

●  ●  ●

翌朝、恐る恐る外を見てみる。もしかしたらまだパッとしないのでは…だったらどうしよう。しかしそれは全くの杞憂に過ぎなかった。

外は台風一過の青い空!!海も思ったより穏やかで昨日の荒れ模様が信じられない位!!この空、この海に逢いたくて沖縄に来たんじゃないか!!4年越しの思いが実った瞬間。

朝日に輝く万座毛 ビーチもこのとおり 吹き抜けのアトリウム
朝日に輝く万座毛 ビーチもこのとおり 吹き抜けはいつ見てもワクワクする

はやる気持ちを抑えつつまずは朝ゴハン。窓際の席に案内してもらってバイキングをたっぷりと…(笑)。いつもの焼きたてオムレツが嬉しい。ちょっとビーチを散策してみれば、既に海に入るには全く支障がない様子。これはとばかり部屋に戻り着替えを済ませる。4年ぶりの水着がちょっと気恥ずかしい。

ハイビスカス 振り向けば万座ビーチ
アカバナー(ハイビスカス)がキレイ ああっ、万座ビーチホテルだ!!

ビーチでは高校生たちがドラゴンボートに奇声を上げている。元気だなあ。台風なんか全く関係なかったのだろう。さてボクたちはビーチハウスでマスクとフィンのセットやビーチチェアをレンタル。ちなみに今年開業30周年を迎えた万座ビーチホテルではレンタルプログラムは全部無料!!シュノーケルはレンタルしていないが、事前に判っていたので金沢から持参。さあいよいよ楽しみにしていたシュノーケリングだぁ!!

隆起サンゴ礁 南の島の風景 空中タンカーらしい
岩場ではなく隆起サンゴ礁 ちょっとした風景が南の島 米軍機が飛来

波が収まった海は澄みはじめていて思ったより冷たくない。ちょっと先まで行けば底までクッキリ。ムラサメモンガラが数尾確認できたのでエサを少し捲いてみたら、早速魚たちが寄って来た。以前のようにデバスズメやミスジリュウキュウなど小さな魚たちは見られなかったが、尾びれと背びれがキレイなコバンアジ(沖縄名スーミツガーラ)が群れをなして一緒に泳いでくれて、さらに60cmはあろうかというハマフエフキ(沖縄名タマン)もエサをくれと言わんばかりに寄ってくる。どちらも砂地にいる魚らしい。

遊泳区域には畳2枚ぶんくらいのフロートがあるので、ちょっとその上にあがって一休み。プカプカと波に揺られながらもエサを捲くと、さっきの魚たちがまた寄って来た。たまたま父娘連れの方が近くにいらしたので、一緒にいかがと勧めてみる。娘さんは魚たちに大喜び、一方お父さんは大きなタマンに少し驚いていた。でもいい思い出になったんじゃないかな??

午後になるとマリンメニューも全部元通りになり、ビーチには活況が戻って来た。このまま時間を忘れて泳いでいたいが、ちょっと疲れも感じて…。そろそろビーチを引き揚げるコトに。でも至福の時間だったのには間違いない。また一つ、思いが叶った。

紫色のヤドカリくん
紫色のヤドカリくんがカワイイ

波打ち際を小さなヤドカリたちが歩いている。波が来るたび動きを止め、また思い出したように歩き始めるその姿がなんともカワイイ。ホテルのガーデンプールに隣接するジャグジーで少し暖まり、部屋に戻る。一休みしてシャワーを済ませ、この後はカメラを手に那覇さんぽへ。

●  ●  ●

昨日、ウソのように暗闇に静まり返っていた58号線は、すっかり元の喧騒を取り戻していた。恩納村のリゾートホテル群を過ぎ仲泊からは4車線、比謝川のアップダウンを越して嘉手納、さらに6車線になり北谷、宜野湾、大山…記憶が完全に蘇った。夕方前というコトもあってやや渋滞気味。#2の「県庁の展望室へ行ってみようよ」という提案もあってまずは沖縄県庁へ。

沖縄県庁 ゴクラクチョウ ハイビスカス
沖縄県庁 ゴクラクチョウの花 黄色のハイビスカス

展望室は石川県庁のような360度全部という贅沢なものではなかったが、むしろこれが当たり前だろう。夕陽に包まれようとする久茂地のビル街はもちろん海まで見えて、時折着陸するヒコーキが横切っていく。なかなか壮観だ。ゆいレール県庁前駅にはちょうど電車がやってきて、ゆるい鉄道写真も。

