可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

12月24日(月)

 久々に風邪ひいた。
 鼻水が涙のように流れ落ち、そのため夜は1時間おきに目が覚めてちゃんと眠れなくて、そのまま日曜日のイベント仕事に行ったのだが、鼻水が止まらない惨状で本当は午後5時までの仕事だったのだが、2時でリタイヤした。
 イベント会場責任者に「風邪の具合が良くないので帰らしてください」と告げたら、軽く嫌味言われたけど、私だってここで無理しても、後で2、3日休めるなら頑張るけど、年末に向けて重い仕事抱えているので「悪化させたら多大なご迷惑が」ってことで温存したのさ。

 実際、やっぱり、夕方になったら8度くらい熱が上がって、今日もずっと伏せっていた。

 でも鼻水は流れ続けているので、ちゃんと眠れないのでなかなか良くならないのだが、過去の日記読んでいたら、去年というか今年の正月も似たような症状だったんだよな。「年末年始だから病院に行けないけど、これ、もしかしたらインフルエザなのかな?」と思っていたけど、家族には特に感染しなかったので、ただの風邪だったみたいなので、今回もそうなのかも?

●ドラマ「ポルノグラファー」フジテレビFOD

 2018年にフジテレビFODで配信されて、一部では話題になっていたし、TVerでも配信されていたのでちょこっとだけ見ていたのだが、あの頃、FODの動画は重くて、なかなか思うように再生できなかったんです。
 画質が良すぎたのかな?
 ともかく、最近になって、やっとフジテレビFODがフツーに再生できるようになって月9とかもテレビで見逃してもTVerで追えるようになったのでラクになっていたところ、この「ポルノグラファー」がまた上がってきた。

 なので、やっと最初から見ることができたんですが、なんじゃこれ、BLモノというより、ラブコメとして最高じゃんね?
 つーか、ラブコメの基本ジャンルの一つに「妄想癖が強すぎる主人公」っていうのあるけど、それの見せ方として最高レベルの出来なんですよ。

 定番の「エロい年上女性に弄ばれる若い男子」っていう妄想を「30代のおじさん作家と男子大学生」で再現する面白さはマジ声出して笑うくらい、笑える。
 「おっさんずラブ」も、そういうとこ、妙に真面目にやるので笑ったが、「ポルノグラファー」の徹底ぶりもほんとすごい。

 ほんと、何がすごいって「ポルノグラファー」のポルノ小説家に翻弄されて妄想全開になってしまう大学生役の猪塚健太って、映画「娼年」のナンバーワンホストの子じゃないですか!

 容姿的には、桐山漣をもっと濃くした感じなんだけど、この子は「民衆の敵」では細田善彦にハニートラップかけた美青年役だったし、「斉木楠雄のΨ難」では厨二病な吉沢亮の「妄想上の敵」であるダークリユニオン役だったらしく「うわー、どれもクセのある美青年役ばかりじゃん!」なのである。

 ただ「ポルノグラファー」に関してやや残念なのは、めちゃくちゃ笑えたのは3話までで、4話になって「先生の辛い現実」が浮上してきたところ。
 むっちゃエロ俺様な城田優が森川葵を翻弄する「文学処女」も前半はむちゃ笑えたが、後半になって城田優先生の辛い過去が浮上してきて「なんかフツーの話になってしまった」とガッカリしたが、こういうエロ系ラブコメのセオリーなのかね?

12月18日(水)

 いかん、観た映画や舞台のメモ残しておかないと、すぐ忘れちゃうから。

●舞台「月の獣」@紀伊国屋ホール

 観劇モードに入った時に、チラシを見て「へー、眞島秀和も舞台に出てるんだ」って気がつきましたが、気がついた時には売り切れていたので「そのうち挑戦しよう」と思っていたら、この舞台のお知らせが入ってきたので、抽選予約に挑戦したら、あっけなく当選したので「え?おっさんずラブ民的には田中圭も林遣都も瞬殺だったが、眞島秀和は大丈夫だったんだ」と拍子抜け。

 このあたりの感覚がよくわからなくて、松坂桃李は当日券で潜り込めたけど、菅田将暉とか全然無理ってあたりの感覚が。
 で、この「月の獣」って眞島秀和と岸井ゆきののダブル主演なんだけど、他の出演者が子役とジジイ役しかいないこともあり、なかなか満席にならないようで、チケットぴあからも頻繁に「当日券ありまーす」なメールが届くようになった。

 たしかに「アメリカに亡命移民した若い夫婦の物語」って地味だよな?

 って、私もただ「生・眞島秀和見てみたい」ってだけのミーハー心で挑んだので、どういう話なのかよくわからないまま観劇したのですが、非常にエグい話でした。

 100年前くらい?
 トルコがアルメニア人を迫害したらしい。

 ナチスのユダヤ人迫害の先輩って感じの話です。

 で、非常に運良く、そこから逃れてアメリカに亡命した青年が20歳くらいになって「嫁探し」になったら、「同じアルメニア人の嫁がいいだろう」って支援団体が動いて、やはりトルコ人に親を殺されて孤児院にいた15歳の少女が結婚ビザでアメリカに晴れて亡命できて「やったー!私、生き残った!」って、はしゃいでいたら、眞島秀和から「オレは夫で、お前は妻だ。さあ、これから何をするかわかってるな?」

 まあ、その夫の言い分もわかるんですよ。
 家族全員殺されちゃって、また家族を再生するには「家族を産んでくれる女が必要」ってこと。

 そして、この舞台の脚本がエグいのは、「それなのに、この夫婦は子供を持つことができなかった」ってところ。
 もし、不妊で悩んでいた人が見たら、相当キツい話だろうな、と。

