可燃物な日々

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日本酒8合飲んだ勢いで、新しい掲示板を作りました

2月26日(火)

 土曜日出勤して(留守番みたいなもの)、日曜日休みで、月曜日出勤して、今日が休みというカスタネット出勤です。
 それにしても、ほぼ毎日タカハシが映画宣伝のためバラエティー番組に出ているので、それを追っかけるのが忙しくて嬉しい悲鳴とはこういうことかと。
 おかげで普段観ないバラエティー番組を見ることができて、「へー」って感じですが、「行列のできる法律相談所」って、もう弁護士さんたちが何のためにいるのかわからない、ただのひな壇番組になってるんですね。

 「億男」でタケルイッセイが展開された時はけっこう面白かったんだけど、あれはやはり佐藤健の圧倒的存在感とバラエティー慣れにタカハシが乗っかったから、ああなったのであって、川口春奈相手だと、ただの優しいお兄さんキャラになっちゃうから、あんま面白く無いのであった。
 次に公開されるのが「引越し大名」なのかな?星野源と一緒に出てくれるのかな?それどうなるのかな?

 そんで、3月1日から「九月の恋」が始まってしまうので「その前に観たい映画観ておかないと」って、そっちも忙しいのであった。
 だから、今日は109シネマズの割引日でもあったので、はしごしちゃおうかと思ったが、スケジュール的に無理だったので、これだけ観ました。

●映画「サムライマラソン」

 私は「るろうに剣士」をちゃんと観たことが無いので「佐藤健の身体能力の高さ」を知らないので、この映画に興味持ったのですが、それに加えて、トヨエツとハセヒロがいい感じのビジュアルだったし、「時代劇なのに外国人監督?」っていうのがどういうものだか観てみたくて。

 って書いてて思い出したのは「ラスト・サムライ」っていうのがあったな。
 でも、あれ、舞台が日本なだけで、インディアンが出てくる西部劇みたいだったような?
 映画館で観たんだけど、あんまり記憶にない。小雪が「恥を晒すくらいなら自害させてください」とか言っていたような?あと、寡黙な侍役の人が美味しかったとか。
 って調べてみたら、そっか渡辺謙が出てたんだよね(笑)
 なんか芸者のやつ(「SAYURI」のことらしい)とごっちゃんなってるな。

 さて、この「サムライマラソン」ですが、「外人が見た不思議の国ニッポン」的な要素、私は全く感じなかった。知らないで観てたら、イギリス人監督だってわからなかったと思う。
 観た後で「バーナード・ローズって他の作品は?」って調べたら、私が唯一見ていたのが「不滅の恋/ベートーヴェン」だった。うわ、懐かしいな、ちゃんと公開当時観にいったよ。ゲイリー・オールドマンがベートーベン役だったので。

 ところでこの映画「誰がどういう意図で企画したんだろう?」って不思議だったのですが、プロデューサーがジェレミー・トーマスだったんだ!なんか納得。
 電通が絡んでるようだったので「オリンピック関連企画」なんですね。
 そういう意味では、大河ドラマ「いだてん」と同じ企画意図で、「いだてん」が日本初のオリンピック選手を主役にしたのなら「サムライマラソン」は江戸末期のマラソン大会に着眼したと。

 そんで、ジェレミーは「ラスト・エンペラー」のプロデューサーですが、この映画で思い出すのは「ラスト・サムライ」で、よく考えてみたら「ラスト・サムライ」よりも「マラソン・サムライ」の方がラスト・サムライじゃね?(自分で書いてても軽く意味不明)

 舞台はペリー来航の頃の江戸末期。
 安中藩主のハセヒロは「開国なんかしたら、アメリカに侵略される」と危機感を持って、平和ボケしてて文官化している武士たちを集めて「遠足やるぞ!」って宣言する。
 佐藤健は経理部所属の地味な小役人だったが、実は徳川の隠密で藩内での動きを江戸に報告していたので、「怪しい動きあり」ってさっそく速達(飛脚便)を出したのだが、その後で「え?ただのマラソン大会なの?」と気がついて、メールをキャンセルしようとしたのだが、「もう送っちゃいました」とキャンセル不可能。
 それと同時に、姫君が「お父さん(ハセヒロ)のバカーーーー!私は絵師になりたいのーーーー!」って家出。