那覇でゆるい鉄写真
県庁前駅を発車したゆいレール

それにしても那覇はネコの多い街だ。県庁の県民広場でも、その後のさんぽでもあちこちでネコを見かける。しかも人に慣れているのか、むしろ堂々と街をいく姿が印象的だった。

お澄まししているネコ お行儀のいいネコ 見つめあう2匹
ちょっとお澄まし顔のネコ お行儀のいいネコ 見つめあう2匹

見つめられちゃった
見つめられちゃった

●  ●  ●

国際通り那覇といえば「奇跡の1マイル」とまで言われた国際通りが観光でのメインストリートだろう。しかし近年、似たような、しかもやや品位に疑問を感じるような土産物屋が並び、執拗な飲食店の呼び込みも…。何が沖縄をここまで変えてしまったのか。歩く楽しさが正直スポイルされたのは残念だ。

ただ最近になり素朴な、それでいて沖縄の空気を感じさせてくれるおシャレなグッズを売る店が少しではあるが増えてきた。大量生産品ではないなので値段は張るが、新たな動きとして歓迎出来る。もう少し市民権を得らられば、共感を呼ぶことも可能だろう。
そんなお店は国際通りから1本入った、裏通りというには失礼かもしれないが「ニューパラダイス通り」に多く進出を始めていた。

また近くを歩いてみれば、鉄筋コンクリートの建物に交じって、昔ながらの赤瓦を葺いた木造の家屋が結構残っているのに気づく。屋根にはもちろんシーサーの姿。

晩ゴハンまでまだ時間があり、少しおナカが空いている。#2と何か食べようとした言ってたところに見つけたのがニューパラダイス通りにある「大東そば」。使っている塩は大東島近くの海水だという。鰆のヅケを寿司にした「大東すし」も魅力的だったが、もう夕方だったのでソーキそばだけにしておく。地元の人たちがフラっと入りそばや泡盛を楽しんでいく、そんなさりげないお店にこそ魅力があるというもの。もちろんとっても美味しかった。

国際通りを渡り、今度は浮島通りへ向かって歩く。魚屋さんでは今日の仕事を終えたであろう男性たちが数人、さしみで一杯やっていた。全く普段着の那覇。何も奇をてらわない、こんな光景が見たかった。

街がオレンジ色の光に包まれ始めた。市場本通りを流し、久しぶりにマチグワーの匂いも味わってみる。来る前に読んだ「ホテルジューシー」の行を思い出しながら。



街中に赤瓦の家 シーサー 古い建物
街の中の赤瓦 もちろんシーサーも 古い店舗
店先 ホーロー看板 浮島通り
店先で 懐かしいホーロー看板 浮島通り

●  ●  ●

さあ、晩ゴハンは待ちに待ったステーキ!!58号線を北上して美浜にある「ステーキハウス四季 美浜店」へと急ぐ。夕方のラッシュ、しかも58号線は金沢と同じくバス専用レーンもあるので渋滞してしまったが、これは平日なので致し方ないだろう。ハンビータウンの先、アメリカンビレッジの入り口にその店はある。

前回、この店で夢のような、至福の時間が流れていったのが忘れられなかった。なので前回と同じメニュー(ヒレステーキと活伊勢エビのバター焼)と決めていた。ただし肉のサイズは前回こそMサイズ(180g)だったが、今回は思い切ってLサイズ(280g)。そんなに食べられるのか??(笑)。やがて運ばれてきた肉の大きさにビックリ。店内は相変わらず米軍関係者ばかり。むしろ日本人の客のほうが目立たなかった。僕たちが通されたカウンター席も両隣り共に米軍関係者のようだ。ピッチャーのファンタオレンジでステーキ…これには驚いた。