 こんなキツい話というか脚本を今上演する意味は?って思ったけど、一周回って非常に現代的な話になってるので、やりたい気持ちはわかるけど、「キリスト教的家族感に縛られた夫」を演じる眞島秀和がステキすぎて、頭混乱するというか、あの役はせめて30歳くらいの、それこそ瀬戸康史あたりだったら未熟さに納得できたかもしれないけど・・・

 ただ、眞島秀和を「未熟な20歳くらいの青年」として描いていないのが、演出的な意図なのか、役者の意図なのかわからなかったが、嫁役の岸井ゆきのはきっちりと「15歳の少女」から30代の「だって私が不妊症なんだから」な大人の女性を演じ分けており、たぶんこの舞台の演出意図は「女性は悲劇を乗り越えて、環境に順応していったが、男性は悲劇に遭った瞬間から時間が止まったままだった」ってことなんだろう。

 だから男女差ということではなく、「紛争で家族を失い、亡命した先で、どう人生を築くか」という個々の話で、それは、震災などで家族を失った人の再生みたいなことに通じる普遍的な話でもある。

 しかし、この脚本は恐ろしかった。
 アメリカ人が、実際にアルメニア人迫害を受けた妻の親類の話を元に書いた脚本らしいが、眞島秀和演じる夫役が体験した悲劇というのが・・・

 トルコ人から家を襲撃されて、自分は地下室に逃げ込んで助かったが、他の家族は全員首を切られて、その生首が洗濯物干し場に並んでぶら下がっていたという・・・八つ墓村的な悪夢的ビジュアル・・・

 繊細な私は、「うちの両親と兄弟の生首が庭に並んでいたら」って想像してしまい、二日間ほどヘコんだ。

 が、たぶん、東日本大震災の津波被害にあった人たちは、家族の溺死体を確認していたはずで、そんな経験絶対にしたくないけど、それでも「遺体確認」できただけマシで、行方不明のままの人多かったからなあ。

 第二次世界大戦の話でも、徴兵された家族の戦死は「カラの骨壷」だったり「カラの棺桶」だったり、「本当に死んだのか?」っていう描写と、東京大空襲だったり広島長崎の原爆では「黒焦げの遺体の山があるが、うちの家族もあの中に?」ってことがフツーだったと思うので、家族が病院で医者に「ご臨終です」って言われるのって、すごく贅沢なことなんだなあ。

 そして、葬儀に参列してご遺体に向かって「あら、なんて安らかな、まるで眠ってるみたい。今にも起き出しそう」なんて言えるのって、ものすごーく平和なことなんですよね。

 というわけで、けっこうキツい芝居でしたが、だから生・眞島秀和は超ステキだったので「よし、ミッション・コンプリート」でした。


12月17日(火)

 日曜日は大河ドラマ「いだてん」の素晴らしい最終回で泣きっぱなしでしたが、興奮冷めやらないまま10時半の「ニッポンノワール」の最終回もリアタイしたんですが、「ふぁ???」な終わり方だった。

 すでに「ニッポンノワール」には話の整合性とか求めてなかったしオレの賢人(オレのじゃないのは山崎賢人)がクールに主役張ってるだけで良かったし(クールな主役じゃなかったのは「今日から俺は」)、朝ドラで「琵琶湖に沈めろ」案件になっている北村一輝がこっちではフツーにカッコよかったので、その落差を楽しんでいるだけで良かったのだが、そんなのんびり楽しんでいる私を「ふぁ???」にする最終回であった。

 そういや、もう随分前に・・・トレンディドラマ全盛期に気がついていたんだよね。

 「ドラマを楽しむ最良の方法は最終回を見ないこと」って。

 ほとんどのドラマは最終回が一番面白くないのだ。
 ただ「これで終わりますが、登場人物たちの人生は続きます。今まで見てくれてありがとう」ってだけなことが多い。
 手紙で言うところの「お体ご自愛ください」みたいな部分なのである。

 そんで「最終回で全ての謎が明かされる!」ってヤツも、「ニッポンノワール」で言えば「ああ、やっぱし、このための工藤阿須加だったのか」ってだけで、まあ、悪い工藤阿須加は珍しいので「よし、よし頑張ってるな」ってけっこう楽しんだけど、最終回まで引っ張るほどのもんではないだろう。

 そして、なんとなくわかるんだけど、映画や小説と違って連ドラの評価って視聴率だから、最終回って一番どうでもいいんですよ。
 初回のインパクトや2話目の引っ張りとかは皆頑張って工夫をこらすけど、「最終回」に来ていただいた時点で重要な仕事は終わっているので、コース料理でいうところのコーヒーですよね。
 いや、コース料理のコーヒーの方が「次回のご来店をまたお待ちしております」ってことで大事なのかもしれないが、ドラマの最終回って「次回」がないし、あるとしたら続編?というか、そうなると「続きは映画化で」みたいなことになり、やはり「ふぁ???」になる。

 そんで、まあ「ニッポンノワール 」は「3年A組」のなんちゃって続編だし、いろいろヘンテコだけれども、「なんか他とは違ったことやろう」って心意気はすごく感じるので、応援してるし、またジャンジャン挑戦してほしいと思う。ついて行く気満々。

 そして、月曜日に「シャーロック」の最終回だったのだが、こっちも「ふぁ???」だった。

 うん、そうだよね、さっき自分で書いたけど「お体ご自愛ください」な最終回じゃつまらないと思って、みんな一生懸命工夫してるんだよね。
 そのため、最近の月9は、最終回を「ふぁ???」にして、「実は来週、スペシャル編をやります!」って方式をやるようになった。

 ドラマが低迷する中で必死に考えた打開策なんだとは理解するけど、「これが定着すると、ドッチラケじゃん」とも思うのだが、「続きはネットで」よりは相当マシなのでギリギリ許す。

