take it easy
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Purururururu...... Purururururu...... Purururururu...... Purururururu...... Purururururu...... Purururururu...... Purururururu...... Purururururu...カチャッ ―ただ今、電話に出ることはできません。 ご用のある方は、発信音の後にメッセージをお願いします・・・ピーッ― 「あ、和葉? オレやけど。今日、これから出かけることになってしもた。 せやから、約束、また今度にしよや。ほな」 そんなメッセージが残されたのは、3日前。 それから、平次からの連絡はナシ。 いつものことやけど。 いつものことやけど、アタシから掛け直すのは、ちょっとムカムカ。 やって、いーーーっつもアタシからなんやもん。 いつもいつも、今度こそ平次から掛かってくるまで掛けへんと思うのに ついつい、ガマンできずに電話してしまう。 アタシ、意地っ張りやて言われても、今度こそ、今度こそは掛けへんねん! そんな風にしていたら、3日が経ってしもてんけど・・・。 平次、約束はどうなってるんですか? 「和葉、怒っとるやろなー・・・」 和葉の携帯に電話したのは、今から5日前。 いつもやったら、とっくに「へーいーじィーーー!」と、怒りの電話が来てるのに 電話はおろか、メールすら届いてこない。 こら完璧、怒っとる証拠や。 和葉との約束が、午後から入っていた5日前。 8時半過ぎ、自宅の電話が音を立てた。 そのうちオカンが出るやろと思て放っといたら、いつまでも続くコール音。 オカン、何しとんねん・・・と呟きながら電話に出ると、電話の相手はオカンの友達。 「オカン、電話ァ。オカンー!」 大声で呼んでみても、オカンは返事がない。 まさか、またたこ焼きのプレートで、足でも怪我したんやないやろなァ・・・ そんな気がして台所を覗いてみたら、オカンは朝食に使た食器を洗てただけやった。 たぶん、水の音がうるそうて、電話の音もオレが呼ぶ声も、全く気ィついてへんのやろ。 「オカン、電話やで」 「えっ?」 「せやから、電話」 ほれ、と子機を差し出すと、オカンは蛇口を下におろして、タオルで軽く手を拭いた。 「あら、久しぶりやなァ」と話し出すのを横に、冷蔵庫を開けて飲み物を探した。 昨日買うて来たDAKARAがあったハズ。 半透明な液体が入った500mlのペットボトルを片手に、冷蔵庫を閉めた。 和葉と出かける前に、バイクの点検でもしとくかなァと思って、背伸びをしながら縁側を 歩き出すと、「ちょー平次、待ちや」と呼び止められた。 「あん?」 「平次、アンタちょっと芦屋まで行ってくれへん?」 「はァ?」 「せやから芦屋。私の友達の頼み、聞いたってや」 有無を言わさず差し出す子機を、オレは仕方なく受け取った。 この電話が、和葉との約束を延期させた理由やった。 事件が解決したのは、それから3日後の朝。 解決して、すぐに電話したらよかったんやけど、疲れがどっと出て、家に着いてすぐに寝てしもた。 目が覚めて、視界に入った携帯電話。 鳴らないメロディ。 押し辛くなったメモリー。 あれから今日で5日。 こんなに怒らせたんは、久しぶりやからなァ・・・。 まァ、約束が3度も延期となったら、さすがに怒ってもしゃーないけど。 ・・・・・・。 よっしゃ、掛けたろ。 気合を入れてリダイヤル機能を押し出したとき、「入るで」と、オカンが部屋にやって来た。 「平次。悪いんやけど、また芦屋に行って来てや」 「何や? 事件、解決したハズやろ?」 「事情聴取、もういっぺん、アンタから聞きたいそうや。