目の前では鮮やかな手さばきで肉や海老、付け合わせが焼かれていく。もちろんお決まりのパフォーマンスも。味はもちろん良くってしかもおナカいっぱい!!満足〜〜。

ここでホテルに戻るつもりが、アメリカンビレッジの煌びやかさはあまりにも魅力的、ちょっとだけ寄り道することに。少しくらい夜更かししたって…ここは沖縄じゃないか。

大きな観覧車 ハロウィンだ 夜の喧騒 不思議な光
大きな観覧車が目印 ハロウィンも近い 夜でもこのとおり 不思議な光

夜型社会といわれる沖縄だが、アメリカンビレッジがこれほど大きな商業施設だとは、それがちゃんと成立しているとは…もっとも純人口に加え、居住人口となるともっと多くだというのは想像に難くない。三脚なし、手持ちでの撮影だったが最近はレンズの手ぶれ補正に助けられて、まずまず見られる写真になるのはありがたい。

ブルーシール 光と影 スタバと交番??
ここにもブルーシール 光と影の造形 スタバと交番が同居

ステーキで満腹だったのに、ブルーシールの誘惑に負けてしまった(爆)。だが新たな沖縄の魅力がここにあった。来てみて正解。ただ一つ不思議だったのは、交番に米軍関係者など外人がタムロしてて、何か事件でもあったのかと思ったらスタバと同じ建物に交番があったとは!!これには驚いた。
さあ、そろそろホテルに戻らなきゃ。海でフロートで揺られていた感覚が身体に残ってて、目を閉じるとまだ泳いでいるみたいだった…。海の夢を見よう。

●  ●  ●

翌日も朝から晴れ。でももう帰る日になってしまった。「いっしょにマイル割」は確かに安く旅が出来るが、必ずしもすべての便に設定があるわけではなく、夕方出発の東京便を選べなかったので午後には那覇を発たなくてはならない。結果的に弾丸ツアーになってしまったのだ。高校生たちはもう帰るのか、バスが大挙して迎えに来たようだ。

朝ゴハンはこの日もバイキング。前回、全く海には縁がなかったので、海を満喫したであろう日焼けした宿泊者を見かけると非常に悔しい思いをしたものだ。でも今回は別。逆に羨ましがられる立場にちょっとした満足感(笑)。真夏の強烈な陽射しではなかったが、それでも十分焼けていたから。
名残を惜しみつつもう一度ビーチを散策。昨日はまだなかったオーシャンパークも元に戻り、ゲストを待ち受けていた。

紅と白と 澄み切った海 波打ち際…
紅と白と 澄みきった海 波打ち際…
オーシャンパーク 光輝くハイビスカス ビーチ桟橋
オーシャンパーク 陽光とハイビスカス ビーチ桟橋で

ビーチ桟橋の周りでは、前日見られなかった小さな魚たちが大きな群れを成してした。しかもこの海の色。帰るのがますます惜しくなってしまう。また砂浜には、台風の荒波で辿りついてしまったのか、サンゴのかけらがいくつか。触ってみるとまだ柔らかかった。

小さな魚たちの群れ サンゴのかけら
小さな魚たちの群れ サンゴのかけら

ホテルに戻り、昨日出来なかったお土産物をショップで購入。自分用にもいくつか買ったが、ホテル30周年記念のグッズの中に懐かしいルームキー用のキーホルダーのミニチュアを発見。貝殻があしらわれたルームキーは、以前フロントで受け取ると万座に来たという実感が沸いたものだ。実は前に買ったものが落とした拍子で欠けてしまい、やむなくそのまま使ってはいるのだが、まさか再会出来るとは思わなかった!!今度の旅、やっぱりツイているぞ。あと琉神マブヤーとかブルーシールなどのグッズも…(笑)。

部屋を片付けてチェックアウトを済ませる。何度も振り返りながらホテルを後にしようとしたら、駐車場にはオレンジ色のFITが待っていた。も・もしかして小松空港の駐車場からワープしてきたとか。そのまま金沢まで運転して帰ればいいの…かな??

そろそろ帰らなきゃ 何故ここにFITが??
そろそろ帰らなきゃ… おやFITが届いている??