 という序盤で、私は「やっぱこれ、コメディなんだ」と思いました。
 いや、宣伝のあらすじもこんな感じだったので、「自分の早合点で大ごとになって慌てる佐藤健と、マラソン大会のドサクサに紛れて関所突破して江戸に家出しようとする小松菜奈姫。そして、姫と結婚して婿養子を狙っている森山未來も絡んでのドタバタ時代劇ラブコメか?」って。

 ところが、そういうんじゃないのは、森山未來が流れ者の首をバシュっと跳ねたところで「あれ?」ってなった。

 この映画、タランティーノ系だったんです。

 けっこう飄々とグロくて「聞いてねーよ」って思ったのですが、「長年、真剣勝負というか戦を経験してこなかった時代の武士が、いきなり生きるか死ぬかの状況に追い込まれて、そこでガムシャラに生きようとする・・・守りたいものを守ろうとする」っていう光景をひたすら描いていた。

 観てないけど「バトル・ロワイヤル」みたいな?観てないけど(笑)

 ストーリー展開はいろいろツッコミどころが多いんだけど、それを言ってしまうと「そもそも佐藤健が先走ったのが全ての元凶じゃん」なんだけど、もう、そういう話じゃないんだよね。

 じゃあ、どういう話かっていうと、よくわからないんだけど(笑)
 だから、タランティーノの映画って「じゃあ、どういう話?」って説明しようとしても、難しいじゃない。

 って話まとまらないけど、この映画の「血みどろの死体にはすぐハエがたかる」とか「金色に実った稲穂に血飛沫が」って表現はけっこう好きだ。圧巻だったのは、瀕死状態の小関裕太の顔を這うカマキリ。
 小関裕太が「なんかあるのかな?」って感じで登場したので期待していたら、あっさり殺されちゃって「ああ、こういうの外国人監督は容赦ねーな」って思ったけど、あのシーンのためのキャスティングだったんですね。

 そうそう。私は「半分青いの律(佐藤健)が主演で、秋風先生も出てるし、まんぷくの長谷川博己も出てるって、この時期にこれやるの面白いじゃん」って好奇心で観に行きましたが、「半分、青い。」からは、ナオちゃんとケントくん(小関裕太)まで出ていて、朝ドラ・スピンオフ感満載でした。
 妻役も、「まれ」から門脇麦、「とと姉ちゃん」から阿部純子、「花子とアン」から筒井真理子だったし。
 朝ドラ・スピンオフがタランティーノ映画系ですよ、凄いですね。

 つーか、いつ撮影したんだ?

 キャスティングがどう行われたのか興味ありますが、染谷将太が「マラソン大会で当然こいつが一番だろう」っていう足軽役だったことには、本人も「日本人監督だったら、ぜったいに自分をこの役にしないだろう」って言ってましたけど、確かに、どっちかというと鈍臭いイメージがある。

 だから、フツーだったら、「俊足の足軽役」に森山未來を配置しちゃいそうなところをそうしなかったのが地味に凄いと思った。

 そして、一番凄かったが竹中直人で、この映画はわりと役者任せで、監督が細かく演出つけなかったらしいからコメディリリーフ担当の竹中直人は、かなーり自由にやってるのですが、そんなもんカットすればいいだけなのに、「もしかしたら、森山未來の次くらいに尺使われてないか?」っていうほど出てくるのが竹中直人だったので「イギリス人にこんなにアピールした竹中直人って・・・」という、日本文化の世界進出への新たな境地を発見した(嘘)
 いつか、「世界に通用しそうな勢いの佐藤二朗とムロツヨシのアドリブ合戦」を見ることもあるのだろうか?
 (それより先に、佐藤二朗とムロツヨシのアドリブ合戦を延々と見せられる福田雄一大河ドラマの方をマジで心配しているのだが)

 というわけで、けっこう楽しかったんだけど、ツッコミどころが多すぎるストーリー展開に「思っていたよりもかなりグロ」ということで他人にオススメしにくい映画だけど、佐藤健は安定的に美しかったし、森山未來の騎乗姿はほんとに素晴らしかった。
 たぶん、我々は「森山未來の正しい使用法」をまだちゃんと発見してないのでは?


