旅日記Vol.33
はぴまりあーじゅ   2002.7.6〜7


二人がお忍び(?)で金沢へ来たのは、今年2月のことだった。実はこの件はナイショにしていたのだったが、つい最近になって飛び込んできたメールは「結婚しました」というものだった。しかもそれは或るML上のことだったが、それに多くの友人からのレスも。突然の大量メール受信に驚かされたものだ。

その二人というのは餡ちゃんとるみちゃん。式は既に終えたらしいが直後にハネムーンには行かず、しばらくして出発ということらしい。その間を利用してML仲間のお祝い呑みが早速企画された。しかもちょうど夏のバーゲンが始まるとあって、上京が決定!久しぶりの「旅日記」となりそうだ。

 ●東京へ

旅立ちを決めたのは、たった5日前だった。急いで航空便と宿の予約をするが、行きの小松発は既に朝一番とその次の便は正規運賃しか残っておらず、帰りの東京発も最終は満席、その一つ前も正規運賃のみだった。そんなワケで行きは9:35発のJAL142便、帰りは18:00発のJAL147便と決まった。もちろん「特売りきっぷ」。宿のほうはVISAのトラベルデスクに聞いたが、週末はどこも一杯でいつものサザンタワーは取れず、唯一空きがあったのが新宿のヒルトン。ちょっと贅沢だが、ボーナスも出たことだし、たまにはいいか…と手配完了。

7月6日、金沢は曇り空だったが、どうやら翌日も含めて雨の心配はなさそう。それより北上する台風5号が梅雨前線を一時的に消滅させてしまい、真夏並みの暑さのようだ。9:35発なのでいつもより少し余裕の出発。先日友人がネットからDLしてくれたストーンズのCDを聞きながら小松空港へ向かう。81年のUSツアーが音源のようだが、映画「Let's Spend the Night Together」やアルバム「Still Life」とはまた別物だった。細かいところが違っていたが、何時のかな?

クルマを空港の駐車場に預け、チケットレス予約だったので自動発券機にカードを入れたら航空券が出てくるというスマートさ。確かに楽ではあるが…

JAL142便はB777-246"Star Jet"シップナンバーはJA8981だった。シートはなかなかいい出来だけど、ちょっと窓が小さいのが難かな。R/W24エンド手前でショートホールドしていると羽田からのANAのB747-281が降りてきた。折り返し札幌行きだ。読み取れたシップナンバーはJA8174。これは全日空国際線初の欧米線にデビューした機体だけど、最近は主役を後輩に譲り、こうして国内線にコンバートされたと聞く。
やがて機は大地を蹴り、福井NDB目指して上昇を続ける。この日は団体客が多くてうるさいなあ。しかも後ろの席のオヤジが大声でいちいち説明するのが…(鬱)。オーディオサービスは、おさかな天国に忍風戦隊ハリケンジャー(笑)。

いくらか雲が散らばっていたが、残雪の白山などが見えるうちオントップ。岐阜、浜松を過ぎ、飲物サービスが始まった。やがて富士山が見えてきたが、飛行機からだと黒く見えるのが不思議。御前崎から続く海岸が美しい。機内販売を見ていると、うどんですかい、そばですかいに始まり、ラーメンですかい、カレーですかい、ハヤシですかい…(絶句)。

伊豆大島をヒットして少しずつ降下。三浦半島を過ぎ、房総半島あたりでベルトサイン点灯。東京湾に抜けるといつもより遠くにアクアラインが見えた。横風が強かったせいで、羽田のB滑走路R/W22にタッチダウン(普段B滑走路は使わないらしい)。

 ●さっそく買物だー

そのままスグには都内入りせず、しばらくビッグバード内のJALショップで飛行機のミニチェアを品選び。乗ってきたB777もあったが、なつかしい南西航空のB737-2Q3の1/500モデル(ヘルパ製)を購入。京急羽田空港駅で#2用のパスネットを買い(ボクはもう持ってるもん)、品川行き特急に乗ったが…

2両目の空席に座ろうとした途端「くわやまさ〜ん」とボク達を呼びとめる声が。まさかと思って振り向くとそこには富山のまつのゆさんが!あー驚いた。こんな所で出会うとは…。この7月に新設されたばかりのJAL富山便で来たという話。記念で特売りでも片道\8,000だったそうだ。いいなあ安くて。
そのまま品川まで積もる話など。近くに居ながらご無沙汰ですみません(反省)。まつのゆさんはその後、江戸城松の廊下を目指したという。

