英語版ウィキでも「1789年」となっているので、多分これは日本語版のミスなのでしょう。ところで、英語版ウィキからリンクされている、Ian Ridpath's Star Talesというサイト(http://www.ianridpath.com/startales/telher.htm)には、日本語版ウィキと同じように、大望遠鏡座は20フィート、小望遠鏡座は7フィート望遠鏡がモデル…と書かれています。そして、「ヘルが描いた大小いずれの望遠鏡も、現物とはかけ離れた姿をしていることから、ヘルはいずれも見たことがなかったのだろう」云々とあって、まあ恐らくそうなのでしょうね。で、後にボーデが、ヘルの言う「大望遠鏡座」の位置に7フィート望遠鏡を描き込んだので、話がややこしくなってしまったと。
この挿絵には、はっきりとした元絵があります。描かれているのは、1840年にロス伯が作った口径36インチ、鏡筒長26フィートの望遠鏡です。(通称「3フィート望遠鏡」とあり、この頃には既に望遠鏡を焦点距離ではなく、口径で呼ぶ習慣に改まっていたのでしょう。なお、下の画像は、H.C.King の The History of the Telescope(1955)からスキャンしましたが、大元は1840年の Philosophical Transactions のようです。)