2月25日(月)

●映画「女王陛下のお気に入り」

 これ、昨日の日曜日に観に行って「アカデミー賞主演女優賞・助演女優賞ノミネートって、そりゃそうでしょう」と激しく納得したが、今日がアカデミー賞発表だと知らなかったので、「おお、今日だったか!」ってネットで結果速報を眺めていたら、主演女優賞ゲットしてました。おめでとーございまーす。

 いつでもそうなんだけど、今の時期も人気作の公開が立て続いていてシネコンはシアターの奪い合いみたいなことになっていて、この映画は見込まれる客層が狭いからなのか、ニコタマでは「午前中と夜の二回だけ」になっていて、しょーがないから、渋谷まで出ました。

 自分用メモ。
 シネクイントは画面が小さいので、中央よりも前の方に席を取ったほうがいい。「娼年」の時にそう思っていたのに、すっかり忘れていた。

 この映画を観に行こうと思ったのは、「英国版大奥」という評判もツボだったけど、これ絶対にベルバラ系だと確信したんですよね。「女王のお気に入りを巡ってバトルする」ってポリニャック伯夫人エピソードじゃないですか!
 一応、アン女王って誰?って軽く調べたんだけど、「知らないなあ」って感じで、映画評だと史実知らなくてもOKってあったので、ほぼ白紙状態で挑みました。

 観てみたら、確かに史実知らなくても十分楽しめたんだけど、チャーチル首相とかダイアナ妃の祖先である家系の話だったので「これ、イギリス人だったら、フツーに知ってる設定だったの?」ってことが気になった。
 例えば、日本の歴史ドラマで浅井三姉妹が出てきたら、大枠を知ってる人が多いし、「大奥」だって、徳川時代のこと大体わかって観てる人が多いだろうけど、このアン女王の物語も「欧米人だったら、だいたい大枠わかってる」って話なのかなあ?って。

 そう思ったのは、導入部がけっこう分かり難かったから。
 イギリス貴族社会の話なので、「エゲレス風の言い回し」なセリフが高スピードで展開するので、けっこう着いていくの大変だった。
 ただ、この話が女王と、その「お気に入り」である側近の女性と、側近女性の親戚の没落貴族の野心家の若い女性という3人の女性を巡る物語、だということがわかったら、史実とかどうでもよかったんだけどね。

 日本映画だと、「関ヶ原」が既存の日本家屋っていうか文化財を利用して、西洋映画みたいなスケール感を出していたけど、こういう西洋映画がけっこうな予算使って描く「時代劇」における「建物のスケール感」ってやっぱすげえなあって思った。
 どこがセットで、どこが歴史的建造物なのかわからないけど、女王の居室の「清々しいくらいの広さ」と「でも、そこにしか居場所がない閉塞感」とかね。

 カメラも魚眼レンズみたいなの多用してて、「だだっ広いんだけど、なんか閉じてる」って感じが素晴らしかった。雰囲気的には「英国王のスピーチ」みたいな「王族の苦悩」を描いているんだけど、とにかく、オシャレ度は振り切っていて、ものすごーくおしゃれなんだけど、下ネタじゃんじゃん投下してきて、ほんとお下劣なんだけど、でもオシャレって、こういう攻めた映画は久しぶりに見たような気がする。

 いやあ、ほんと面白かったし、ベルバラ心も満たされたし、大満足だったですけど、この映画、オゲレツ部分も振り切ってるので「面白かったよ」って他人に勧めにくいのが残念。
 あと、私でもよく意味のわからないセリフがけっこうあったので、イギリス風の言い回しに興味の無い人にはもっとわかり難いだろうし、イギリス人だったら、もっと笑いどころいっぱいあったのかもね。

