滝谷


出合より滝谷


ここから何度見上げたことだろう。

Sさん、Tと3人で向かった20歳頃の初冬。
Yさんと向かった20台前半。
1人向かった25のクリスマス。

そして、アラスカのトレーニングで向かった29の冬、Nさんとようやく登らせてもらった。

条件がそろわないとなかなか登らせてもらえない
そんなラインだった。

その後も何度となく計画をしたものの実現しなかった出合からの滝谷。

32の3月だったろうか。
3尾根ワンデイを目指したもののスノーコルの少し上で、
雪崩の危険を感じて、下降した。
4尾根なら取り付ける場所だったが
軽量化のためロープも1本だったので、あきらめて下山した。
最後の滝谷である。

5打数1安打・・・。
行かなきゃ登れないが、僕の登山人生を物語っているようだ。

飛騨沢でのスキーの帰り雄滝の上に一条のトレースを見つけた。
出合付近で出会った二人のクライマーは、
「好天に恵まれ、登攀終了後D沢を下降してきた」
と語り下山していった。

時代は変われど冬の滝谷は、これからも多くのクライマー
にとって、すばらしいフィールドであり続けるだろうと思う。

 2007年3月19日 記