フジロック‘13 アラフィフでも頑張りました篇

表紙に戻る/日記のもくじ

 【参照】過去のフジロック日記。
 2001年
 2003年
 2004年
 2006年
 2007年


 去年も「ローゼス来るからしゃーないね」と重い腰を上げて参加したフジロックですが、「これで多分、最後だろう」と友人とも話していました。
 今までも、マイブラ来るからしゃーねー、とか、キュア来るからしゃーねー、とアラフォーの老体を押して参加してましたが、さすがにそろそろ体力的にキツくなってきたし、それに「もう、だいたい来たよね」って思っていたのです。

 ところが今年のラインナップが発表されると「キュアとNINか・・・どうしましょ?」と動揺してしまいました。
 さっそく友人T嬢にメールすると、T嬢も「もう去年で打ち止めと思っていたが、ちょっと行ってみたいかも」とのお返事。
 「そんじゃあ、行かなくて後悔するよりも、行って後悔しまひょ」という気持ちになり、「よっこらしょ」と立ち上がったわけでございます。

 さて、しばらくは、こうして日記と別ファイルでフジロック観戦記を書くことはなかったのですが(慣れきってしまったのと、面倒くさいので)、今年の2013年のフジロックは「自分史上一番の降雨」に恵まれたので、雨との戦いの顛末を記録しておきたかったので、久々の別記事に挑戦します。


初日 7月26日(金)

 7月23日(火)に、マンUファンの友人T嬢に誘われて、日産スタジアムでマンUの試合を観戦したのですが、その後、軽く飲んでいた時に、T嬢に「もう行きの新幹線のチケットとったの?」って聞いたら「12時台のをとった」とのことでした。

 私はいつも自由席飛び乗りなので、起きたとこ勝負なのですが、過去の経験では「東京が猛暑なので、ついつい早めに家を出てしまう」ことが多かったので「また同じ新幹線になるかもねえ?」って思っていましたが、今年は早い梅雨明け後の酷暑を抜けたら、以外と過ごしやすい気温になっていたので、金曜日も8時くらいに起きて、ダラダラと支度した後も、テレビ見ながらゴロゴロしてしまい、家を出たのが12時くらいで、大宮で新幹線に乗ったのが2時くらいでした。

 3時過ぎに越後湯沢駅着。
 適度に曇っていたので「おお、快適だ」と思いながら、駅から300メートルほどの湯沢ニューオータニホテルまで荷物持って歩いた。

 宿のフロントで「お連れ様は、お部屋の用意が出来る前にご到着だったようですね」と言われたので、T嬢は予定通りに到着したのだろう。鍵を受け取って、部屋で荷物を降ろした。

 部屋はやや古びてはいたけど、二人だったら充分な広さだった。
 すぐにまた駅に向かって出発。
 今日の私の目標は5時半からのマイブラだったので、ほぼ予定通りである。
 天気予報では、金曜日の夜は雨だったので、「体力温存のため、ギリギリに行こう」と思っていたので。

 湯沢駅のシャトルバス乗り場に行くと、「ええええ?」と思った。
 行列が全く無くて、丁度、停まっていたバスに乗り込んで出発までしばらく待たされたが、やや遅い時間とはいえ、バスの待ち時間無しっていうのも初めての経験である。
 今年は「当日券有り」だったので、「去年ほど混んでないな」と安心していたのだが、ここまで空いているとは・・・・

 バスが会場に近づくと、会場が見渡せるのだが、「やっぱ、今年はテントも少ないなあ」と思った。去年が「史上最高の客入り」だったらしいので、テントサイトも遠目で観ると「フジツボびっしりみたいでキモい」って感じだったのだが、今年はほんと地味な感じだった。

 空いていたので、すいすい歩いて、空いてるリストバンド交換所でリストバンド貰って、ゆったりと会場入り。
 さっそく、ワールドレストランでいつもの「イギリスのビール」を飲もうとしたのだが、間違ってサイダー頼んじゃった(泣)

 レッド前の林の中で「サイダー、甘い・・・・」と嘆きつつ(サイダーと言っても、ソフトドリンクではなくアルコール飲料です。イギリスのパブではおなじみの飲料なのだが・・・ビールの名前が長ったらしかったので、サーバを指さして注文したら間違ってしまったのだ)、曇ってるし涼しいのでゆったり休んでから、5時頃、グリーンに移動。

 今回、金曜日に観たいものが重なってしまい、グリーンのマイブラと、奥地のスパークスのどっち観るか悩んだが「明るい時間のマイブラがどうなのか観てみたい」と思って、マイブラを選びました。友人T嬢はスパークスを観ると言っていた。

 グリーンのPA後ろの小高くなったあたりは場所は選び放題だったので、ゆったりと座って観ることができた。
 5時半にマイブラの演奏が始まったが、やっぱし、明るいと間抜けというか・・・・・すごく、のんびりしたバンドに見える。