 でも、それを上回る圧倒的な映像美というか、登場人物をセリフではなく「絵」で表現していくので、ほんと引き込まれました。


 そして「このクオリティーで刀剣乱舞やってほしい」って思ったのであった。(笑)
 エマ・ストーンの青い目を観ていたら「もう、この人が三日月宗近でもいいんじゃね?」的な。
 それは半分冗談だとしても、こういうスケール感での刀剣乱舞本気で観てみたいので、やっぱ石油掘りに行かなくては。

 って、どんだけ刀剣乱舞好きなんだよ、って話ですが、そりゃこういうアカデミー賞候補作見ると「やっぱ、違うよなあ」って感心するけど、予算に対するコスパ考えると、たぶん、映画「刀剣乱舞」なんて、エマ・ストーンの出演料にも満たない制作費だと思うんですけど、それであのクオリティーだったんですから、あれはやっぱり凄いんだと改めて思った次第であります。

 
2月24日(日)

 さて、感想文書いておかないと、どんどん忘れちゃいそう。

●舞台「イーハトーボの劇列車」こまつ座@紀伊国屋ホール 2/20

 紀伊国屋ホールに行ったの何十年ぶりだろう?
 「あり?紀伊国屋書店ビルのどこにあるんだっけ?」と戸惑ったけど、あんな売り場の隣にあったのね。全然覚えてねー。
 あの近辺で時間潰す時に紀伊国屋書店は時々入るけど、劇場のあるフロアって私が最も足を踏み入れないフロアだった。国際情勢とか資格試験とか。

 さて、この舞台のことはたぶん岡部たかしが出ている舞台で貰ったチラシで知ったんだと思う。
 岡部たかし出演作については積極的に観に行く方針になってるのだが、これは「えー?松田龍平主演?そりゃ、チケット確保が大変そうだな」と思っていたが、まんまと発売日を忘れてて(通常運転)翌日くらいに慌てて買いに行ったら、まだチケット残っていたので買えました。

 それにしても、松田龍平が舞台に出るなんてかなり珍しいのではないか?
 最近はテレビドラマによく出るようになったけど、ずっと映画の人ってイメージだった。

 あと、この舞台は脚本はもちろん井上ひさしなんだけど(こまつ座ですから)、演出が長塚圭史だったので、それも一度観てみたいと思っていたので、「岡部たかしを追っかけていたら、松田龍平と長塚圭史がくっついてきた」という贅沢案件でした。

 さて、生松田龍平を観るのを楽しみにしていましたが、15列目だったので、正直顔はよく見えなかった。舞台ってあまりにも前過ぎると気恥ずかしいし、後方すぎるとよく見えないので、ほんと難しい。
 そして、他の役者さんが上手い人ばかりなので、松田龍平だけがちゃんと舞台発声してなくてボソボソ喋るのに違和感ありまくりだった。
 明石家さんまが出る舞台を観た時も「あー、さんまだけ、やっぱ役者じゃないんだなあ」って声だった。マイクを使わずに舞台でセリフを喋るのって、そういう訓練受けてないと全然違うよなあって。

 しかし、舞台が進むにつけ、だんだんわかってきた。
 これ、わざとやってるんですね。
 松田龍平が下手なんじゃなくて、「そういう異質なモノを置きたい」っていう演出なんですね。
 話は、宮沢賢治の生涯なのだが、「うだつのあがらない宮沢賢治」が主役なわけです。父親の仕事を継ぐのを嫌って東京に家出したけど連れ戻されて、地元の農村を元気にする活動をして、自分も農民気取りだったけど、結局、親の脛かじりでしかない、繊細でひ弱で、志は立派だけど、「しょせん坊ちゃんの遊びじゃないか」っていう宮沢賢治という存在を「舞台に立ってると激しく違和感がある」松田龍平の存在感・・・というか、存在感の無さで表現してました。