 最近、本編であんま活躍しないキャラがいても「ネット動画のサブストーリで活躍してます」みたいなのが多くて、しょーがないから見てみたらクソつまらないのばかりで呆れるが、ネット動画のサブストーリーが面白かったはそれはそれで腹ただしいので、ほんとどーにかしてほしい。

12月15日(日)

 大河ドラマ「いだてん」最終回。

 伏線回収どころではなく、これは巨大なジグソーパズルを少しずつ埋めていって、最後に大きな絵を完成させるような話であった。
 繰り返し登場した落語の「富久」の火事が聖火とリンクした時には「うわわわわ、そう来たかあ」と号泣。
 ほんと泣きっぱなしだった。

 「なんで最終回のこんな美味しい役がカンニング竹山なんだよ!」ってツッコミ入れる暇もないほどに。
 そして「最終回のこんなチョイ役に吹越満が!」とツッコミ入れる暇もないまま、じゃんじゃん主要登場人物たちを回収していくという繊細な荒技だった。

 私は民放ドラマのクドカン作品はあまり好きじゃないんだけど、朝ドラ「あまちゃん」には中盤からハマったので「NHKのクドカンなら大丈夫かも?」と「いだてん」には最初から期待が高かったが、最初の頃はやはり「クドカンのふざけ方が合わないなあ」と思っていたけど、途中からほとんど気にならなかったもんなあ。

 また是非、10年後くらいにクドカン大河見てみたいものです。


12月11日(水)

 あー、また仕事でミスして酷く落ち込む。

 こんなミス、今まであまりなかったのに、最近多いな。
 加齢でバカが進行中なのは自覚がアリアリだが、やっぱ「ああ、やっちゃった」ということになるとマジで死にたくなる。

 ただ、自分がお仕えした優秀な方々もよる年波には勝てず、想定外のミスをしてほんと苛立っているのを20代の頃によく見ていたので、「あの優秀だった方々に比べると、自分は落差少ない方かな?」
 自分が20代の頃にお仕えした社長はほんと優秀な人で、ひねくれ者の私ですら、その優秀さには素直に感服していたのだが、60歳くらいになったら明らかに衰えた。
 そして、今まで絶対そんなことしなかった人なのに、部下に怒鳴り散らすようになったので、「マジ許さん。おめーが半身不随になったら、ザマーミロと小躍りしてやろうか」とか思っていたら、心臓発作で一発退場(急死)されたので、「寝たきりになったお前を嘲笑う機会を奪ったお前をオレはゼッテーに許さねえ」と思った。


 あれから20数年。
 一般家庭の台所にある文化包丁みたいだった私のキレ味も鈍ってきて、ほんとうにガッカリするけど、「名刀が鈍るよりは全然マシかなあ?」と考えることで心の平穏を保っているようです。

 話は変わるが、私は「東京五輪反対派」なので、最近のゴタゴタも「だから、ダメだって言ったじゃーん」って感じなのですが、開会式の演出担当がケラになったので腰を抜かした。

 いやあ、つい最近、やっとケラ演出の舞台を見て「久々に超ハイセンスなの見たぞ」と感激していたので、その舞台も「ケラに税金使って好きにやらせたらどんなのできるかな?」って感じの企画だったけど、「うわ、こんなんできるんだ」と驚いたので、オリンピックの開会式予算を投入すると、どんなのが出来るのか素直に楽しみです。

 つーか30年前の自分に教えても「言ってるが意味わからないです」って言われそうな事がまた増えました。

 今まで収集したのはなんだったっけ?
 「島田雅彦が芥川賞選考委員です」
 「町田町蔵が三島由紀夫賞選考委員長になって、蓮實重彦が受賞します」
 「大友良英が朝ドラの音楽担当をやります」
 「大友良英は大河ドラマの音楽担当もやります」

 そして「ケラが東京五輪の開会式を演出します」←new!

って感じかな。
 もはや、山塚アイが国会議員になっても驚かないぞ(笑)

 でも、まあ、その中ではケラはナゴム時代から「将来なんかやりそうな子」というイメージがあったので、意外と驚かなかった。
 つーか、リオ五輪の閉会式が椎名林檎プロデュースで、とても良かったし、ここ最近の椎名林檎の活動が「ああ、サブカルがメインに移行するって、こういうことなんだ」ってよーくわかったし、たぶん、私より上の世代は「デヴィッド・ボウイが、いつのまにかハイ・カルチャー扱い?」みたいな経験したと思うので、こういうことってよくあることなんだろう。

 石原慎太郎だってね?
 私は石原慎太郎が本当に苦手だったのだが、支持者も身近に多かったので「価値観違うなあ」と思ったのであるが、この先、もしかして、私の世代の石原慎太郎的な人が、うっかり、あんな感じになるかもしれないかも、という危機感は持っている。

 坂本龍一とか、一時期ちょっとヤバかったし。
 三原じゅん子とかも、かなりヤバそうだけど、「ヤンキー系」は私のテリトリーじゃないのでよくわからない。

 政治ねえ?
 どうなんじゃろ?