 前回のフジロックでも、マイブラをよく知らない若い客は「ボーカルの音入ってないじゃん」って思ったらしいが、今回はさらにボーカルの音が埋没してて、「重症だな」と思ったが、どよーんと雲が立ち込める夕方に、まるでドラえもんの「ジャイアンのワンマンショー」みたいな、「♪ぼーへー」なノイズもなかなかのもんだった。

 今まで観たマイブラは、光とノイズの饗宴だったが、「光」が無いと、こんなにやっぱしのんびりしちゃうものね、と想定内ではあったが、想定していたものがしっかり観られて満足した。

 そして、マイブラのノイズ聞きながら「あー、やっぱ雨振りそうな雲行きだ」と、ぼんやり雲の動きを眺めていました。
 なんだか牧場でぼんやり牛を眺めながら、BGMで「アルハンブラ宮殿の思い出」を聴いているような感じでした。

 6時半ごろマイブラが終了すると、予報通りに雨が降ってきて、雨具着てから奥地へ歩き出した。奥地・オレンジでT嬢と待ち合わせしていたからである。
 予定通り7時くらいにオレンジに着くと、T嬢と無事合流できました。

 「いやあ、明るい時間のマイブラは、予想通り、かなりのんびりした感じでしたわ」と私が言うと、T嬢も「明るい時間のスパークスは、ショーパブのリハーサルみたいでしたわwww」

 オレンジでしばらく、タワー・オブ・パワー鑑賞していたのだが、「じゃ、NINに向けてグリーンに戻りましょう」と、小雨の中、ゆっくり歩いてグリーンに向かった。

 NINというか、トレントさんは、ロックファンの間では高名な「雨男」らしい。

 今回もNINの出演が決まると「今年のフジは雨だな」と観念した人が多かったようだが、やっぱり本領発揮して、ライブが始まる直前になって雨が降り出した。

 私もT嬢もゴア合羽の装備は完璧だったが、これだけしっかり長時間降ると、袖口や首筋から雨が入り込み、ゴア合羽の中がしっとりしてきて寒くなってきた。

 NINのライブは、前日の夜にリハーサルをしていたようで、その様子を観ていた公式サイトのリポートでは「観たことがない凄いセット」だったらしい。

 雨の中、「すごいセットって、どんななんだろう?」とあまり期待もせず待っていたのだが、開始時間直前になったのだが、ステージ上はガラーンとしている。

 T嬢がそれに気がついて「すごいセットって・・・・・なんもないけど?」
 「セリで上がってくるのかねwww」と私。

 でも、そんな設備は無いのはわかっていたので、「これはもしや?」と思っていたら、やっぱし、大昔のトーキング・ヘッズ方式(映画「ストップ・メイキング・センス」の時の)で、「なーんもないガランとしたステージにじょじょにメンバーが集まってくる」という演出でした。

 ほんと、まさに「21世紀のトーキング・ヘッズ」という感じで、「20年前くらいの、あのトーキング・ヘッズの演出を今のテクノロジーでやると、こうなるんだ!」って感激しました。

 動画中継もされたようですが、ああいう光の演出って、やっぱ現地で観ないとね。

 いや、ほんと、シンプルな演出だったんですけど、最先端って感じで、見応えありました。
 雨激しくて、棒立ちになっていたのですが、「すげええええ」って魅入ってました。

 演出も素晴らしかったが、演奏も、NINの来日公演はほぼ皆勤賞なT嬢が「今まで観た中で演奏が一番よかったかも」と言うくらいの出来。もちろん、そこまでのNINファンでは無い私も「これは素晴らしい」と大満足でした。

 しかし、ほんと雨も激しくて、NINがあれだけのパフォーマンスを見せてくれなかったら、途中で退散したくなったくらいだったが、「雨に耐える客もこのパフォーマンスの一部?」って思えるくらいの素晴らしいライブだったので最後まで観ることができました。

 NINが終了したのが、10時半くらいだったけど、それからシャトルバス乗り場に向かって、待ち時間もそれほどではなく湯沢駅に降りたが、宿に着いたのが1時くらいで、それから風呂に入って、なんだかんだ反省会していたので、寝たのは3時くらいだったかなあ?


二日日 7月27日(土)

 8時半に起きて、バイキングの朝ご飯食べて出発の支度していたのだが、「わー、雨だ」

 土曜日は私もT嬢も「どうしても観たいものが無い」という状態だったので、会場入りを急ぐこともなく、宿でのんびりしていたのだが、11時くらいにやっと小降りになってきたので、「どーせ、今日も雨予報だし、雨降ってきたら早めに帰ろう」と、湯沢駅に向かうと雨は止んでいたし、バスの行列も去年の半分くらいだった。

 湯沢駅でバス待ちしている分には、曇りだと助かるのだが・・・・
 昨日もほぼ天気予報通りだったが、今日もこの空模様だと、午後は雨の可能性が高かった。
 それでも、バスに乗るまで30分くらいかかったかな?
 混んでる年だと、平気で90分待ちなので、全然ラクだったのだが・・・・

