この文章は大学進学や就職で不安な一人暮らしを余儀なくされる予定の方、離婚を考えているが「独り身は寂しいのではないか」としり込みしている方、はたまた知人や親戚に「独りじゃお寂しいでしょう」と言われ「そうなのかなあ?そうなのかも・・・」と弱気になっている方にお勧めいたします。では、始めましょう!
一人暮らしは快適!
なんといっても、「何をしても自由」という基本的人権をここまで拡大した生活はないでしょう。
もちろん他人に迷惑をかけるのは言語道断だとしても、ここでいう他人とは「外部の人達」なので、ステレオの音量を自制するとか、ゴミをちゃんと分別するとか、深夜にシャワーは浴びないとかの、社会人としての最低のモラルを持っていれば問題ありません。
それさえOKなら、長電話しようが、毎日カップラーメンを食べようが、帰宅が毎晩午前様になろうが、誰もなんにも文句いいません。というか、文句言う人がいません。私にはあまり関係ありませんが、アダルトビデオも見放題です!
たいていの人は生まれついての「一人暮らし」ではないでしょうから、兄弟とテレビチャンネルのことでケンカになったり、寝坊して朝食を抜いたら母親に「健康に悪い」とか言われて育っていることと思います。そんな生活にうんざりしていた方なら、一人暮らしを始めたとたん、まるで目の前に食べきれないほどのご馳走をならべられたような幸福感に満たされるとこでしょう。
なぜ一人暮らしは快適なのか?
もちろん、一人暮らしを始めたからといって、別に大金持になったわけでもないので、いろいろと制約はあります。しかし、それだからこそいいのです。
例えば、掃除・洗濯という、特に男性の方々に多い「一人は不便だよ」な問題がありますが、じゃあ奥さんにやってもらえば楽かというと、そんなことはないと思います。
「脱いだ服はちゃんと洗濯籠に入れてよ!」
「ビール飲んだら、ちゃんと缶は捨てて、コップは洗って!」
などと、毎日言われることになります。晩酌してのんびりしているのに、あとかたづけなんてやりたくないですよね。コップなんて一個しかないわけじゃないので、気が向いたときに洗えば充分でしょう。だいたい、居間のテーブルの上に空缶が転がってたって何も今すぐ来客があるわけでもないし・・・。という反論を胸にしまって、あなたは渋々後片付けをしているのでしょうか?
これが一人だと、言い争うのは「妻」でもなく「母」でもなくて、自分自身の「臨界点」です。
この「臨界点」というのは人それぞれ違います。空缶がテーブルを埋め尽くすまで大丈夫な人もいれば、10個くらいで不快感をおぼえる人、1個でも我慢できない人とそれぞれです。
共同生活をしている場合には、そのうちの力の強い誰かの「臨界点」を基準としなければなりませんが、一人暮らしの場合は全て自分自身の基準で物事が決定されます。
洗濯にしても、溜め込んでもいいわけです。それがちゃんと洗濯籠に納まっていなくて、部屋中に使用済み靴下が散乱していても本人さえよければいいのです。「私は洗濯は週に1度しかしないので、下着は10組所持する」と決めればいいのです。それだけの衣装費(週に1度になるとシャツなども最低8着は必要。乾燥機を持っていれば、全て7着でも可能)を使っても洗濯の手間を考えれば、どちらを選択(ダジャレになってしまった)するのもあなた自身の判断です。
掃除にしても綿埃が目に付いてきたら掃除機をかけるのか、異臭がしてきたら生ゴミを捨てるのか、ゴキブリが明らかに大量発生してからか、本人の我慢の限度にかかっています。
長電話にしても、長インターネットにしても「電話代がもったいない」のかどうかは自分自身の判断です。
「うわあ、先月の電話代は、なんだこりゃ」と驚いても、その電話代にそれだけの価値があればいいわけですし、「電話はやめて、プラダのバッッグ買おう」とか「こんだけの電話代を飲み代に回せば、あのホステスは口説けるかもしれない」と判断したなら、今月から控えればよろしい。
これが他人のした過ちなら不快ですが、人間は自分の過ちには寛大だし、わりと冷静に対処できます。
つまり、一人暮らしとは、
何をやっても全て自分の責任
ということに他なりません。
朝寝坊して、会社や学校に遅刻しても、誰も責められません。「昨日は飲みすぎちゃったな」「明け方までゲームしてたからな」と理由はさまざまですが、あくまでも「自己責任」なわけで、「どうして起こしてくれなかったの!」と他人を責める情けなさからは完全開放されるこの心地よさ。
それに、これは仕送りを受けている学生さんには当てはまりませんが。
自分の稼いだ金は全部自分で使う
というのが、どんなに幸せか!よくお父さん方はこのセリフをうっかり吐いて深刻な夫婦喧嘩に発展しているようですが、そういうお悩みをお持ちの方は今すぐにでも妻も子も捨て蒸発されることをお勧めいたします。自分が苦労して稼いだお金の使い道をとやかく言われるのなんて我慢できませんよねえ。わかります、わかります。
たとえ借金がかさんで首が回らなくなっても、自分がブランド物に貢いだり、飲みやのネーチャンに貢いだり、競走馬に貢いだりしたのだったら、「私が愚かでした、スイマセン」って謝っただけじゃすまないけど、とりあえず自己破産するなり自殺するなりソープランドで働くなりするのはやぶさかではありませんが、これが家族の誰かが浪費した(一戸建てに住みたいだの、子供を私立に入れただの、通販でたくさん買い込んでしまっただの)結果だとすると、どこに怒りをぶつけていいのやら・・・
一人暮らしは他人に責任をなすりつけることが不可能な状態を満喫できるという意味でとても快適ですが、なんでも他人のせいにしたい人には向きません。
「自分自身の確固たる基準(臨界点)」を知り、全てを「自己責任」で処理できる能力のある人こそが晴れて「独身貴族」の称号をえることができるのです。
ね?一人暮らしをしてる方は、この誇り高き生活の素晴らしさを充分満喫なさっていることでしょう。
まだ、家族とのしがらみに日々消耗しているあなたにも、この素晴らしさをぜひ経験してほしいのです。
貴族になるのは難しいですが「独身貴族」には誰でもなれますよ。
あなたの参加をお待ちしております。