ハーシェル紀行
2003年ハーシェル・ツアー報告(2)


 4月1日(火)朝食のあと、オックスフォードを出てバスでロンドンに向かう。10時20分マーブルアーチ下車、宿に鞄を預けキューガーデンの開園時間を聞く。この日から16時30分まで入園可とのこと。時間は十分ある。10時50分出発。空模様があやしい。チャリング・クロスでバスを降りフォイル書店へ。やがて本降りになった。先ずは大英博物館へ。前に訪ねたエジプト・カイロ博の延長で、エジプト関係展示をちょっと見てから、入り口近くのロゼッタ石に会う。雨は止んできた。そうなると植物園へ行きたくなる。

 地下鉄へもぐると、行く方向の電車が動いていない。遠回りをし、ディストリクトラインでキューガーデン駅に着いた。改札口を出てキョロキョロしていると、上品な老婦人から線路の反対側だと教わる。駅付近に商店・喫茶店があるが、一本通りを渡ると、住宅街。一昔前の東京郊外の中級住宅地という風情だ。キュー植物園のヴィクトリア門に着いた。

 先ずは、温室から大きなガラスの建物を目指す。Palm House、椰子温室だ。専門家には宝の山だろうが、私には分からない。所々にあるらせん階段の塔のような所で梯子を上から眺められる。1つだけ登ってみた。また、地下に水族館があった。水槽の中に魚もいるが、ここは藻の展示とか。寒いからか、幼児連れのグループが数組いて、歓声を上げていた。外へ出て案内図を見る。前にあるのがバラ園。芽は動いているのだろうが、葉もまばら、枯れ枝に見える。その先に「桜の散歩道」。けなげにも咲いている株がある。白妙・遠山・はた桜・中国桜とそれぞれに札が掛けてある。植え方は一株ずつ。枝はよく張っているが、桜は集団が良い。堤・道の両側の並木・掘に棟を伸ばした桜たち・異国の一本植の桜はさみしそうだ。この先に「ウイリアム王の神殿」。小さな白いギリシア風の建物。また、ガラスの温室が見えてきた。Temperate Houseに入る。ここは、もう春、いや初夏だ。日本で見る温室と変わらない。何となく安心だ。ここでの発見−私の無知、オモトにPohdea Japonicaと書いてあった。中国原産と思っていたので、ビックリ。一回りして、脇の出口から外へ出ると、小さな温室がある。Evolution House(進化の館)とあり、入口に手書きで「花は無い」。小さなプールの上をまたぐ道がある。その行く手に大きな岩があり、次のステージを隠している。プールは浅く、ストロマトライトだろうか、泡を出している。本当に空気中の二酸化炭素を固定し、酸素を出しているのだろうか。オーストラリアに行って、ぜひ一度本物を見たい。写真だと大きく見えるがこのプールの中のは小さい。やっぱり大英帝国だ。本物なのだろう。巨大シダ、恐竜の足跡(レプリカ)が通路にある。一番奥の小さなホールは新生代。ランの花が飾ってある。

 ここでゲイトに戻ろう。日だまりにラッパ水仙が咲いている。右手の丘の大きな木に白い花は中国の木蓮だ。花壇に私のヒザ丈ぐらいのクリスマスローズの大きい株がある。色は紫とクリーム。ここではラッパ水仙も大きい。気候のせいか。品種が違うのか。


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