【中国の作曲家】

中国中央楽団集体創作(殷承宗、劉荘、盛禮洪 他
黄河鋼琴協奏曲 推薦者:Seanさん

ピアノ協奏曲「黄河」
The Yellow River Concerto

殷承宗(pf)
エイドリアン・リーパー指揮スロヴァキア放送ブラチスラヴァ交響楽団
Yin Chengzong(pf)
Adrian Leaper / Slovak Radio Symphony Orchestra (Bratislava)

<併録>
月を追う色とりどりの雲(広東俗謡、編曲: 王健中、殷承宗)、愉しいロソ(雲南省民族音楽、編曲: 殷承宗)、内モンゴル民謡による7つの小品(桑桐)、バレエ組曲「人魚」(呉粗強、杜鳴心)、レッド・リリーが深紅に咲いて輝いて(陜西民謡、編曲: 王健中)、古き中国のメロディーによる3つの変奏曲(中国古琴曲、編曲: 王健中)

CD:Naxos/8.554499

 この曲は中国の作品で、複数の作曲家による共作です。文化大革命のときに書かれたもので、残念ながら日本ではほとんど知られていません。全ての楽章にわたり曲調は非常に明快で、いかにも中国風のメロディがちりばめられています。元は「黄河大合唱」というカンタータだったようです。なお、協奏曲は3楽章で書かれるのが通例ですが、この曲は4楽章から成っています。私見ですが、これは「起承転結」を意識したものと思われます。

 第1楽章「黄河の舟歌」は、グリーグのピアノ協奏曲のような始まり方で、その後華やかで力強い舟歌になります。第2楽章「黄河を讃える」は、黄河だけでなく中国各地の景観を音で表現したかのような自然賛歌です。女性的で包容力のある、そしてもちろん中国風のメロディがたまりません。第3楽章「黄河の怒り」は、始めは第2楽章の続きのようなゆったりした雰囲気です。しかし突如、一天にわかにかき曇り、黄河が増水・氾濫したかのような荒々しい曲調となります。とはいえポジティヴなメロディに変わりはなく、私は龍が天に昇るようなイメージを持っています。第4楽章「黄河を守れ」では、勇ましい行進曲風のメロディが何度か繰り返されます。You Tubeにおいて、これの原曲の動画を見ることができましたが、歌詞は、日本から祖国を守れ、という意味のものでした。それを考えると複雑な気分になりますが、かっこいいものはかっこいいので仕方ありません。最後は「東方紅」という歌の旋律がフル・オーケストラで堂々と歌われて終わりです。この歌の歌詞もYou Tubeで見ることができました。

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