眼が離せない

朱里が涙を一筋流して「うん」と頷けば、
アスファラールがその黒い頭を腕の中に再び引き寄せ、
外界から一切遮断するかのように養い子の小さな身体を胸にそっと抱き寄せる。

その一連の自然な仕種になぜか目を奪われて、僕はふたりを凝視してしまっていた。



「使徒星の住人たち」シリーズ あわれび同胞 より

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