 だって、賢治の父親役の山西惇なんて存在自体がインパクトある上に声がメチャクチャ通っていたし、劇中の賢治と対照的な存在の「三菱商事社員」役の土屋佑壱(って役者さんは知らない人だったけど)は、川平慈英みたいな濃いキャラだったし、直接の絡みは少なかったけど「本当の田舎者」の役だった宇梶剛士もそのまんま暑苦しいキャラだったし(舞台で観るのは初めてだったが、作りがデカいから舞台映えしまくり。当然のことながら声もデカい)、あとこの間、大河ドラマでもチョイ役で登場したけど「猫のホテル」の中村まことも声色巧みな渋い役者で「ワケあり感」を表現するのが上手い人だし、それに、我らが岡部たかしですよ?

 クセモノ感溢れる男性キャスト陣の中で、松田龍平だけがポツネンと次元が違っていて、まさに幻燈のようだった。

 そういや、畳の上で座って話す場面が多くて、宮沢賢治役の松田龍平は背中を丸めて正座して延々と説教されていて、「わー、こんなに長いこと正座していたら、私だったら立ったとき絶対に足が痺れてて転ぶ」とハラハラしちゃいました(笑)
 役者さんも大変ですよね。
 大河ドラマでも「床に直で正座していると、足がアザだらけになる」って誰かが言っていたよなあ。

 そして、観客もそれなりに大変だった。
 まず、紀伊国屋ホール、けっこう年季経ってるから椅子が古い。そういやトイレも和式ばかりでした(笑)
 開演が18:30だったので「きっと、けっこう長いんだろうなあ」と覚悟はしていたのですが、休憩に入ったのが20:30くらいで、終わったのが22時くらい。正味3時間半くらい?

 少し気になったのが、「国柱会」のくだり。
 賢治が法華経に傾倒してしまい、浄土真宗の父親がそれをなんとかしようと、法華経の弱点を突きまくるのはいいとして、賢治の晩年に軍国主義に傾く日本というか、例の三菱の社員が「満州に新しい国を築くのだ」って息巻いていたけど、その理念の土台が国柱会がって場面があって、そのあたりは、私にはあまり馴染みの無い話だった。

 この戯曲は1980年が初演なので、つまりは、私が中学生だったころに「井上ひさし脚本劇」を観に行くような人たちは、どう受け止めていたのだろう?
 私はなんとなく「法華経というか親鸞聖人系の新興宗教はいろいろアレだし」って知ってる程度だけど、1980年に井上ひさしの芝居観に行くような人たちが、そういうのをどう捉えていたのかね?

 そしてこの戯曲は最後の方になって、「井上ひさしが、この時代に発信したかったこと」が入っていて、「あ、そこがテーマだったんかい?」って思ったんだけど、あの当時の農業の問題点が出てきたんですよ。
 日本人の米離れが進んでいるとか、高いトラクター買って借金まみれだとか。
 私はそういうのを「ああ、あったなあ、そういう時代」と懐かしく思い出しましたが、若い観客はどう思ったんだろう?
 って、あんま若い客いなかったかな。
 私の隣に座っていた30代OL二人組も松田龍平目当てだったようだが、客席の平均年齢はけっこう高かったように思う。こまつ座固定客?
 この戯曲は何度も上演されてるようなので、違うキャストや演出で何度も見てる人の感想を知りたいものである。

2月22日(金)

 今朝の「あさイチ」は長谷川博己が出ていたが、私は8時台だけ見て出勤した。(9時台はさっきオンデマンドで見ました)

 そして会社で同僚M嬢と、その話になって、私が「ヒロキったら、すげーお肌綺麗で驚いた。もう40歳なのに」と言うと、M嬢は「手が綺麗って大吉さんといちゃいちゃしてたのが可笑しかった」と。