さっき、わざわざ兵庫県警の本部長から 電話があったって、お父ちゃんから連絡来たから、ちゃんと行って来るんやで?」 「はァ・・・しゃーないな。何時?」 「別に時間がどうとかは言うてへんかったけど、早い方がええんちゃうの?」 「ほんなら、すぐにでも行って来る」 「頼んだで」 パタパタとスリッパの音が、遠くに消えていく。 ったく、タイミング悪いわ。 何でこうなんねん。 オレは悪態をつきながら、携帯をポケットに入れ、ブルゾンに手を伸ばした。 ブルゾンに入れっ放しだったバイクのキーを確かめて、ふと1つの考えが頭に浮かんだ。 そやそや、その手があった。 ポケットに入れてた携帯を、左手で再び取り出した。 鳴らない電話を見るアタシ。 他のメロディは奏でるのに、平次からの電話を知らせるメロディだけが、鳴ろうとしない。 待つのって、ほんまにしんどい。 今日掛かってけぇへんかったら、掛け直してみようかな。 でも、それってやっぱり、アタシだけが平次のこと好きみたいで、なんか悔しい。 付き合うようになってからも、アタシからの電話の方が、絶対多いと思うねん。 せやからやっぱり、掛けるのやめた。 待ってみよう。 そんなアタシの耳に、甘いメロディが届いてきた。 Purururururu...... Purururururu...... 和葉、出てくれるやろか・・・ Purururururu...... Purururururu...... 和葉、頼むから出てくれや。 Purururururu...... Purururururu...... 頼むわ・・・・・・ Purururururu...... Purururururu...カチャッ ・・・聞こえてきたのは、機械の声。 出られへんのか、シカトされたんか、わからへんけど。 機械の発信音が耳に響いた。 「・・・あ、和葉? オレやけど。この前延ばした約束やけど・・・」 平次からの電話を知らせるメロディ。 甘いラブソングの着信音。 どうしよう・・・どうしよう、出ようかなぁ。 話したいけど、どうしよう、緊張してきた。 携帯を両手で持ちながら、携帯の液晶画面をじっと見る。 平次の名前が表示されてる。 通話ボタンを押そうかな・・・と迷ってる瞬間、画面が応答中に切り替わった。 あ、しもた。 留守電に切り替わってる・・・! アタシ、慌てて通話ボタンを押した。 「もしもし、平次?」 「おう、和葉」 「ゴメン、バイブにしてて、気ィつかへんかったわ」 アタシ、ちょっぴりウソをついた。 これくらい、ええよね? 「スマンかったなァ。留守電入れてから、いっぺんも電話せんと」 「ほんまやわ。もうすぐ春休み、終わってまうで? 約束は?」 「ああ。その約束やねんけど・・・」 「まさか、またダメになってしもたん? もう、桜、散ってまうよ?」 「ちゃうちゃう。ちゃんと守るわ。今年は大阪城の梅、見られへんかったからな。 桜はちゃんと連れてくから、今日、空いとる?」 「今日?」 思わず出た返事は、頭にアクセントが来る疑問形。 そんなん無理やわと言ってるような、気の強そうな返事。 「何や、ダメか?」 平次の声が、軽くトーンダウンした。 「うーん・・・まァ無理というわけやないけど」 「ほんなら決まりや。そしたらな、6時に阪神梅田の改札の所で待ち合わせしよ」 はっ? 阪神? 「阪神の方? ええけど、ビッグマンの前やアカンの?」 「オレ、あっこのジュース、飲みたいねん」 「ミックスジュース?」 「そういうこっちゃ。せやから、ジュースのトコに6時でええな?」 「うん」 「それと、オレこれから芦屋まで行って来るわ」 「えっ、また出かけるん? ほんまに時間までに戻って来れるん?」 「3度目の正直」 「2度あることは・・・」 3度あると言おうとするアタシのコトバを、平次は慌てて遮った。 