 私はモリカケ問題は「まあ、そういう忖度よくあるだろう」とスルーしたが、「桜を見る会」問題は、「なぜ、これをスルーしちゃったんだ?」と驚いた。
 でも、自分の仕事でもよく「これは、なんでこんなことに?」って疑問を抱くと「それは長年ずっとそうしていたからです」ってことはよくあるので、そういうのにダメ出しするのって、ものすっごく大変だし、そこにメスを入れても自分には何のメリットもないんですよね。

 だから「組織の中で仕事している身」としては、「あー、やっちゃったなあ」とは思うけど、厳しく追及するキモチは起きないのだが、自分の中でなんか潮目が変わったかなあ。

 ただ、この雰囲気は「自民党はもうダメだから民主党にしよう」ってなった時の感覚に似ていて、あの頃「じゃあ、民主党にしてみるか」って引っ越してみたら、その期待を粉砕された恨みがまだ生々しくて。

 私みたいな「アンチ自民党」な人が阪神大震災で社会党に幻滅して、東日本大震災で民主党に幻滅したような人けっこう多いんじゃないかなあ?
 そんで、会社の同僚が「アベさんの暴走を抑えられるのは山本太郎だけだ」とかマジで言うので「あああ、そういうことに本当になってるんだ」って。

 この間、どっかのニュース解説記事を読んでいたら、英国も「リベラルの受け皿がない」状態らしく、そういう構造がEU離脱になった原因のひとつらしいが、欧州も政治的にゴタゴタしている印象だし、アメリカなんてアレだし、じゃあ、どうすりゃいいのさ?って感じだし、民主主義じゃない中国がその隙にガンガン覇権を握ってきてるような感じだし、20年後はほんとどうなってるのかわからないのであった。


12月10日(火)

 そういや、この間「やりたい仕事が別に無いなあ」って話を書いたが、それでまた思い出した。

 この話も何度も書いているはずだが、私が小学生の頃、親の知り合いのお嬢さんが某人気タレントの事務所で働いている、という話を聞いたことがある。
 某としたのは、誰だか忘れてしまったから。確か、西城秀樹クラスの有名タレントだったと思う。
 私が「ええええ、いいなあ」と羨ましがると母が「でも、そのお嬢さん、アイドルに全然興味ないんだって」と言うので「えー、それはもったいない」と単純に思った。

 今考えると、あの当時の女性の就職ってほとんどコネっていうか「紹介」だったと思うので、そのお嬢さんも「知り合いの会社で事務員を探しているから」って紹介されただけなんだろう。もしかしたら音大かなんか出ていて、「できたら音楽関係がいい」と言っていたら、アイドル歌手を多く抱える事務所を紹介されたのかもしれない。それだと、アイドルに全く興味が無かったというのも納得がいく。

 で、私がギョーカイに勤めることになったきっかけも「通いたい夜間専門学校に近いから」という理由でバイト情報誌に掲載されていたCMディレクターの事務所に応募したからである。
 どうやら、募集をかけても「ボクもCMの仕事したいんです!」って弟子志願ばまりやってくるので「いや、ただの電話番なんだけど」って断るのが心苦しかったらしく、「勤務地と勤務時間が条件に合っただけ」で、しかも「私には夢がありますが、その夢は先生とは全然関係のない夢です」ってところが気に入られて採用された。

 採用されてからわかったのだが、そのディレクター先生はサントリーのCM手掛けてるような、かなりの大先生だった。
 ところが1ヶ月くらいだっけ?細かいことはもう忘れたが、その先生がアテにしていた仕事がポシャって、私を雇うことが難しくなった。先生の目論見では先に雇った「コピーライター志望の女子」を助手として連れ歩いて(彼女には現場で勉強する機会とコネを広げる機会を与える)私を「事務所の電話番」にするつもりだったようだが、私を雇うための売り上げが無くなってしまったらしい。

 「あ、そうなんですか。じゃあ、他を探します」って話だったが、先生は「ほんと申し訳ない」と自分の取引先に大々的に声をかけてくださったようで、勤務地もほど近いテレビCM制作会社に私を紹介してくれた。
 そこでも「N先生が採用した子なら大丈夫だろう」と言われたが、いや、私、N先生の縁故でもなんでもないし・・・と思ったが、その会社も「人づてに事務の子を募集しても、なんか違うのが来る」というのが長年の悩みだったらしい。

 「脚本家になりたい」とか「映画監督になりたい」とか「アイドルのマネージャーになりたい」とか、そういう人が来ても、やる仕事は電話番とか納品書作成とか経費精算とか広告代理店とかテレビ局への「お使い」なので、「思ってたのと違う」ってことになっていたらしい。

 そして、私はその頃、日本の芸能界に全く興味なかったし、たまに撮影現場に「お茶汲み要員」として派遣されても淡々とお茶汲みやっていた。
 私の記憶が確かなら、自ら望んで遊びでスタジオ見学に行ったのは「三上博史目当て」だけだったし、CMのお手伝いに行ったときは段田安則が出演者だったので「うわー、段田さんがCMかあ」って感激したし(夢の遊民社のファンだった)、急な届け物でCM撮影スタジオに行った時には美少女時代のゴクミがいて「うっわ、マジかわえええ」って感激したけど、その程度だった。

 あと、事務所には時々、売り込みというか「ご挨拶」に来る芸能人がいて、故・川島なお美がよく来ていたのは懐かしいが、私がなぜかキョーレツに覚えているのは、「お客さんいらしたから、会議室にお茶持っていって」って言われて、しずしずとお茶持っていったら、ちょこんと座っていたのが志垣太郎だったのでびっくりした。

 アニメ「地球へ」のソルジャーブルーが!!!!

