森の恵みと沢にひたるツアー
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砂防ダム 写真と資料

千曲川金峰山川
阿知端下砂防ダム

2003年1月15日
雪の中の視察



自然保護ページ

渓流保護ネットワーク
金峰山川は千曲川が源流部で二つに分かれる一方の支流です。長野県が山梨県・埼玉県に接する川上村にあります。阿知端下(あちばけ)砂防ダムは千曲川本流から分かれて1km弱のところに建設中で、200mぐらい上に秋山砂防ダムがあります。建設中なのに道路地図にはダム湖付きの「阿知端下ダム」が描かれているものもありますが、これは既設の秋山砂防ダムのまちがいでしょう。
建設中の阿知端下砂防ダム
両側から段々に作られている。この段階で止めても特に危険性はなさそう。
立派な石碑を作る必要はないが「途中でやめました。田中康夫」とプレートを作ってもいいんじゃないですか。

すぐ上に秋山砂防ダム
右下が建設中の阿知端下砂防ダム、左上(上流側)が秋山砂防ダム。

下流側のようす
阿知端下砂防ダム(写真の左下方向)から見ると、金峰山川は左中央から右端中央に(写真ではやや上向き)流れ、右端にかすかに見える赤い橋の先の山すそで千曲川本流に合流する。川沿いに渓畔林があり(植えたカラマツだったりする(^^;)その外側にゆるやかな河岸段丘がある。大雨が降れば渓畔林を越えて氾濫しているのではないだろうか。そういうところにも工場や人家ができている!

作らないほうが渓流環境(水や土砂の流れを止めない、景観)のためによいと思われます。現在渓流保護ネットワークで建設の目的などについて問い合わせています。あえて必要性を予想して考察してみます。

1 下流集落を洪水から守る
洪水を防ぐのは砂防ダムの目的ではないし、阿知端下砂防ダムを完成させても洪水は防げない。ふだん水や砂をためないでおけば洪水の時間稼ぎにはなるか。やはり氾濫原に建物を作ってはいけないし、現在ある数軒を移転させても5億以上かかる砂防ダムより安くすむ。
2 上流の秋山砂防ダムの老朽化に対応
(1)そもそも秋山砂防ダムも要らない。下の写真でもわかるように上流も下流も河床が下がっていて土砂が流れていないことがわかる。むしろ土砂を流すべき。
(2)仮に必要だとして、秋山砂防ダムは土砂の浚渫を容易にできるので寿命は延ばせる。たまっているのが細かい砂ばかりで、地形的にも既存の道路から簡単にダンプが下りられる。利水のためなら完全にせきとめないタイプの取水堰を作ればよい。

新川又橋(千曲川との合流点の近く)から金峰山川の上流側を見る。川原の一段上にぽつぽつと建物がある。
下流側。右下隅にちょろちょろと金峰山川。流れの3mぐらい上の段(写真中央)に家が数軒ある。ここは大雨が降ったら浸水するかもしれない。と、他人が思うぐらいだから、家を建てるときには考えるんじゃないですか、フツー?
秋山砂防ダム(写真の中央上、山のかげで見えない)の上流側。左下の雪面はたんぼ。
砂防ダム建設地から2kmほど上流。川のそばの斜面が削られている。上流からの土砂の供給が少ないようだ。
そのまた500mほど上流。写真の奥にも砂防ダムがある。床固めのコンクリが崩れ落ちている。左端を拡大すると、
このように崩れている。右側(左岸)も
このとおり
少し下流を見てもこんな感じで、相当河床が下がっているようすだ。上流の砂防ダム群が有効に?土砂を止めている。ずっと下流の千曲川本流も同様。将来的には砂防ダムをなくしてもっと上流から土砂を供給すべきだろう。