とんだハプニングに驚いたが、改めてレンタカーで那覇空港へと向かう(笑)。万座ビーチホテルにはこの日も高校生の団体が入ったんだとか。スタッフは大変だ。58号線を南下、安謝の立体交差で折れて海沿いに出て泊大橋へとテイクオフ。海の上を滑るように走れるこの橋は大のお気に入り。途中で出来たばかりの「那覇うみそらトンネル」に入り、一旦空港をパスしてレンタカーの営業所へ。時間がギリギリで、ちょっと焦った。なにしろ弾丸ツアーだし。

●  ●  ●

レンタカーの返却を済ませ、送迎バスで再び空港へ向かう。中には台風で同じような思いをした人もいただろう。チェックインを済ませ、空弁にも出来るかなとコンビニで「おにポー」を買ってセキュリティを潜る。帰りはNH128便。国内幹線の主力B777-381(ex.JA751A)だ。スポットでは既に機が待っていたものの、何かトラブルでもあったのかボーディングが遅れている。それをいいことに、更にブルーシールアイスなんか食べてしまう。少しでも長く沖縄に居たい、空気を感じていたかった。

20分ほど遅れてようやくボーディング開始。那覇は少し雲が増えてきたようだ。

またモヒカンだ!!
隣のスポットにモヒカンが入ってきた(驚)

恩納村が見える席につくと、隣のスポットにスーッと入って来たのは小松から乗ったはずのモヒカンB6。今度は那覇でまた逢えるなんて思わなかった。やっぱりツイてるんだ!!

沖縄にはミーニシが戻ったのか、R/W18からの離陸。スポットを離れた機はゆっくりと滑走路の南端へと進んでいく。遠く慶良間、それに久米島が見えて、また沖縄に来ようという気が高まる瞬間。2機立て続けに離陸していった。地面が濡れていて少し雨もあったようだ。
2基のPW4090が「くおーーーーん」と独特の唸りを上げ、R/Wに乗る。離陸のクリアランスが下り、離陸滑走を開始した。

離陸後スグにパワーが絞られ、嘉手納基地との空域制限1,000ftに抑えられる。このちょっとだけの遊覧飛行は独特だ。再びパワーを上げた機は那覇BORTACラジアル340度へと少し変針、恩納村の海岸やホテル群を見ながら上昇を続けていく。ああ、叶うことならばそこへと戻りたい。

沖縄本島の北端、辺戸岬が見える。さようなら沖縄。また来ようね。

与論島、沖永良部島などが見えると東へと変針、太平洋上を一路東京へと向かって飛ぶ。高高度からの眺めはさながら国際線気分だ。どこを見ても海と空と雲。その色が少しずつ変わっていく。雲も増えてきた。なにしろあの台風24号はまだ東北から北海道へと移動しているのだから。

そろそろ左に富士山が見えてきたのだろう。L側キャビンでは乗客やCAさんが盛んに機窓を気にしている。パワーが絞られ降下開始。南風が強くこの日は久しぶりにB滑走路R/W22へのアプローチだ。遠く成田空港も見えた。TDLがはっきりと判る頃、ギアが下りスクリーンには前方風景が写された。タッチダウン。本土に戻って来た。


がんばろうニッポン
JA751Aは「がんばろうニッポン」特別塗装機

●  ●  ●

羽田空港はやや強い風が吹いていた。前日運航の見通しなど確認していたら小松便は「運航に影響する可能性がございます」とあった。最後の最後まで台風24号につきまとわれなきゃならないのかと半ば呆れたが、どうやら台風は足早に過ぎ去り、スンナリと帰れそうだ。ちょうど新千歳からのジャンボの到着が近づいたので、送迎デッキへ。小腹も空いたので、ベンチに座り結局機内で食べなかった那覇空港で買ったおにポーと大東すしを食べ納め。美味しかった。
小松へは最終の20:00発のNH759便にしてしまったので、また乗り継ぎで4時間近くもの時間が出来てしまった。それならば国際線ターミナルの見学をしようというコトになり、無料の空港内連絡バスで移動する。なかなかこんな経験も出来ないし。

夜の国際線ターミナル送迎デッキ B787-8 特別塗装機
夜の国際線ターミナル送迎デッキ B787-8特別塗装機

国際線チケットカウンター連絡バスは国内線第二ターミナル-国内線第一ターミナル-国際線ターミナル-国内線第二ターミナル…の一方通行。かなりの頻度で走っていて、乗り継ぎにも便利だろう。ちなみに国内線ターミナル間の連絡バスもある。
見慣れない空港内の風景もまた興味をそそる。