 「すげえ、今、私、ソルジャー・ブルーにお茶出してるぜ」と大変興奮いたしました。

 って、話逸れたけど、だから私は、就職面接で「あなたはなぜ弊社を志望したのですか?」って質問に「御社の業務には全く興味がありません」ってことを評価されて採用されたという、ちょっと不思議な就職の仕方をしたので、それをずっと引きずっているんですよね。

 そんで、30歳の頃、転職することになり「会計事務所で働きたいなあ」と思っても、全然ダメで「そっか学歴も資格もないと厳しいなあ」と思っていたら、知人に今の会社を紹介されて、行ってみたら、それまで親会社が経理の面倒みてた子会社で、「そろそろ経理も独立させよう」ってことで、経理やらされていた上司と、「一人じゃ大変だからアシスタントつけよう」と、ほんとはWeb制作がやりたかったのに騙されて経理に配属されていた専門学校卒の女子がいて、ある時、売上金回収が手形になってて、担当者が手形持ってきたのだが「これ、どうするの?」ってことになっていたので、「あ、私、ここだったらお役に立てるな」と思って、今に至る。

 うん、いいことしたと思うよ。
 あの上司も、あの若手女子も経理をずっとやるつもりなかったようだが、私が来たから、彼らはそれぞれ希望部署に異動していったし、その後、希望部署でちゃんと活躍しているし。

 そういえば、経理生活30年でわかったことは「経理を軽んじる経営者はちょっとムカつくけど、経理を重んじる経営者には要注意」
 中小企業の話だけど、オーナー企業において、経営者ってトップ営業マンなので、自分の好きに金を動かそうとするので、いわゆる大企業でもある「経理VS営業」というか、家庭でもある「俺が稼いで食わせてるんだから文句言うな」なことになりがち。

 でも「誰の稼ぎで飯食ってるんだ!」という暴言に傷つくのは、そこそこ幸せなことだったんだって気づくのは、「ミヤノさんは優秀だから、ただ伝票を処理するだけの経理で終わってほしくない。これからの経理は経営を支えるマネーマネージメントが求められる。だから、君はマネージャーなんだ!」

 え?すいません、売り上げ全然なくて、どうやって社員の給料払えるのか、全然わからないんですけど、マネーをマネージメントすると、なんとかなるんですか?そんなわけないですよね?それって「社長のオレは好きことを好きなようにやっているが、社員の給料を確保するのは経理の君の役目だ」って意味ですよね?

 こういうタイプの経営者に二人ほど出会って、「ああ、地味な仕事はつまらないと思ってる若者は騙されるのかもなあ」と心配していたんだけど、けっこう騙されてました(笑)

 だいたい、よく「経営者目線で」とか言われるけど、そんな才覚あるのなら自分で経営するよ。
 つーか、前に「自分が経営者だったらどうする?」って聞かれた時に真顔で「これと、これ・・・の不採算部門を切ります」って言ったら「そういうのじゃなくて!」って言われたけど、じゃあどうしろと?

 いや、不採算部門も経営理念的に大事なら全然構わないと思うのです。

 かなり前に、とある日本有数の大企業からメセナ的な仕事を発注されてノリノリでやっていたのですが、どうにも採算が取れない。最初から「これで利益あげるの難しいだろうな」とわかっていたのですが、やはり難しかった。
 なので収支としてはマイナスなんだけど、その時の上司に「あの大企業と取引があるっていうことは、うちの会社のアピールポイントになるので、たとえマイナスでも会社の広告費として考えることもできますよね?」って言ったら「そうですよね?じゃあ、そういう方向性で収支表作れませんか?」って言われたけど、まあ、どうやっても赤字だから「広告費としては、どのくらいの赤字まで認めるか」っていう気持ちの問題なわけで、そこは社内で情報共有していただくしか・・・
 つーか「経営者目線では」この赤字はオッケーとしか・・・

 でも、私は知っている。
 ちゃんとした経営者はそういう赤字も絶対に許さなかった。
 社員にちゃんと給料払うためには、そんな仕事していてはダメだったし、採算ギリギリだったとしても、最低限の人件費は確保できるよう、取引先と交渉していた。
 だって、「この仕事は利益を上げている」ってことにならないと、それに関わっている社員のモチベーションが維持できないだろう。

 結局「世の中にいい影響を与える立派な仕事」ってだけじゃダメなんですよね。
 食えないとね。


12月9日(月)

●染まりやすい自分

 大河ドラマ「いだてん」も次回が最終回ってことで寂しい。

 「真田丸」と「おんな城主直虎」は「日曜日の夜になるべく予定を入れない」ほどハマっていたが、それに疲れて「西郷どん」はあまり真面目に見てなかったけど、「いだてん」でまたほぼ全話リアタイで見る生活になった。日曜の夜に家にいることが多くなっただけかもしれんが(苦笑)
 それでも、やはり私はクドカンがちょっと苦手なので、積極的に絶賛してなかったのだが、それでもやはり「クドカンは凄い」と思う。
 もちろん、取材したスタッフの優秀さもあったのだろうけど、あれだけの群像劇を見事に構築した素晴らしさは、たぶん池田理代子に匹敵するんじゃないだろうか?

 「いだてん」の素晴らしさについては多くの人が書いているので、私がこれ以上書くことはあまり無いのだが、「それほどハマっているつもりもないけど、やっぱ面白い」とそれなりにハマっている身として、今日は面白いことがあった。

 取引先の人と話していて・・・・立場はこっちが発注側なので、「こういう内容だから、よろしくね」って私が主導権を握っていて、相手は「御意に」って態度なのだが、向こうが「これは、こういうことで宜しいでしょうか?」って確認してきたら、「違うんですよぉ、そういう意味じゃなくって・・・」と説明しようとしたのに、とっさに出てきた言葉が・・・

 「違う!」

 キツい言葉に取引先の人が明らかにギョっとしていた。

 「違う!そう!違う!」は「いだてん」の後半の主人公の口癖なんだが、まさかこんなタイミングで自分に乗り移ると思っていなかったので、言った私もギョっとした。
 でも、「いだてん」見てない人に説明してもわかってもらえないだろうから、「違う!」って言った後に「・・・いや、違うんですよぉ」と言い直したが、たぶんフォロー仕切れてなかっただろう。

 後で、「いだてん」見てる同僚に「違うんですよー」って言うつもりが「違う!」になってしまったと愚痴ったら「違う!そう!違う!」って言ってくれたので、「いだてん」見てる人にはすぐわかることなんだよなあ。