「とにかく! 6時やで! ほなな」 ツーッツーッという機械音だけが後に残されたけど、今日はとっても嬉しかった。 長針と短針が、キレイに一直線になった。 オレの左腕にある時計は、夕方の6時を指している。 車掌が、もうすぐ梅田に着くことをアナウンスしている。 っあーあ、また遅刻や。 和葉、怒ってんねやろなァ・・・ ハァと溜め息をひとつついたら、電車はガクンと停止した。 オレは慌ててホームに飛び降りる。 地下二階、改札の向こう側。 ジュースを飲んでいるオッチャン・オバチャン、待ち合わせらしい人も何人か居る。 そんな中で、こっちを見ているオンナがひとり。 何でやろ? 和葉を一目見るだけで、めっちゃ安心感が溢れてくる。 こんなに顔が緩んでくる。 オレは急いで改札を抜けた。 「悪ィ和葉、遅なってしもた」 「ミックスジュースで、ええよ」 和葉の顔が、ほころんだ。 これから見に行く桜よりも、ずっと満開の微笑みやった。 「今年は桜、早いなァ。造幣局の通り抜け、完璧葉桜やね」 「そやなァ。まァとりあえず、今日は公園の方、行こか」 「うん」 アタシの希望どおり、ミックスジュースを飲んだ後、地下街を抜けてJRへと向かった。 大阪から、外回りで京橋方面への電車を待つ。 周りには会社帰りの人もいれば、買い物帰りらしい学生とか、旅行帰りらしい人もいる。 アタシらが並んだ前には、仲良さそうに手を繋いどるカップルがいる。 女の子が話し掛けると、男の子は首を軽くかしげて、彼女の方へと顔を近づける。 それがちょっぴり羨ましくて、ついつい平次を見てしまう。 でも、平次の視線は全然違う方。 隣の列で、わぁわぁ騒いでる小学生に、興味が行っている。 アタシ、自分の手を、右隣に立っている平次の方へ、ほんの少し、ほんの少し近づけた。 触れるか、触れないかといったところで、バッと平次が振り返った。 「電車、来たで」 くいっと顎を突き出した先から、オレンジ色の車体がガタンガタンと入線して来た。 平次が振り返った反動で、一瞬、二人の手の甲が触れ合った。 スッと。 ちょっとだけ。 手の甲と、手の甲が、触れ合った。 それだけなのに、頬がカッと熱くなる。 「ほら、ぼーっとしてんなや。転ぶで」 そんなアタシに、平次がいつもの減らず口。 「ベツに。ぼーっとなんて、してへんもん」 「してた。から、しっかりつかまっとけ」 そう言うと、平次は自分の左手首にアタシの右手を持ってった。 「放すんやないで。流れてまうから」 「う、うん」 動き出した人の波。 乗車口に、沢山の人が押し寄せる。 乗り込んですぐ、思わず足が取られそうになったアタシを、平次はうまく引き寄せた。 乗車口の三角スポット。 そこにすっぽり収められた。 平次は空いた右手でシルバーの棒を掴んでいる。 何か、ドラマみたい・・・ チラリと平次の顔を見ると、平次は中釣り広告を読んでいた。 おもろい記事でもあるんやろか。 平次の視線を追うように、アタシは顔を少し上げた。 「なァ、『今からでもまだ間に合うG.W.特集』やて。世の中、せわしないな」 アタシが同じ広告を見上げたことに気づいたのか、平次は振り返らないまま話し出した。 「1ヶ月も先やのに、『まだ間に合う』やで?」 「うーん・・・それはアタシらが高校生やから、そう思うんちゃう?」 「オトナになるっちゅーことは、先まで考えなアカンてことか」 「何悟ったようなこと言うてんの。変な平次」 ふふっとアタシが笑ったら、車両がガタンと揺れてバランスが崩れた。 アタシの体、平次の方に倒れかけた。 バランスを立て直すのに必死になったアタシは、右手に思いっきり力を込めた。 そう。 右手は、平次の腕に掴まってる手・・・。 ジャケットの上からじゃなくて、直接触れてる平次の腕。 見かけより、もっともっと力強い。 アタシが右手に力を込めたせいで、こっちに引っ張られてるっていうのに 平次、びくともしない。 