かつて成田国際空港が開港する前は、日本の空の玄関口といえばまず羽田空港だった。あの夜の空港の華やかさは今でも記憶に鮮明で、旧A滑走路を潰したエプロンには、世界のあちこちへと向かう準備に余念のない各社のジャンボがズラリと並び、またニューヨーク直行便に就航したばかりのPANAM B747SP-21がひときわ光っていた。今ではパンナムも過去帳入りして久しい。
またジャンボの間にはDC-8やB707など第一世代のジェット機が肩身も狭そうに並んでいたものだ。旧B滑走路脇のスポットは国内線がそろそろ翼を休めはじめていた。そんな華やかさがまた独特の魅力だった。

今の羽田空港国際線ターミナルには、残念ながらその華やかさを求めるコトは出来ない。便数が当時とは比べ物にならないほど少ないのだ。チケットカウンターも思ったより閑散としていて拍子抜け。送迎デッキに上がってみれば、色とりどりのヒコーキたちが並んでいる光景はなく、むしろANA機やJAL機など国内線とそう変わらない。トラフィックも向こうの国内線ばかり目立ってしまう。羽田の国際空港としての地位が上がるのは、まだ少し先のようだ。


 
江戸情緒を前面に押し出したショッピングゾーン。こちらも賑わいというには些か…ってところだが、センスは洗練されていて好感が持てる。あちこち歩くうち、そろそろ国内線第二ターミナルに戻らなきゃ。無料バスでも良かったが、電車に乗りたくてモノレールに乗るコトにした。沖縄から帰って来たのに何故かモノレール。ちょっと違和感を味わってみた。ちなみに国際線のチケットを持っていると、連絡バスだけでなくモノレールも京急も国際線ターミナル-国内線第二ターミナル間は共に無料なんだそうだ。

空港じゃないみたいだ
ここが空港であることを忘れてしまうほど

小松へは日帰りの定番NH759便。搭乗前に「あずみ野」の蕎麦で軽い夕食を取る。旧ターミナル時代も同じ名前の店があり、東京の帰りによく立ち寄ったものだ。今の店がそれを引き継いでいるのかは判らなかったが、味はまずまず。もう新そばが供されていて、秋なんだなあと改めて感じてしまう。

●  ●  ●

スポットで待ち受けていたのはB777-281(ex.JA706A)。今度の旅では4区間の機種が全部異なるという貴重な経験を得た。かつてスーパージャンボ(B747SR-81)が幹線や主要ローカルの主役だった頃、小松-東京線と東京-小松線に同じ機体がアサインされていたコトも多く、乗り継いだらさっき座った席にまた座ったとか、クルーまで同じでまたコンニチワなんてのもザラだった。
またそれ以前のトライスター(L1011-1)が飛んでいた頃、東京からこのNH759便で帰る時は決まって旧ターミナルの10番や12番搭乗口からランプパス、よく少し前に出発する那覇行きのトライスターの横を通って機まで案内されたものだが、「あのトライスターは沖縄へ行くのか…」と、羨ましく思ったものだ。

D滑走路への到着機を待ち、NH759便はC滑走路R/W14Lから離陸。左旋回して北西方向へと飛び、しばらくは街の灯りが見える。少しずつ灯りが減っていき、短い水平飛行を終えると雲の中に入ってしまった。台風24号が置いていった雨雲のようだ。やがて雲の下に出ると、どうやら外は雨。窓についた水滴が水平に後ずさっていく。いつしか小松空港R/W06へのILSアプローチにオンコース。スクリーンには小松空港の灯火が並んでいる。最近はこの近くでヒコーキばかり追いかけていたが、やっと乗客となり小松へ帰ってきた。

荷物を受け取り、駐車場に向かうと今度は本当にボクのFITが、雨の中で待っていた。万座ビーチで見た、あれはデジャブだったのだろうか。

●  ●  ●

慌ただしい旅だった。何日分かをギュっと濃縮したような、文字通り弾丸ツアー。前回の悔しい思いは過ぎ去った台風のように消えたが、また沖縄へ行く次の機会があるのなら、ぜひ訪れてみたいところ、やってみたいコト、そんなコトがまた浮かんでくる。こりゃまた行かなきゃダメだな(笑)。今度は弾丸ツアーではなく、もっとゆったりと旅したい。

この夕景を…
またこの景色に逢いに行こう

取材日 2013年10月7日〜9日 
カメラ  Nikon D3100
OLIMPUS XZ-1
レンズ   TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 DiUVC PZD
i.ZUIKO DIGITAL 6-24mm F1.8-2.5