 会場に着いたら、もう1時くらいで、バスを降りて会場まで歩いていたら、適度にお腹が空いてきたので「雨降る前に昼飯だ」とレッドの林の中にシート広げて昼食の買い出し。
 丁度昼時だったので、オアシスの屋台はどこも列が出来ていたけど、人気のタイ飯屋でも、10人くらいしか並んでなかったので、タイカレーにしました。

 そうそう、シャトルバスがそんなに行列してなかったのに、変なところで大行列していたのだ。
 シャトルバス降りて、会場に向かうと、すぐに「最後尾」っていうプラカードがあって、なんと「リストバンド交換所」が見たこともないような大行列だったのだ。
 あそこのリストバンド交換所は、横に10人くらいスタッフがいて、列はフォーク並びで蛇行してて・・・・えーと、西武ドームとか千葉マリンスタジアムのチケット売り場と同じ感じなんですが・・・・って、そんなマニアックな説明しても(笑)

 そうそう、人気アーチストのコンサートの時の東京ドーム場外のグッズ売り場と同じ方式ですよ!

 で、たしかに、混雑する時間は蛇行して仕切られたスペースに客がびっちりっていうことはあったが、土曜日の1時頃の行列は、仕切りからあふれた客が100メートル以上並んでいたのです。

 なんで、あんなことになったのか、その後も時々T嬢と話し合ったのだが、T嬢が「チケット売り場の端末がシステムダウンしたら、ああいうことになるかもしれないけど、システム関係ない手動だしwww」と言うので笑った。たしかに、人間がチケットと引き換えにリストバンド手渡してるだけなので、あんなに混むわけが無いのだ。

 湯沢駅では雨が強かったので「少し時間を置こう」と思った客は多かったかもしれないけど、もしそういう人達が(私らもそこに含まれる)集中したとしても、バスが発車する間隔の密度には限度があり、乗り降りするだけでも時間がかかるので、どう考えても「リストバンド交換」の方がスムーズに捌けそうだし、苗場で雨が降っていたのなら、苗場近辺の宿から一斉に集中したということも考えられるが、地面が乾いている様子から、苗場は雨降ってなかったみたいだし。

 というわけで、謎のリストバンド交換所の行列であった。

 ただ、金曜日があれだけ空いていたので、今年は土曜日から参加する人が意外と多かったようなのは間違いないだろう。
 とは言っても、やはり去年の空前の客入りに比べたら、レッドの林の中も座る場所を探すのに苦労しなかったし、トイレの行列も大したことなかった。

 さて、とりあえず、昼ごはんを食べようとしていたのだが、私がタイカレーを食べ始めると、雨がポツポツ降ってきて、「きゃー、カレーが雨で薄まってしまう」と慌てて食べていたら、T嬢もアフリカ料理屋から戻ってきて、慌ててかっこんでいた。

 ちょうど、食べ終わった頃、雨脚が強くなってきたので、シートを畳んで、折りたたみ椅子に座っていたのだが、30分くらいしても雨脚が全然弱くならない。

 私は昨日は防水仕様のスニーカーで凌いだのだが、防水っていってもあくまでもタウン用であって「多少の水たまりなら大丈夫」という程度だったので、NIN演奏中の降り続く雨の中では、靴紐部分から雨が染みこんできて、靴下やジーパンの裾がしっとりしてしまったので、土曜日は「今日は絶対雨だから」と「魔除け」として持ってきた長靴を履いてきたのである。

 ところが、急に雨脚が強くなったので、雨合羽は着たが、ズボン履く暇がなく、30分もすると足元がしっとりしてきて、それでも我慢していたのだ、1時間もすると、雨に濡れたジーパンから長靴の中に水が入り込み、ガッポガッポと音が鳴るようになった。

 T嬢に「今日はもう退散しようか?」と申し出るも、T嬢は「5時くらいまでは、頑張りたい」と言うので、強い雨が降る中、しばらく我慢していたのだが、3時半くらいになり、隣のグリーンで奥田民生が「♪あーりがとー」と熱唱しているのが聞こえてきたあたりで、「もう限界だ」と山を降りることにした。

 予報だと、今日は「弱雨」が夕方から夜にかけて続くはずだったのだが、3時頃の雨は街中でも「傘差してても足元が」ってくらいの、そこそこの雨でした。後で調べたら「1時間に7ミリ」くらいだったようですが、5ミリ超えると、やっぱキツイや。

 バス乗り場についたのが、4時前で、すぐにバスに乗れたので、5時前には湯沢駅に到着し、コンビニでエチゴビール買い込んで、宿に戻った。
 私は風呂に入ったのだが、誰もいなくて快適でした。
 しばらく部屋で、濡れた靴や衣服のケアしてから、7時くらいに「じゃあ、そこら辺の居酒屋で夕食にしましょう」と、宿に一番近かった居酒屋に飛び込んだ。