相変わらず、中釣り広告を眺めている。 ただ、さっきとは逆の方向やけど。 でも今のアタシは、このシチュエーションだけでも、かなりドキドキ。 隣同士の至近距離はよくあるけど、こんな風に正面での至近距離はなかなかないから アタシの心臓、頑張ってる。 「あ、桜。やっぱり大阪の方が早いねー」 「ほんとだー。もう満開だね」 イントネーションが違う言葉が、すぐ近くから聞こえてきた。 それに反応するみたいに、平次が視線を窓の方に向けた。 「和葉、外」 平次がクイッと軽く顎を突き出したので、それにつられて外を見たら 電車は目的のホームに入っていった。 改札を通るときに離れた和葉の手。 掴まれてた部分が、急に寒くなった。 本当は、腕を掴ませるんじゃなくて、手を繋ぎたかったのだけど。 まだオレには、ぎこちない。 どうにか繋ぐことができても、たぶん、掌に汗が出る。 そんなオレの気持ちを余所に、2,3歩先を歩く和葉が「うわぁ」と溜め息をついた。 「平次、見てェな! 桜がもさもさ咲いとる!」 「ぶっ!」 「えっ? もう、笑うトコやないで?」 「そやかてお前、普通桜がもさもさなんて言わんやろ?」 「やって、何かちょこっちょこって、塊のように咲いてるやん」 「それがもさもさかァ?」 「うん」 「どっちか言うたら、桜餅って感じやないか?」 和葉は歩くのをやめ、大きな目を1度だけ瞬きした。 それからゆっくりと視線を、桜の方に動かす。 「桜、餅?」 「せや。うまそうやろ? 和葉もそう思わん?」 「アタシ、そこまで食意地は張ってません」 「オレが腹減った」 「あ、そう」 呆れ顔の和葉を残して、オレはゆっくり歩き出した。 もう少し先まで行けば、屋台が出ているだろう。 焼きそばがあるとベターやな。 和葉には、チョコバナナがあるとええけどなァ。 「ちょう、平次、待ってや」 「あん?」 呼ばれて後ろを振り向いたら、和葉はさっきの場所に立ち止まったまま 自分のバッグを漁っていた。 まさか、また財布がないとか言うんやないやろな。 「あ、あった」 何があったのかしらないが、あったらしい。 とりあえず、この道を戻る必要はないらしい。 「平次、いくで?」 「あん?」 「手、出して。手」 「手ェ?」 「はいっ」 オレが手を出す前に、和葉が何か小さいものを投げてきた。 オレの手前で落下し出したその物体を、反射的にキャッチする。 「お腹空いたって言うたから、とりあえずそれでも舐めときや」 「ああ、おおきに」 和葉が投げて寄越したのは、苺味の飴だった。 早速舐めようとして、飴の包みを開きかけたとき、女の怒っている大きな声が聞こえてきた。 「せやから、何で電話の1本もでけへんの?」 声の方を振り向くと、1mくらい先にいる姉ちゃんの声らしい。 姉ちゃんは、もう1度同じ言葉を繰り返した。 「せやから、何で電話の1本もでけへんの? 電話くれたら、それでええのに・・・!」 栗色の髪をしたその姉ちゃんは、誰に向かって怒っているのか。 怒っている矛先はわからない。 とりあえず、携帯の向こう側にいる人間には違いないのだろうけど。 「ほんま、何で電話できひんのやろ? な、平次」 「さ、さあな」 後ろから小走りにやって来た和葉が、ニッコリと微笑んでいる。 軽く、こっちを睨みながら。 これは内心は怒っているに違いない。 オレは頭を掻きながら、またちょっと後ろを歩く。 携帯の姉ちゃんの相手と同じように、責められへんように・・・。 視線を和葉に向けると、背中で手を組みながら、桜を見ている。 足取りは少し速くなっている。 オレは、つかず離れずの距離を保って、その背中について行く。 歩調が変わったことで、携帯で話している姉ちゃんの横をすれ違う。 すれ違いざま、その女の声が耳に届いた。 「何で怒っとるやて? 淋しいからに決まっとるやろ・・・もう、それくらいわかってや!」 あん? 