禁断の愛に溺れて 第5話

2001年3月18日

 さて、なんと一ヶ月達成です。
 2月はいつもの月より短いのですが、それにしてもキッチリ4週間ということになります。

 はっきり言って、今にして思えば(遠い昔のような表現だが、実際かなり遠い昔のように感じている)面白かったのは最初の10日間くらいだけで、あとは別にわざわざ書き残しておくほどのことは起こりませんでした。

 ただ、一ヶ月経過した今でも、やはり「行動記憶」なるものは強烈のようで、ときどき「あの素晴らしい愛をもう一度」というキモチになって遠い目にはなりますが、今のところなんとかやり過ごしています。

 このまま順調に時が流れれば、立派な「禁煙成功者」となれるのかもしれませんが、それっていつの時点で宣言できるのでしょうか?最低でも一年後くらいなのかなあ?
 「これであなたも煙草がやめられる」という本を書くつもりではないので、いいんですけどね。それでも、この「かなりヘンテコな禁煙体験記」を読んで「私も禁煙できました!」という奇特な人が続出してくれば、私は「禁煙界(?)のカリスマ・ネットアイドル」と称されたりするのでしょうか?

 そういうことを考えてしまうのも、実は現在、目標を見失っている状態なのです。
 そもそも禁煙を始めたきっかけが「禁断症状を体験する」というものだったので、そのピークを越えてしまった現在、マゾ体質としてはもの足らなくなってしまったようです。

 「だったら次は禁酒に挑戦したら?
 というご提案もいただくのですが、お酒は今のところ毎日飲んでいるわけではないし、3日間連続休肝日くらいのことはできるので、この現状で「禁酒」をしても、「素敵な禁断症状」にはならないと思われますので、「毎日飲む。昼間も飲む。休日は朝から飲む」くらいになってから挑戦したいと思っています。

 禁煙してよかったということが、今のところあまり無いのも問題です。
 たしかに、金銭的にはどう安く見積もっても一月に5000円以上を費やしていたはずですので、そのお金が浮いたのはよいことです。年間6万円ってすごいですよね。(3ZDBだ!
 たしかに心肺機能は強化されたような気がします。運動してもなかなか息が切れません。もっとも私のやっている運動は「脂肪燃焼のための有酸素運動」なので、あまりきつくはないのですが、でも、エアロバイクを漕いだり、だらだら泳いだりしかしていないのに「わあ、呼吸が楽!」と実感しても「でも、だから?」と突っ込みを入れてしまいます。
 主にストレス解消のためのスポーツクラブ通いなので、脈拍がとっとと「150」になってくれたほうが「やったぜ」とお手軽に充実感を得られるのに、今だと1時間くらい地味に運動したくらいでは物足らなくなってしまい、ついつい負荷や強度を上げてしまいます。私が目指しているのはアスリートじゃないんです。座り仕事のOLなので腰痛と肩こりが解消してくれればいいだけなんです。

 と、文句をいいつつも、心肺機能の強化ということ自体は評価すべきことなのでしょう。もっと体の弱い人だったら「階段を登っても息が切れなくなった」と大喜びするのでしょうけど、たまたま私が喫煙者であっても健康だったし、人並以上の体力を所持していたので実感が湧かないだけです。

 それよりも、月並みですが、声を大にして表明したいのが「太ったよ!」でしょう。「食欲が増進する」というのも本当で、口寂しいものですからついついお菓子を食べてしまったりするし、夜中に小腹がすいたときにも、今までだと一服すればよかったものが、つい何か食べてしまうことになります。
 今のところ、瞬間体重にして4キロくらい太りましたでしょうか?
 食欲増進と間食の増加と便通の悪化などの諸条件が重なるようです。とくに「お通じ」は女性禁煙者を悩ませるのではないでしょうか?

 現在、なんとか2キロほど落としましたが、どうもお腹がぽっこりしてしまい、もし私が皇太子妃だったら大変な騒ぎでしょう。

「みやの様、もしかして?・・・禁煙と下腹部ぽっこり」

 などと週刊誌に書きたてられちゃうんだ。

 さて毎度のことですが、ここまでが前置きでした。
 せっかく禁煙したのに「薔薇色の人生」はどこにも見あたらなくて、冴えないことばかりなのですが、その中でも最も「悲しい出来事」をこれから書きます。

 前にも書きましたが、私の職場はフロアのほとんどが禁煙なんですが、私の座っているエリアはすぐ側に蛇スモーカーの社長がいるし、ミーティング・スペースもあるし、経理課長も蛇なんで、喫煙が許可されております。ただし、社長がいるときには女性の喫煙は禁止。社長は親会社の役員でもあるので、一日中いるわけでもないし、社長のいるときには給湯室で喫煙できます。
 禁煙エリアにいる喫煙者も皆、給湯室で喫煙していますが、社長がいないときには、経理のところで一服していたりします。

 というわけで、私はけっこう自分の机でも吸ってたし、給湯室でも吸っていたので、多くの社員が私の喫煙現場を目撃しているはずです。
 しかし・・・・一ヶ月たっても・・・・誰ひとりとして「あれ?もしかして禁煙してるの?」と言ってくれなんです。
 私も自分で表明すると、プレッシャーになると思ってあえて宣伝しなかったし、それに目の前で吸ってる上司や同僚に申し訳ないかなと気を遣ったのでした。

 もしかして、私のことなんて皆さん全く興味がないのでしょうか?
 それとも気が付いているけど、気が付かないフリをしているだけなのでしょうか?

 週刊誌にあることないこと書きたてられるのも嫌ですが、誰にも気が付いてもらえないのもかなり悲しいです。

 この先、あの職場では私が太ろうが痩せようが急に二重瞼になろうが、誰も気が付いてくれないのかもしれないと思うと、なんだか空しくなってきたのでした。
 
 こうなったら、どのくらい職場の人達が気が付かないのか、とことん実験してみたいと思います。(前向き)



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