 温泉街のメインストリート沿いじゃなかったので、「どんなだろう?」と不安だったのだが、店の人も特にフジロック客を当てにしてない雰囲気で、中に入ると「2名様?じゃあ、どうぞ」と誰もいない上がり框に案内されたが、どうやら奥の方では地元民が宴会しているようで、すでに出来上がっているようで盛り上がっていた。

 そして、店員のねーちゃんのメークが盛り過ぎで、場末のキャバクラ嬢のようだったので、「あちゃー」と思ったが、出てきた料理はとても普通にまともで、お刺身なんて、都内のいい加減な居酒屋よりもよほどちゃんとしてました。

 私がビールの後にせっかくだから地元の日本酒をと思ってオーダーすると「ああ、それは切らしてるんだけど、純米酒なら、こっちが同じような感じなので」と、金髪につけまつげビシバシのケバい店員がフツーに対応してくれて、その日本酒もとても美味しかったです。

 9時くらいまで、その居酒屋でまったりして、宿に戻ってまたエチゴビール飲んでゆっくりして、さっき風呂に入らなかったT嬢が風呂に行って、戻ってきたらもう12時近かったが、「明日も夕方に雨が降る予報だから、なるべく遅めに行こうね」ということで、12時くらいに就寝した。

 結局、「苗場まで昼飯食べに行って、すぐ戻ってきた」ということになったのである。

 天気良ければ、ちょっと観たいものもあったのだが、あの雨じゃねえ?

 帰りのバスでT嬢に「今日みたいな日に、どーしても観たいものあったらどうする?」って聞かれたので「元々、こういう予報だったんだから、どーしても観たいのがあったら、その直前に現地入りしていた。昨日のNINみたいに、それに焦点合わせれば、あの雨でも耐えられるから」と言ったら、T嬢も「ああ、そうだよね」と納得していたようだった。

 しかし、宿のテレビでニュース観ていたら、日本各地が豪雨で大変そうで、「ここら辺は全然マシだったんだ」とわかりました。東京だって、隅田川の花火大会が中止になってたし。


三日日 7月28日(日)

 今日こそ、やっと雨マークのつかない予報だったのだが、予報もころころ替り、昼前には「夕方に弱雨」の予報になっていた。

 日曜日は2時頃から始まるウィルコ・ジョンソンに間に合えば良かったので、「今日は夜が長いから」とゆっくり宿を出発した。
 「今日のシャトルバス乗り場はどんな感じかねえ?」って話ながら、駅の通路を歩いていたのだが、駅のロータリーは金曜日よりもさらにガラーンとしていて、またバスの待ち時間ゼロだった。

 12時過ぎに会場入りし、「まだお腹空かないね」としばらくレッドの林でゴロゴロするつもりだったのだが、1時過ぎに雨がちらほら落ちてきた。
 「あー、もー、ゴロゴロできないフジロックなんて!」と嘆きながら、雨具を着込んで(昨日は油断してズボン履かなかったので後悔したから、今日はすぐに下も履いた)折りたたみ椅子に切り替えた。

 「これ、昨日と同じパターンじゃん」とがっかりしたが、昨日は「雨雲の切れ目が全く無い」状態だったのだが(山の天気が云々ではなく、地域全体が・・・いや、日本全体が雨だったわけで)今日は、空も明るいし、時折お天気雨になるので「これは、長くは降らないかな」と期待したが、小雨だけどなかなか切れなかった。

 三日間ともこんなにしっかり降られるのは私は初めてだったけど、去年が「まさかの降雨無し」だっただけで、ここ数年のフジロックはほとんど雨に祟られているらしい。それは、去年久々に参加したら、宿に「泥落としスペース」があったり、観光バスの足置きが厳重にコーティングされていたりすることから「宿やバスも泥対策に苦労したのだろう」と窺い知ることができた。

 去年は「ズボンが雨でダメになった時のスペア」も持たずに参加してしまったのだが、今年は予備のズボンも長靴も持って来たので万全だったが、それでも「ちゃんと準備すると、魔除けになって意外と使わないものだ」と期待していたのだが、魔除け全然効きませんでした。

 たしかに、こんだけ雨が降ると、しっかりした椅子が欲しくなる。
 私もT嬢も、30分も座っているとお尻が痛くなるような、小さくていい加減な折りたたみ椅子を持ってきたので、雨の中、じっと座っているのが辛かった。

 なので、日曜日の1時頃から降りだした雨にも、椅子に座っているより、「腕ぐりや、ズボンの裾から雨が入らないように」と、墓場に佇む幽霊のように手をだらりと下げて、じっと下を見て耐えていました。

 2時くらいになっても雨が上がらなかったので「林の中でも座ってられないし、グリーンに移動しましょう」と、歩き出したら、やっと雨が上がり、急に晴れてきた。
 そうなると、地面から湿気がムンムンにあがってきて、サウナ状態になる。