 なので、あまり役に立たないと思うけど、営業の仕事やってる人で、得意先の担当者が「違う!」って言ったら「そう!違う!」ってレスしたら、速攻契約とれるかもしれないので、よろしくお願いいたします。

 つーか、私は言葉の影響を受けやすいとは思っていたけど、ほんと、染まりやすいなあ、と改めて思ったのであった。

12月6日(金)

 この間、中曽根元首相が亡くなり「すげー、100歳超えてたんだ」と思ったが、自分がもし100歳まで生きるとしたら、まだ人生半分なんですね。
 50年生きてみて「なるほど、こういう世界なのか」って思うけど、大正・昭和・平成を跨いだ今100歳の人が見た世界はなんとなく想像できるけど、「この先の50年」は全然わからないので、楽しみでもあるし、不安も多い。

 自分は高度成長期が子供時代だったので「真面目にコツコツ働いていれば幸せな家庭を築ける」という価値観の中で育ち、青春時代にバブル期を迎えて「なんだこりゃ?」と思っていたら、景気が停滞して日本が経済大国だった時代から、ジリジリとアジア諸国に追いつかれる様子を見守ってきたが、だからちょっと戦中世代に共感するところがある。
 「日本が戦争に負けるわけがない」と信じていたのに、あんなことになってしまったのを体験した世代と、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だと言われていたのに、あの頃の大企業は斜陽の真っ最中の私の世代の「あれ?」って感じは同じではないけど、なんだか似てる。

 まあ、そういうのどの人類でもそうだったのかもしれない。
 戦国時代だって武田についてればオッケーだと信じていた人いっぱいいただろう。
 私の世代が「ソニーに就職できたので、安泰だ!」って人がいっぱいいたのと同じように。

 何度か書いているが、私の高校の先輩は地元の旧家出身だが、兄は日本航空、先輩は東京電力に就職して、当時はさぞや、「さすが、あの家の息子さん達は、いい大学に進学して、一流企業にご就職」と称えられていたのだろうけど・・・・

 ああ、そういう話書くつもりじゃなくて、ここんとこ、ほんと短期記憶の衰えが激しくてヘコむんですよ。
 記憶力が無駄に良くて、数字とかは全然覚えられなかったけど、「話の流れ」はいつも脈々と自分の中を流れていて、それは仕事する上で大変役に立ったというか、まさに自分の職能であった。

 それゆえに、メモを取らない、というかメモを取る習慣を作れなかったんですね。
 それが、今の自分を苦しめている。
 つーか、頭の中のメモ帳がかなり優秀だったために、それを加齢で失うと「あれ?今までどうしてたんだっけ?」ってなる。

 でも、短期記憶はダメになったが、昔のことはよく覚えているので、自分が20代の頃、「すごく優秀だった人が加齢でその能力を発揮できなくなって、とても苦しんでいる」っていうのをよく目撃していた。
 その苛立ちで怒鳴り散らす人も知っているが、私のその当時の直属の上司は、横にいる私の無駄な記憶力のおかげで、けっこう助けられていたようで、私のことをかなり重宝してくれていたので、あれが私の「私ってけっこう優秀じゃん」という自信の根拠になっていた。

 しかし、時代はそういう個人の能力ではなく「手順書作って、それが誰でもできるようにしよう」に移行して、自分の地頭の良さに頼って生きてきた私にとって、ちょっとやり難いことになっていた。ところに、地頭の良さが低下という事態に・・・

 今放送しているドラマで「俺の話は長い」が一番面白いと書いたが、あのドラマでニートの主人公が「自分のやりたいこと」を長年模索していても見つからなかったが、ある人のアドバイスで「やりたいことよりも、やっても嫌じゃないことを探した方がいいんじゃない?」ってゆーの、約30年、経理の仕事している自分に深く刺さった。

 私がこの仕事してるのって、結果的に30年くらい続いてるのって「好きなこと」ではなくて「消去法で、これなら自分にもできる」ってことなんですよね。
 バブル期に就職活動した世代だったら、こんな都市伝説あったでしょ?
 「マガジンハウスの就職面接で、希望部署を聞かれて『経理志望です!」って言ったら即採用された」みたいな。

 これ、たぶん今だと何が面白いのか説明するのが難しいのかもしれないけど、私が大学生だったころには飲み会で笑い転げるほど面白い話だったんです。
 バブルの頃はほんと「経理やりたいです」って言う人、いなかったんですよ。

 なので、私は「みんながあまりやりたくない仕事だから、それをやると価値があるみたい」っていうことと「この仕事、コミュ障な私に向いてるな」ってことで、だから、掃除のオバサンやってみようかみたいな感じでやっていたのです。

 「掃除のオバサン」でも「主婦」でもいいけど、会社の利益には影響ないけど、いないと困るオカン的な仕事的な・・・
 評価されないんですよ。
 つーか、マイナス評価っていうか、「掃除のオバサン」がきちんと仕事していても、誰も評価してくれないけど、掃除が行き届いてなくて、トイレが汚れてるとマイナス評価だけは重大みたいな。

 誰も、こんな仕事目指さないので、それを黙々とやってるだけでよかった。
 評価はされないけど、それなりの給料もらっていたので何の不満もなかった。
 つーか、私のコミュ能力だと営業とか絶対無理だったので、経理だと「お金借りてください」っていう銀行担当とかの付き合いだけで良かった。

 なので、時々やってくる「経理って専門職なんでしょ?」って誤解してて、それで名をあげようとする後輩には困っていたが、まあ、そういう人たちは、あっという間に「思っていたのと違った」って幻滅して去っていくので、また私の「人がやりたがらない地味で評価されない仕事を淡々と」って日々が戻っていたのです。