品川で山手線に乗り換えて渋谷へ。パスネットとSuicaは共通じゃないのが欠点。乗り換え口が使えず一旦改札を出なければならない。#2用のSuicaを買い(ボクはもう持ってるもん)、電車に乗ろうと思ったら突然「ボオーーッ!」という汽笛が品川駅に響き渡った。

この日は磐越西線で走っている「ばんえつ物語号」と、羽越線のリゾート列車「きらきらうえつ」の展示が行われていたのだった。あわててカメラを手にホームへと走る。貴婦人ことC57の姿がそこにあった。もちろん虎鉄号ではない本物の蒸気機関車(笑)。

煙をあげるC57

ちょっと電柱が邪魔か

おっ!C57だ!

いいですねえ〜蒸気機関車

ちょっと鉄しちゃった(爆)。

山手線では4月にデビューした新車のE231系を期待したが、結局今回は最後まで新車には乗れなかった(泣)。まずは渋谷へ出撃。買物を前にマークイーストのつばめグリルのハンバーグで腹ごしらえ。久しぶりに美味しかった〜。
そのまま道玄坂のLA BODYでTシャツ購入。レジで出したポイントカードは大阪店だけのものだったらしく「大阪から来られたんですか?」と聞かれてしまった。続いてパルコ近くのX-Rizeで小物。ついでにティップネス渋谷のショップにも寄ってみたり。続いて新宿へ移動。

オシュマンズではアンダーとCDを購入。エアロ買物ばっかりじゃないか(爆)。今日のところはここまでとして、ホテルにチェックイン。しばし休憩のあと、待ち合わせ場所の池袋メトロポリタンプラザ噴水前へと急ぐ。

 ●祝宴

暑かったのもあって新宿駅まで歩くのが面倒になって、つい駅までのホテルの送迎バスに乗ってしまったら渋滞で約束の時間から10分程遅れそう。歩いたほうが早かったかな。ごめんなさい。スマン遅れるーと織さんに電話したら…何とまあ(笑)。

池袋に着き集合場所へ急ぐと、おやまあ懐かしい顔に久しぶりの顔、最近逢ったかも?な人も(笑)。ともかく幹事の織さん以外は揃ったが、店を予約した時刻を過ぎ、こりゃダメだと店に行くことにしたが、誰も場所を知らない。池袋に詳しいほうさんの記憶と、あと唯一頼りになるのは住所だけ。この辺かな…と思ったら、あったー!めでたしめでたし。

店は織さんお奨めの「茶館」という中国料理の店。席だけの予約だったらしく、90分食べ放題というプランにしたが、なかなか店に来ない織さんから再度電話があり「それだと却って高くなるから…えっ?もうオーダーした?」遅いよぉ…(笑)。

ようやく全員が揃ったと思ったら、しまっちが嵐のようにやって来たかと思うと別口があると去ってしまい、そこにまつのゆさんからの祝電あり…といつもながら落ちつかない宴となった。主賓の二人のなれそめなどを聞き出そうとしてはすぐに脱線、結局最後まで核心には触れることが出来なかったが、それも二人のイメージそのままじゃないかという結論に至り、めでたく宴はお開き。お幸せに。

エアロとファンクのボックスステップはどう違うかなんていう路上講座もあったり…(笑)。みんなまた逢おうねー!

 ●買物三昧?

旅の疲れとアルコールで翌朝は爆睡(笑)。気がつくと8時半を回っていた。シャワーを済ませホテル内で朝食を摂る。卵料理はフレンチトーストをチョイス。美味しかったー。チェックアウトは12:00なので、そのまましばしのんびり過ごすことが出来た。外はもう真夏のような青空が広がっていた。

ホテルのバスで新宿駅へ行き、小田急新宿駅のコインロッカーに荷物を預ける(空いてて良かった)。まずは銀座のプランタンへと丸の内線。DA MISSのショップでタンクトップとショートパンツを購入。実は春にカタログが届いた時から欲しかったやつ。#2も新作のウェアを。続いてギミーシェルターへ行こうと原宿へ銀座線(やっぱり?)と千代田線(明治神宮前)。その前にソニプラも散策(笑)。面白い時計を買ったり。
ここまでのルートはJR線でもいいんだけど、この時間確実に座れるのは地下鉄だね。おかげで楽でした。