 「ひー、暑いよお、って、なんて贅沢な悩み」と苦笑するしかない。

 ウィルコ・ジョンソンは2時開始予定だったが、3分か5分くらい前に演奏が始まった。
 定時より早く始まるなんて珍しいが、「ああ、いっぱい演奏したいんだろうな」って思った。ウィルコさん、末期ガンで先が長くない御予定らしいのである。
 ぶっちゃけ「余命半年」くらいらしく、延命治療は放棄して、ライブやってるらしい。

 なので、フジロック出演も「最後の来日公演か」と言われていたので、日曜日昼間のまったりした時間帯だったが、多くのファンが集まっていた。

 渋い演奏だったが、なんだか妙に晴れちゃって、帽子の下に手ぬぐい被って、必死に直射日光ブロックしていたのだが、なんだかウィルコさんの時だけ、こんな晴天って、やっぱり神様っているのだろうか?

 個人的には、それほどウィルコ・ジョンソンに思い入れがあるわけでもないけど、なんだかジーンとなりながら聴いていたのだが、1時間の演奏が終わると、会場からは大きなアンコールの拍手が沸き起こった。
 通常、こういうフェスでは、トリ以外はアンコールをやらないのだが(次のセット替えの時間もあるし)「なるほど、だから少し早めに始めたか」と、アンコールに応えた。

 その曲が、ロックの古典「ジョニー・ビー・グッド」のアレンジというか替え歌というか、「ジョニー・グッバイ」みたいな歌詞で、それをまた明るくのんびりと熱唱するもんだから、「う、目から汗が、やーね、晴れてるから紫外線が目に染みるわ」と何度も顔をぬぐっていた。

 演奏が終わると、友人T嬢も「う、泣きそう」と、うるうるしてました。

 さーて、いいものを観たけど、今夜は長いのだ。
 またレッドの林に戻って、まず昼食を食べてから、ゆっくり昼寝しようと思っていたのだが、また雨がちらついてきて、ゆっくり休めなかった。
 雨具脱ぐと、雨が降ってくるもんだから「もう、着っぱなしでいいよ」って、やけっぱち状態。

 ああ、今夜は12時までいないといけないのに・・・・

 トリのキュアが2時間半も演奏する予定で、終了予定時刻が12時なのだ。

 それまでじっくり休みたいのだが、雨のバカーーーーーーーっ!!!!

 あんまし休めないまま、5時半にまたグリーンに移動して、マムフォードアンドサンズのライブを観た。
 事前にT嬢から「イギリス出身のバンドなんだけど、カントリー風という珍しいバンド」と聞いていたが、たしかに知らないで観たら、イギリスのバンドだってわからなかっただろう。

 私はそんなに好きなタイプのバンドではなかったが、グラミー賞を受賞した、今をトキメくバンドらしいので「ほお、今はこういうのが流行っているのか」って堪能いたしました。

 さて、午前中の予報では「夕方、弱雨」だったのが、午後はけっこう弱雨が降ったせいか、マムフォード終わって、またレッドの林に戻ると、今度こそゆっくり昼寝できそうだった。
 気温が下がってきたので、雨具着てて寝ころがってると丁度いいくらい。

 グリーンではヴァンパイア・ウィークエンドやっていたので、みんなそっちに行っちゃったが、私もT嬢もバンパイヤさんには全く興味無しだったので、「とにかく昼寝」と頑張ってゴロゴロしていた。

 そういや、マムフォード終わって、レッドの林に戻ってきたら「雨降ってないのに、レッドが激混み!」と、「今何やってるんだろう」と調べてみたら「ああ、タヒチ80でした・・・そりゃ混むわwwww」

 で、タヒチに群がっていたお客さんたちは、バンパイヤ始まると、ざーっとそっちに移動しちゃったので、静かな林の中で、じっくり昼寝できそうな感じでした。

 静かな・・・と言っても、数年前からワールドレストランにDJブースができたし(モンド系が多い。この時には、クレイジー・キャッツなどが流れていた)、その先の苗場食堂でも、時々ライブやっているので、レッドが演奏してない時間でも、グリーンの演奏の音も含めて、なんかザワザワというか、ワンワンというか、音が反響していて、そう、まるで耳元を蜂が飛んでいる中で昼寝しているような感じなのである。

 ああ、でも、これよ、これ、これなのよ。と思った。

 去年、フジロックに参加した後に、ロンドン五輪の開会式や閉会式を観て「テンペスト」の一節が朗読されているのに、「これだ!」と強い衝撃を受けた。

 Be not afeard;the isle is full of noises, Sounds, and sweet airs, that give delight and hurt not. Sometimes a thousand twangling instruments Will hum about mine ears; and sometime voices That, if I then had waked after long sleep, Will make me sleep again; and then in dreaming, The clouds methought would open, and show riches Ready to drop upon me, that when I waked I cried to dream again.