今、何か、矛盾しとる言葉を言うてへんかったか? 怒っとる理由は、淋しいから? さっきの怒りの声は、電話をせんことに腹立っとったんとちゃうん? よく理解できないことを話した女は、オレの少し後ろで溜め息をついた。 「やって、仕事でなかなか会えへんのに、電話もろくにくれへんなんて、淋しいやん。 それなのにアンタは、全然平気みたいやし? 悔しいわ。腹立つわ。 ・・・えっ、ごめん? もう遅いわ。えっ、今から来る? 名古屋から大阪まで?」 聞こえてくる会話に、少なからず興味が湧く。 これは自然に聞こえてくるんであって、盗み聞きやない。 そんな言い訳をしながら、後ろの会話に耳が向く。 「そら会いたいけど・・・うん・・・今? 桜ノ宮。そう、公園のトコ。 うん・・・もう、怒ってない・・・うん、そう、会えるから。新大阪まで迎え行く」 何気に後ろを向いたら、姉ちゃんは携帯を嬉しそうに握り締めていた。 ・・・あっ・・・! ああ、そういうことやったんか・・・ 探偵なんて言っとるオレも、和葉に関してはまだまだやな。 ふっと、口元がほころんだ。 「平次ィ、アンタどこ見てんの?」 「えっ?」 「しかもニヤニヤして。そんなにあの女の人がええの?」 「は?」 「やって・・・」 その続きは、聞こえるか聞こえないかの小さな声。 でも、和葉が膨れてる理由はわかった。 「ちゃうよ。和葉の勘違い」 「ほんま?」 「ほんまや。それよかな・・・」 さっきの姉ちゃんのおかげで、ひとつわかったこと。 それを話そうと思って口を開いたら、オレの言葉を遮るように、和葉が話し出した。 「なァ平次、この飴、包みの部分に『今日の一言』とかいうのが書いてあるよ」 「あん?」 「さっき、渡した飴。アタシのは『笑う角には福来る』やって。ありきたりやわ。平次は?」 言うが早いか、オレの手ェから飴を取り上げる。 オンナって、何でこんなんが好きなんやろ? 「平次のはなァ『take it easy』。ふーん。悪ないコトバやね」 「はい」とキレイな指が、オレの目の前に飴を差し出す。 それを無言で引き受ける。 オレに出されたのは、take it easy. 気楽に行こう、か。 ふーん・・・。 なーんか、オレらのことみたいやな。 ちょっとでき過ぎみたいな感じやけど、タイミングよく現れたコトバ。 オレの隣でご機嫌に微笑んでる、お姫様。 これからも、一緒に歩くんやと思うけど。 同じ景色を見るんやろと思うけど。 長い時間、過ごしてくことになるんやから。 take it easy. オレらしく、オレららしく。 やっていこう。 「平次ィ、写真撮って」 「へいへい」 ファインダーの向こうで、オレにしか見せないとっておきの笑顔に これからは絶対・・・いや、なるべく、電話はちゃんとします、と呟いてみた。 「ええかー、撮るでェ」 「うん」 「あ、和葉、頭に毛虫・・・」 「えっ!? ウソ、ヤダ、平次ィ、取ってー! イヤー!」 「ウッソー」 「は? えっ、何? ウソ?」 「今のビックリした顔、バッチリ撮っといたで」 「もー、平次ィーーー!」 和葉の声に、振り返る人々。 沢山の視線が飛んでくる。 でも、そんなことは、気にしない。 和葉の目に入ってるのは、オレだけやから。 夕桜のきれいな、春の1日。 怒った和葉が、オレの腕を掴む。 風はまだ冷たいけど、繋がれてる部分は温かかった。 |
所々、送り仮名とか助詞が抜けてるよー、という所は関西弁風に読んでみてくださいませ。 たとえば「使てた」は「つこてた」、「洗て」は「あろて」という感じで。 あってるかどうかは、よくわからないんですけど、ニュアンスだけでも・・・。 それにしても、今回はなんだかいつも以上にまとまりのないお話でした。 何か、季節モノをなかなか書けないので、急いで書いたのがやばかったかも・・・ 読んでくださった方、すみませんー |