酸性とアルカリ性

2000年4月1日

 リトマス紙って普通の薬局で売られているのでしょうか?
 バンドエイドのとなりなんかに並んでいれば、喜んで購入するのですが、店員に「リトマス紙はありますか?」って、どうしても恥ずかしくて言えないんですよね。なんででしょうか?まだコ○○ーム買うほうがましというか、だっていい年した大人がいったい「リトマス紙」で何をするのでしょうか?なんか勝手にものすごい「変態プレイ」を想像してしまいます。女性の手足を縛って、口にリトマス紙を差し込んで「ぐへへ、お口の中は酸性かな?アルカリ性かな?」「やめて、そんな、恥ずかしい・・・」とか・・・ううむ、考えすぎかな(笑)。

 というわけで、未だにリトマス紙を買うことができないのですが、いやべつに「リトマス紙で変態プレイ」を楽しもうとしているわけではなくて、もっと切実な問題があるのです。
 私は、使い捨てのコンタクトレンズを使用しているのですが、使い捨てといっても2週間用の毎日消毒するタイプです。消毒方法は、まず「消毒液」に10分以上浸して、そのあと「中和液」で2時間以上中和させるという、いわゆる「煮沸のいらない」消毒保存システムで、たしかにとても手間がかからないのですが、重大な欠点もあります。
 ご使用になっている方は、同じご経験があることと思いますが、「消毒液」(濃度の薄いオキシドールのようなもの)に浸したあとに「中和」するのを忘れて就寝してしまい、翌朝「中和済み」と信じきって目の中に入れると・・・地獄を見ます。
 
 その衝撃を体験したい方は簡単な方法として「タバスコがついた手で目をこすってみる」のをお勧めします。(タバスコの方が効果は強烈でしかも継続時間が長いので、よほどの好奇心とずば抜けた勇気と忍耐力とお持ちの方に限るけど)
 「消毒液」も「中和液」も無色透明で、人によっては「消毒液は塩素臭がするからわかる」というし、中和したかどうか自信がないときは、流しにちょこっと垂らしてみると、消毒液だと流しの汚れ部分と反応して泡がでるので判別できるのですが、何せ朝の行事ですから、頭もぼんやりしていて、なんの疑いもなく装着してしまい「ぐおおおお!!!!!」といっきに目が覚めてしまったことは一度や二度ではありません。
 そのため、リトマス紙がそういう「もしかしたら?」のときにあれば、被害はかなり食い止められると思うのです。

 ところで、最近のCMってやたらと「酸性」「アルカリ性」への言及が多くありませんか?「梅酒」は「酸性の反対」らしいし(とバカボンのパパが言っている)、「アルカリイオン飲料」は寝る前に飲めというし、洗顔料は「弱酸性」がいいらしい。石鹸のCMでは、私の憧れのリトマス紙も出演していて、「賛成の証明」じゃなくて「酸性の証明」という大役を演じています。
 どうやら飲食物はアルカリ性が良くて、石鹸は酸性がいいみたいですね。
 そうなったら、やはりどうしてもリトマス紙を手に入れて、家中のものをチェックしたくなります。

 でも、なんか今一つ納得できないのは、アルカリ性の食品を摂取するという理屈って多分「現代食(肉やら油物やスナック菓子)は酸性の食品が多いのでアルカリ性食品でバランスをとる」ということだと思うのですが、じゃあ「お肌は酸性だから、アルカリ性の石鹸で洗ってバランスをとる」ということにはならないのでしょうか?
 もしくは「私の肌は弱酸性。だから石鹸も弱酸性がいい」というなら「私の胃袋は酸性。だから食べ物も酸性だと胃壁もすべすべ」という発想の方がわかりやすいと思います。
 
 そもそもなんでそんなに「酸性」だの「アルカリ性」だのにこだわるのかが今一つよくわかりません。カロリー計算みたいなもんなのでしょうか?
 でも、みんながそんなにph値にこだわるなら、やっぱり「リトマス紙」を製造しているメーカーさんとしては、大きなビジネスチャンスだと思うので、マ○モトキ○シあたりで大々的に発売されることを期待しています。油取り紙くらいのヒットは確実でしょう。(前に京都の老舗酒造メーカーの会長さんとお話する機会があったのですが「最近の若い女の子たちは京都に来ても寺や神社そっちのけで油取とり紙の店に殺到していてけしからん」と嘆いていました)
 そうやって、まんまと普及してくれれば、私も手軽に「リトマス紙」をゲットできるので、もう「超酸性」のコンタクトレンズを目に放り込んで、「うがああああ!!!」と叫んだりして、会社には仕方なく眼鏡姿で出勤して「あれ?今日はどうしたの?」なんて言われずに済むんですが・・・

 リトマス紙業界の方、これを読んだら「勝ち組」目指して企画書のひとつも書いてみてください。
 


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