 ところが最近になってまたヤル気満々の人が来て、面倒くさい。

 何が面倒くさいって、その人は、たぶん私が専門的に高度なことをやっていると誤解しており、それを伝授してほしいと思ってるようだが、私が「いや、別にそんな・・・」って言うと「抱え込んで、教えてくれない」と思ってるようなんです。
 いやあ、経理の仕事でスキルアップとか無いから。
 いいから、税理士でも公認会計士でも目指せよ。

 でも、少し前に政策的に弁護士を大量育成したけど、結局、食えない弁護士が増えただけみたいな話あったけど、税理士もどうなんだろうねえ?
 うちが長年お願いしている税理士事務所も「切られたらどうしよう」って気配を濃厚に感じるので、売り上げキープするの大変なんだと思う。

 まあ、そういうわけで、最近、仕事が楽しくないんですよ。
 いや、だから仕事に生きがいを求めてないので、「平穏」だったらいいのですが、なんか「不穏」なので。

 そんで、そんなにいい給料もらっていたわけでもないけど、なにしろ金使わないので、そこそこ貯金はできたし、貰える予定の年金を加算したら・・・そして、そこに親の遺産(住む家。弟と妹は自分の家買うときに親から資金援助されているので、たぶん、親が今住んでいる家を私が相続しても文句言う人いないだろう)を加味したら「最低限の老後の生活はできるだろう」と甘い目論見があって、そうなると今の仕事の辞め時が気になる。

 とういか、正直今の仕事に飽きてきたので、「残り少ない労働者人生、なんか他にやりたいことあったら、そっちやってみてもいいんじゃね?」って。

 しかし、悲しいかな、元々「やって嫌じゃないから、この仕事でいいや」ってことだったので、そもそも「やりたい仕事」って無いんですよ。
 好きなバンドのライブに好きに行けて、見たい映画見て、見たい美術館行けて・・・って、要するに「遊ぶ金欲しさ」で働いてきたので、仕事に関しては「嫌じゃなければいい」ってスタンスだった。

 それでも、「役に立ちたい」というか、自分にもし、それなりの能力があるのなら、それをきちんと報酬として受け取りたいちうキモチはあるのでややこしい。

 そういえば、これって日記に書いたっけ?
 まあいいや、ダブっていたらすみません。

 チュートリアル徳井が脱税というか「そもそも申告してませんでした」ってことになった時に半分冗談で「もー、私に任せていただければちゃんとしてさしあげたのに」とか言っていたのですが、もー、あれでまた大河ドラマが再編集という事態になってたので「ほんと、勘弁してよ」と嘆いていたのです。

 そしたら、週刊誌記事で「チュート徳井と新井浩文は同じマンションで、そのとばっちりで写真週刊誌に頻繁に取り上げられる賀来賢人・榮倉奈々夫妻」っていうのを見て、やっと新井ぱいせんが事件当時住んでたマンションがわかった。
 いや、「三軒茶屋の高級マンション」とか書かれていても「え?どこ?そんなの見たことない」と思っていたんだけど、あー、そーか、あの国立小児病院の跡地に建ったやつか!

 あそこは日照権で揉めたので、フツーだったら高層マンションが建ちそうなところを低層マンションにしたので、外見的に地味になったのだが、高級化で採算とったはずだから、かなりのセレブ物件になっていたのね。

 確かに、それだったら、新井ぱいせんの事件でも派遣されたマッサージ嬢は「このレベルの物件だから、常識わかってないダメな人はいないだろう」と思うわな。
 そして、チュート徳井の時に「言ってくれたら、私がちゃんと帳簿つけて申告してあげたのに」って冗談で言っていたが、徒歩10分以内に住んでいたので、「大河ドラマがこんなに大変な思いをするくらいなら、ご近所だったし、私がほんと無料とは言わないが、端た金でやってあげたのに」と思ったが、それよりも、「え?賀来賢人あそこに住んでるの?」とドギマギしてしまうではないか(笑)

 うーん、それで話戻るけど「もう定年間近だし、好きな仕事してもいいんじゃね?」ってことで色々考えたんだけど、最近、舞台を観に行くことが増えて「劇場案内スタッフとか?」って思ったんだけど、勤務時間が短いからほんとパートタイムなんだろうし、それなのに黒いツースに黒いパンプスとかドレスコードが厳しそうなので、「本業」としては難しいなあ。

 そもそも自分は、「自分の趣味の世界」は純粋に嗜好品としておきたくて「趣味と仕事は切り離す」という自分ルールを敷いていたので、もちろん、そのルールを覆すのはいいんだけど、50歳過ぎて今更「趣味と仕事を両立させられる」ほど甘い世界ではないことはよーくわかっている。

 あー、そういう意味では「やってみたい仕事」として、もし、全然無収入でもいいのだったら、コミケに参加してるような人たちの「お金の管理」とかやってあげたいなあ。
 葬式の香典集計にはかなり自信があるので、コミケとかでもすごく役に立ちそう。
 でも、そんな道楽だけで生活するには、やはり石油王とか宝くじの力借りないといけないわけで、さーて、人生後半戦どうしましょ?