ギミーシェルターではずっと前から欲しかったキースリチャーズの本があり、定価\2,200のがプレミアがついて何と\4,500もしたけど買っちゃった。あとピンバッジも。遅めのお昼は竹下通りのLA VELDEでイタリアン。ニンニクのいい匂いにつられてペペロンチーノをオーダーしたら、ニンニクはスライスではなくまるごと30片以上も載っかっていた。ビックリ。でもオイルは却ってニンニクがしつこくなく、これもまた良し。サイドメニューは生ハム入りニョッキ。ここへ来たらニョッキを食べなきゃ。すっかり満腹になりました。

ついでに原宿駅前のオシュマンズに寄ったけど、もう買うものもなく新宿に戻る(ホントはCDを買おうと思ったが)。駅の電車接近チャイムにつられ、ふと携帯を見ると金沢のNちゃんからメールが届いていた。何故つられたかというと、メール着信音があのチャイムだから(爆)。夕方のレッスン頑張ってねー。
新宿では少しだけ時間があったので、ルミネ2で#2の買物に付き合ったり。とうとう時間がなくなり、荷物を出して羽田へと向かう。

 ●帰途

京急品川駅のホームに立ったのは17:00。ここでチェックインを済まそうと思っていたのに、日曜はこの時刻で終わりとか。ちょうど機械の前のシャッターを降ろしているところで、係のオジサンが「ハイ羽田でお願いします」。がっかり。

ちょうど都営車のエアポート快特が来た。座れたのが幸いして二人ともウトウト…平和島を通過した頃までは記憶があるが、蒲田に停車したのを覚えていない(爆)。空港に着いたら急いでチェックインしたものの席はバラバラにしか空いていなかった。まあ1時間弱のフライトだからガマンするか。
テロ事件以来厳しくなったチェックで、搭乗口の列はなかなか先に進まない。ようやく機の待つゲートに着くと同時に搭乗開始の案内があった。

機は来た時と同じB777-246で、シップナンバーも同じJA8981。いつもなら夜の出発なのに、まだ明るい内に羽田を発つなんてヘンなカンジだ。
夕方の出発ラッシュと重なり、飛行機が列をなしてC滑走路R/W16Lへ。先行していたのはミッキーマウス仕様のJAL B747-446Dだった。滑走路の半分も走らないうちにエアボーン、そのまま上昇を続け右にターン、羽田空港が見えた。続いて神宮の杜の向こうに新宿の摩天楼が…さっきまであそこに居たんだな。そのさらに向こうには餡ちゃんとるみちゃんが居るんだな…少しずつ緑が増え始め、やがて少し南下してきた梅雨前線の雲が散らばり…。機は松本経由で真っ直ぐに小松へと向かうが、その雲の隙間から見えたアルプスの山並みはとても美しかった。
いつもの夜景とオーバーラップしながら、もうこんなトコを飛んでいるのか…と思ったらもうディセンド(降下)していた。小松空港上空をヒットする頃にはいつもより高度が低く、どうやらIFR(計器飛行)をキャンセルしてビジュアルでアプローチのようだ。ぐいっと右ターンしてR/W24に正対、タッチダウン。なかなか迫力ある着陸はスリリングでもあった。かつての「香港カーブ」もこんなカンジだったのかな。

小松はまだ蒸し暑かった。

● ● ●

今回の旅から、本格的にストアードフェアカード、つまりパスネットとSuicaを利用したが、確かにいちいちキップを買わなくていいのはとても便利。飛行機の搭乗券だってネット予約のチケットレスなので、今までとは「旅に出る」という実感もなく、また現地での「来た」という感慨も薄れた感は否めない。普段どおりの移動の、そのままの延長線にあるという感じだ。

以前の全日空の「ハンバーガー計画」を思い出したが、「旅」の魅力、即ち非日常性の魅力が削がれたのは事実。でも便利なものは便利。困ったことになったものだ…

いつも同じの話になるけど(すみません)、このところ電車での旅も続いたこともあって一つ結論を発見。
それは価格を守ったか守らなかったか。航空会社は自ら価格、即ち運賃の不透明さに手をつけてしまったのだ。一部の「運が良かった」利用客だけを対象にした割引ほど不透明なものは、本来公共の場においてありえないはず。つまりこれは自らルールを破ったことに他ならない。

これに対し、JRは価格を守っている。「早いもの勝ち」なんてバカげた割引はしていない。

結論を言えば、全ての利用客に対し「嘘をついたかつかなかったか」という話だと思う。航空会社は軒並み前年度対比割れと聞くし、大手が赤字転落、無配とも。それは全てテロ事件と不況のせいだけだろうか。信用というお互いに大きな付加価値が忘れ去られていると思うのだが…

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