 シェイクスピアもフジロックのレッドの林の中で昼寝したことあるんかい?とマジに思ったほどだ。

 おお、やっと今回初めてテンペストな昼寝を堪能できたと、張り切ってうとうとしていたのだが、雷鳴で目が覚めた。
 「すわ!また雷雨か!」とガバっと起きたのだが、すぐ隣で寝転がっていた、けっこうワイルド系な感じのゴツい兄さん二人組が爆睡して大鼾の饗宴していただけでした(笑)
 彼らもきっと、こんなにゆっくり昼寝できることがなかったのでしょう。

 しかし、イビキの音にはびっくりしたが、巨人の村田をやや小ぶりにしたような兄さん二人が仲良く並んで寝転がっていているのは、なんかの妖精の一種みたいでしたし、轟く雷鳴のようなイビキの音もとてもテンペスト的で「うわー、なんかマジ、シェイクスピアの世界」と感動いたしました。

 7時から9時まで、たっぷり休憩して、串物食べて小腹も満たし、トイレも済まして、9時半のキュア目指してグリーンに移動。

 「2時間半はきつから、シート広げて座りたいよね」と場所を探しましたが、そんなに混雑してなかったので、二人で並んでシート広げられる場所を見つけることができました。「やっぱ、空いてるとラクだね」

 しかし、フェスで2時間半って・・・・・

 明るい時間に出る人達はだいたい1時間くらいだし、ヘッドライナーでも、普通は1時間半とアンコール2曲くらいなのです。

 しかし、キュアは「2時間半」は絶対に譲れないらしい。

 思い起こせば、前回「23年ぶりの来日」でフジロックに出演したキュアですが、演奏前に軽くトラブルがあったらしい。

 2007年のフジロックでした。
 グリーンのトリのキュアに与えられた時間は9時半から11時半までの2時間だった。
 ところが、その前のミューズが機材トラブルで開始時間が遅れたので、主催者側が「終了時間が押しちゃうんで、少し短くしてくれまへんか?」とお願いしたらしいのだが、キュア側は「ほんとは2時間半のセットを無理して2時間にしているのに、それ以上無理!」とゴネたらしい。

 なので、10時過ぎに始まったライブは、12時くらいに終了し、帰りのシャトルバスの運行スケジュールに打撃を与えたようである。通常だと手前のグリーンの演奏が先に終了するので、そっちの客が捌けた後、奥地のホワイトが終わってという流れだったのに。

 というわけで、5年ぶりのフジロックであるが、彼らにとってはリベンジでもあるようで、今回は最初から「9時半から12時まで」と、たっぷり2時間半の枠が用意されていたのだが、アラフィフの私らにすれば「もっと早くに初めて、早くに終わってよ」と嘆くしかない。

 それに、キュアのライブ時間が長くなるということは、「暗い曲の分量が増えるだけ」ということなのである。
 キュアは明るくキャッチーなヒット曲も多いので、それだけ演奏してくれても、1時間半くらいできるのだが、アリーナで単独公演すると、演奏時間は3時間半くらいで、その内、2時間半は暗い曲を延々とやるらしい。

 今回はフェス用セットで、2時間半だが、「たぶん、暗い曲が1時間半なんだろうね」と覚悟していたのだが、始まってみたら、ほんとその通りだった。
 9時半から10時 ・・・・・暗い曲
 10時から10時半・・・・・ヒット曲で盛り上がるも・・・
 10時半から11時・・・・・また、しっとりと暗い曲
 11時から11時20分・・・また明るい曲で盛り上がるも・・・
 11時20分からまた暗い曲・・・・・

 T嬢は、ほとんどシートにうつ伏せになって聴いていたくらいだ。

 11時45分に終わったので「さあ、撤収」とゲートに向けて歩き出した。「トイレ寄って行こう」とトイレ入ってから、またゲートに向かうと、T嬢が「ああ、ラブ・キャットとか今頃やってるし」「ああ、そういやそうだ。でも、なんかテンポ緩くね?」

 レッドではちょうど、T嬢が「もっと早い時間だったら観たかったのに」と言っていた、生きのいいホーン・バンドが賑やかに演奏していた。たしかに、これはちゃんと聴きたいと思いつつ、時刻はちょうど12時を回ったところで「もう疲れた。早く宿に戻りたい」と早足でバス乗り場に向かった。

 空いてるので、歩行を妨げられることもなく、ヘロヘロになりながらも前だけを目指して歩いていたら、12時20分頃にはバス乗り場について、ほぼ待ち時間もなくバスに乗れたので、午前1時には湯沢駅に到着することができました。

 宿の送迎バスに乗って、午前1時半前には宿につき、さっそく風呂に向かうが、みんな帰ってくる時間なので、風呂も混んでいたので、さっと洗ってさっと上がった。

 風呂あがりにキュア反省会。
 2時間半確保できたからなのか、ロバート・スミスはえらい上機嫌でノリノリだった。
 しかし、やっぱし、暗い曲の時間が長い。
 ただ、キュアが表現したい「世界観」は理解した。
 理解はしたが、やっぱしあれは、アリーナ単独公演のセットなので、フェス向きじゃないだろう。と私が言ったら「アリーナだと、あれで3時間半やるよ」とT嬢。