12月5日(木)

 少し前の話なんだけど、自分でもびっくりするくらいショックな出来事があった。

 うちの会社は親会社が土日祝日も営業しているサービス業なので、子会社であるうちも「休日」という概念が無い。
 とは言え、私みたいな事務系の社員は土日に休むことが多いが、祝日まで休むと規定の出勤日数が足りなくなるので出勤することが多いし、土日に親会社のイベントの手伝いなどがあると出勤することが年に10回くらいある。
 こういうちょっと変則的な勤務体系なので、求人の時にとても難しい。
 つーか、中小企業は求人広告かけても全然応募が無いので、「派遣社員で、この会社で長く働いてもいいと思ってくれた人を引き抜く」ことが多かった。
 ただ、他で働いた経験のある派遣社員はやはり「土日祝日無し」に抵抗があるので、もう20年前くらいになるが、「土日祝日がある勤務体系」を作ったのである。

 派遣社員と正社員の中間って感じで、契約社員という名称になっていた。
 だから、直接雇用の派遣社員?ということで、給料も時給制にしている。

 そして、少し前にその契約社員が正社員になった。
 と言っても、「土日祝日休みの、本当の正社員よりは休日が多い正社員」という制度を作ったので、その「お豆」みたいな正社員になったのである。
 正直、私はその「土日祝日休みの、本当の正社員よりは休日が多い正社員」っていう制度が出来た時、「なんで?」って思っていたのだが、今回、うちの部署にいた「契約社員」がその「土日祝日休みの本当の正社員よりは休日が多い正社員」に昇格したと聞いて「だから、その違いはなんなんだ?」と改めて思ったのだ。

 そしたら、その本人も「今日から正社員になりました」と挨拶するし、みんな拍手するし、え?何?何が違うの?とハゲしく戸惑っていたら、その本人の態度が急に変わった。
 前までは上司が誰に言うともなく「これさ、なんかおかしくない?」なんて話を振っても、その人はスルーしていたので、「こういう面倒くさい雑談はスルーするタイプなんだな」と勝手に思っていたのだが、正社員になった途端、話に乗ってくるようになったので「え?もしかして、今までは身分が低いからって思っていたの?」

 びっくりした。
 今まで、部長がなんか言ってても、「これ、私に向けられた話じゃないですよね」って目線送ってきたので「ああ、面倒ですよね、じゃあ私が受けます」ってパス受けていたつもりだったのが、実は「私は身分が低いので、このパスは受けられません」ってことだったの???

 そりゃ、学生バイトだったら「バイトだし」って上下関係がどうのというより「バイトさんにこんな責任の重いことさせられません」ってことあるけど、バイトだから雑談に首突っ込むなとか、私は無いんだけどなあ。

 そして、その元契約社員だった人を「正社員よりも下の身分」だと思ったこともなかったので、「正社員がエラい」って感覚が全くわからない。
 ああ、でも、もしかして、あっちの方が多数派?

 いや、うちの会社、「私よりも年上のパート社員」も10人くらいいて、その人たちはただ「扶養控除範囲で働きたい」というだけで、仕事内容としてはけっこう高度なことしているのです。
 たぶん、彼女らは、私よりも少し上の世代だから「高い能力持っていたけど、結婚したら寿退職するのが当たり前の世界で、専業主婦として長らく一線を退いていたが、子供に手がかからなくなってきたので、パート社員として職場復帰してきた世代」なのでしょう。

 なので旦那さんは一流企業勤務で、本人の学歴も高く、だから着てる服とか持ってるカバンのレベルも高いので、世間的にはあのパートさん達の方がレベル高いんですよ。
 しかも、年齢も上だから、私としては「先輩」だと思っているのですが、彼女らはエレベーターで一緒になると私を上座にするのです。

 すごく居心地悪い。
 ほんと、イヤ。

 それが、「自分よりも高学歴で世帯収入も多い年上のマダム」じゃなくても、年上の掃除のオバサンに「エレベーターにお先にお乗りください」されても、なんかイヤ。

 もう辞めたけど、前にいたんだよなあ、お掃除のオバサンに挨拶しない人。
 社員の出勤時間にロビーの掃除していると、通りがかった社員にお掃除のオバサンから「おはよーございます」って挨拶したら、フツーは「おはようございます」って返すじゃん。
 なのに無視する人がいると、お掃除のオバサンと雑談してたらチクられて「ああ、あいつですね」ってすぐわかった。

 そいつの人を見下す態度には私も度々傷ついていたのですぐわかったが、そのお掃除のオバサンも「トイレ掃除なんかしてる人間とは挨拶なんかしたくないんですかね?」と言うので、「あの人、社内でも有名な変人なので気にしないでください」と言ったっけ。
 うちの母親も掃除のパートしていたことあったけど、ああいう仕事している人って、だから「扶養控除内でちょっと仕事しよ」ってことで、けっこう恵まれた御身分の人なんだけどなあ。

 つーか、身分の上下以前に、「掃除のオバサンからの挨拶は無視」ってうのに驚くけど、まあそんなだったから、会社でも全然評価されず、実家が手広く事業やってる家のおぼっちゃんだったから、「家業手伝います」って辞めたけど、あんなんじゃ家業の手伝いになるわけないよな?(家業は飲食店経営だった。学生バイトに嫌われたら終わりだろう)

 話戻るけど、前に「派遣社員は社員の指示に黙って従え」みたいな暴言履いて揉めた後輩もいて(現場を目撃してないので真偽は不明)「そんなこと言う人いるんだ?」ってすっごく不思議だったけど、昔、友人が務めていた会社で頂き物のお菓子を分けていたら、「うちのバイトさんにもお願い」って言われて「うわ、派遣社員をバイト呼ばわり」って話も聞いたことがあるから、「高度に空気読む世界」においては、そういう身分制度はあるんだろうけど、私はそんな空気読みたくもないとずっと思っていたけど、自分の身近で「あ、そういう身分制あったんだ」な出来事があったので、「全然気づかなかった」って盛大にヘコんでしまったのでありました。

 前に会社の軽い雑談で「私、あんまり国内旅行してなくて、観光地とか苦手で」と言ったら「今は中国人ばかりだもんね」と言われて「え?」って固まった時もヘコんだけど、私は意外と繊細らしい。



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