銀の使徒


「あの御方の微笑みこそが、私の願い……」

 銀の聖獣は、射干玉の月詠の民である女神セレネを慕っていた。

かの神々の恋人たちはその使徒の想いに気付いていながら、
恋の成就に銀の使徒を利用したのだ。

 その償いが《月詠》──。

《月詠》とは女神セレネの化身を示す、銀の使徒の孤独を癒す存在だった。


「カンギール・オッドアイ」シリーズ  眠りの卵 vol.10より



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