 うーん、私にとってキュアとは、どっちかというとテクノ・ポップ系なのだが、本人たちはプログレ系のつもりでやってるのかもしれない。

 そして、ロバート・スミスは「マツコ・デラックスがもう少し老けて、かなり痩せたらこんな感じ?」にしか見えなかったし、なんとも形容しがたい難しい髪型していた。
 最初「後ろで結いてるのかな?」と思ったのだが、ボサボサのくせ毛は特に整えられてもいないようで、浮浪者の髪が見事な「レゲエのおじさん」になってるような感じで、おしゃれなのか天然なのか、さっぱりわかりませんでした。

 たしかに、私が20代前半の時も、おしゃれなのか不気味なのか判別しにくいバンドだったが・・・・でも、「ビジュアル系」になんらかの影響与えているバンドなんですけどね。

 それに、あの当時のバンドで、未だに現役バリバリでやってるなんて、凄いことです。

 なーんて反省会してたら、もう2時半くらいになってしまったので、「帰り支度は明日早めに起きてやりましょう」と、やっと寝た。

●7月20日(月)

 8時に起きて、「あまちゃん」観ながら着替えて、朝食会場に行き、9時ごろから部屋でドタバタと荷造り。
 越後湯沢は今日も雨だった。
 10時にチェックアウトして、晴れてたら、駅まで歩いたんだろうけど(徒歩10分以内。駅から500メートル以内)雨ザーザーだったので、送迎バスを待つが、続々と客がチェックアウトしてくるので、バスが満員だったので一台見送った。

 T嬢はたぶん、11時半くらいの新幹線の指定席券を持っているし、私は恒例の「湯沢の立ち寄り温泉に寄ってから、テキトーに自由席で帰る」予定だったので、特に急いでいなかった。

 10時半くらいにやっと湯沢駅に着いて、そこでT嬢と「お疲れー」と別れた。

 越後湯沢駅は、月曜日が一番賑わう。

 湯沢駅周辺に宿泊していた客も、10時にチェックアウトして集まってくるが、苗場の宿やテント泊だった客も続々とシャトルバスで山を降りてくるのだ。

 なので、月曜日の越後湯沢駅は、みどりの窓口に行列している人達や、土産物を物色している人達に加え、苗場の山から降りてきて「わーい、やっと普通のお店でお昼ごはん」という人達が、人気の食堂に行列を作っていたりするのだ。

 前にも書いたが、あの光景を見るたびに「ああ、スキーブームの頃は、冬は毎週末こんなだったんだろうな」と思う。

 そんなバブル景気の残像のような越後湯沢の駅のコインロッカーに荷物を預けて、駅から徒歩15分くらいの「山の湯」にまた行きました。

 車で来ている人も立ち寄るので、フジロック客もけっこういる「山の湯」なのだが、今回はフジロックの客自体が少なかったせいか、私が行った時には男湯には何人かフジロック客がいたようだが(入り口の靴や、ロビーに置いたリュックでわかる)、女風呂は私の先客は地元の老人一人だけでした。

 その老女が上がると、「わーい、独占だ!」とけっこう長湯していたのですが、次に入りにきた地元のオバサンの姿が確認できたので、そのタイミングで上がろうとしたのだが、二人が脱衣所で世間話していて「今日は混むかと思ったら、そうでもなかったわね」と、あんなおばあちゃんとオバサンだったけど、やはりフジロックの人の動きはチェックしているようだ。

 しかし、ほんとにこの立ち寄り湯の泉質はすばらしい。
 もちろん、温泉マニアにも高い評価を得ているのだが、シロートの私でも「ザバザバ溢れてる源泉かけ流し!」に毎回感動してしまう。
 しかも、入浴後に肌がもっちもちになるのも嬉しい。
 もっとも、「うわー、もっちもち」と喜んでいたのは10年くらい前までの話で、今はもう「麩菓子がカステラくらいになる」って程度ですけどね(笑)

 休憩所で汗がひくまでしばらく休んでから、雨の中また駅に戻ろうとしたが、なんと、温泉の入り口の坂道で、鉄製の側溝のフタで滑ってしまい、派手に転んでしまった。

 「家に着くまでがフジロックなのに、こんなところで負傷か!」と泣きそうになったが、恐る恐る立ち上がってみたけど、特に怪我はしてなかったし、足首を少し捻ったようだが、せいぜい軽い捻挫のようだった。
 後で、太ももに痣ができているのがわかったので、太ももがクッションになったので、他にあまり影響がなかったようだ。足首もその後痛むことはなかった。

 湯沢駅に着いたら、ちょうど12時過ぎくらいで、駅周辺の飲食店は「新幹線待ちで昼食」という客で混雑しているようだったし、駅の中もみどりの窓口には長い列ができていた。

 会社用のお土産のおせんべいを買ってから、五平餅とビールを買って、ベンチで軽い昼食。
 近くに座っていた太めの若者も、私と同じ店で、五平餅と肉の串焼きを買って食べていて、串焼きを頬張ると「まいうー」な、おデブタレントに負けないようなうっとりとした笑顔を浮かべておりました。

 1時半くらいの新幹線に乗った。いつものように、「指定席エリアの連結部分で立ち乗り」である。大宮まで1時間弱。本でも読むつもりだったが、やっぱしマイブラ聴いてしまった。

 大宮に着くと、湘南新宿ラインがまた平常運転じゃなかったので、埼京線で渋谷に出て、渋谷からバスで帰宅。

 フジロックの全日程が終了した。

 さて、今回は、雨が降っていることが多かったので、会場で演奏を聴いていた時間は今までで一番短かったかもしれない。
 それでも、観たかったものはちゃんと観たので、かなり満足しました。

 友人とは「キュアも、もうわかったし、これで、今度こそ最終回かね?」と話しました。ほんと、よっぽどのことがないと・・・・・「スミス再結成」とか・・・・・

 今年はグラストンベリーにストーンズが登場したそうですが、ストーンズがフジロックに来るなら、行くかな?だって、自分の親くらいの年の人達が演ってるんだったら、「もう、アラフィフだし」とか言ってられないでしょ(笑)

 また行くこともあるかもしれないから「足りない装備」についてメモしておこう。

 ゴア合羽も、防水が甘い部分が多くなってきたので、防水加工をするか、新しいのを買ったほうがいいかもしれない。
 そして、あれだけ雨が振ると、あんないい加減な折りたたみ椅子じゃなくて、ゆったり座れる椅子が必要だ。
 ゴア帽子もあったほうがいい。あれだけの降雨だと、レインコートの顔の部分から雨が入り込んできて、けっこう湿気っちゃうから。
 靴は、防水仕様の安いスニーカーでもなんとかなった。できれば、履きやすい長靴があれば快適なんだろうけど。

 あと、一番苦心したのが「リュックの防水」で、「防水仕様のリュック」っていうのは、たぶん存在しないので(ファスナー部分が弱いのだと思う)、リュックに防水カバーつけるのが一般的な対処だけど、友人T嬢が目撃した人は、「ゴア合羽の上にポンチョ着てた。ポンチョはリュック用らしい」

 ああ、なるほど、たしかにポンチョはリュックも守れるけど、隙間も多いので、良し悪しなのだが、ゴア合羽上下に足したら、最強アイテムになるよなあ。

 要するに、今後もし行くことがあれば、雨への備えはさらにアップグレードしないと、年寄りにはキツいってことである。

 さて、今年は「久々に超空いていたフジロック」であるが、そのために外人さんと「年配の人」の姿が目立った。
 今年は残念ながら渋谷陽一氏の姿を目撃しなかったのだが、ピーター・バラカン氏は目撃することができました。

 そうそう、今回一番私の印象に残った光景は・・・

 たしか、ウィルコ・ジョンソン観に、グリーンに移動した時だったと思うが、すぐ近くのコールマンの椅子で昼寝していた20代後半の上半身ハダカの兄さんが、「お?やっと晴れてきた」と思ったのか、そばにいた赤の他人の同世代の兄さんに「写真とってもらえませんか?」と丁寧にお願いしていた。

 そして上半身ハダカの兄さんがとったポーズが、「フジロックきたぜー」な上半身ハダカにライオンキングが吠える時みたいなポーズで「これを他人にお願いするのか?」と、なんだか注目してしまったのだが「撮れました」と赤の他人の兄さんが出来栄えを見せると「フジロックのロゴがモニタに出たところでやりたいんんです」とさらに細かい注文。

 カメラマンを頼まれた赤の他人の兄さんも、暇だったようで「ああ、そうですか」と半裸の兄さんがガオーとポーズするのに付き合っていたが「あ、たぶん、このお知らせが出た後にロゴが出るのでは?」と、しばらく待つと、やっとロゴが出たので「今です!」と声をかけて連写。

 赤の他人で身を寄せあってプレビュー。
 カメラマン役を押し付けられた兄さんが「ロゴ出たときに、3回くらいシャッター押しました」と言っていたが、プレビューの結果、依頼主が満足する「オレはフジロックに来てるぜ、ガオー!!!!」な写真がとれたようで、「ばっちしです!ありがとうございまいした!」

 そして「最終日ですが、お互い楽しみましょうね」という大人な挨拶してました。

 関東平野内では、見る機会の無いような若者同士の紳士的なやりとりに、びっくりするというか、ちょっとキモいんだけど、そういうキモさがフジロックの魅力なのかもしれない。

 正直「もういい」んだけど、なんか機会があれば、また行きたい気持ちもあるって私が言うのが最高の褒め言葉なのかもね。


表紙に戻る / 過去の日記を読む