私 「あー、ヒロキは確かに手も綺麗だけど、あれは映画とかだと、ちょっと女性的な手に映るんだよね。だから、私は手首から先は高橋一生に差し替えたいと思う」
M 「ん?長谷川博己の手じゃダメなの?」
私 「ダメってわけじゃないけど、ゴツゴツ感というか、血管が出てないとか」
M 「ん?じゃあ、顔は長谷川博己で、手は高橋一生って、何をどうするの?」
私 「だから、長谷川博己の手首ここから切って、高橋一生から切り取ってきた手首をくっつけるの」
M 「え?なにをどうくっつけるの?」(どん引きしている)
私 「え?」(どん引きされて驚いている)

 やべー、ツイッターではこういうことみんな盛大に呟いてるから、フツーのことのように性癖を語ってしまったが、一般人相手にベラベラと調子に乗って話すもんじゃなかったらしい。
 つーか、前にも書いたけど、M嬢ってこういう抽象的?というか、比喩的な表現苦手なんだよな。

 「手首の先だけチェンジ」っていう表現に対して「え?切るの?」って本気で解釈してしまうらしい。

 ネットで炎上案件などを観察すると「例え話が通じない人ってけっこういるんだな」と思うことがけっこうあるけど、M嬢と雑談していると「ああ、こういうことか」と垣間見ることができるので、ちょっと助かる反面、「話の持っていきかたが難しいな」と思うことも多々ある。

 高校や大学の友人と会っていると、こういうストレス感じることあまりなかったし、20代の時の職場では優秀なクリエーターや、クリエーター志望の人たちに囲まれていたので、長いこと「私って上の下、もしくは中の上くらい」という自意識の下で生きていたが、30歳過ぎて今の会社で働き初めてから「うわー、こういう人たちが偏差値50のほんとの一般ピーポーなんだ」と発見したが、それから20年経っても新たな発見が多すぎる。

 この間も、「へー」ってやりとりを傍受した。

 別部署の40代後半のS嬢は、私とはあまり趣味は合わないけど、けっこうオタク気質の人で、だからS嬢の話は聞いてて気持ちがいい。
 ボクシングの試合を一人で見に行っちゃうような人なんです。
 自分の好きなものに関しては熱く語るけど、自分が興味のないものは涼しくスルーする感じの人である。

 そんで、そのS嬢が眠気覚ましにうちの部長とボクシング話をしようとやってきたら、不在だったので、なぜかY嬢と雑談していた。
 その二人が雑談しているの珍しいな、と思ってなんとなく聞いていたのである。

 たぶん、この二人はある意味「最古参女子」なのだ。
 もっと年上の女子社員もいるのだが、うちの会社の成り立ち上、「関連会社から寄せ集められた」のが上の世代なので、「この会社が設立して、初めてプロパーとして新卒女子社員を採用した」って世代なのである。

 だから、入社してもう20数年の付き合いであるが、「独特のオタク道を進んで、40代で独身で」っていうS嬢と、「20代後半で結婚したが、うちの会社で初めて結婚退職しない女子社員になった。ということは、初のママになっても社員になるかと思いきや?」・・・・そう、産休後に復帰するっていうの、ほんとはY嬢がやるべきことだったんですよね。
 しかし、子宝に恵まれなくて、その「我が社で初の産休復帰社員」っていうのは、派遣社員から正社員になった人の出番を待つことになった。

 話逸れまくってますが、私はM嬢との雑談はけっこう楽しんでいるのですが、Y嬢との雑談が苦手でね。
 Y嬢も、けっこうドラマ好きらしいのですが、「今やってるアレは見てる?」「うん、あの主役の子かわいーよね」「え?かわいい?」って「カワイイ止め」されるので会話が膨らまないのですよ。

 そんで、そのS嬢とY嬢の雑談ですが、Y嬢がなぜか「中学聖日記」が好きで、あのドラマの中で有村架純ちゃんが着ていたコートが気に入ってネットで調べちゃった、という話になっていた。
 って、話されても硬派オタクなS嬢は、テレビドラマなんて全く見てないので「それ誰?」って反応だったのですが、「ほら、ケータイのCMのオトちゃん」って説明されて「ああ、あの子か」ってやっとわかったみたい。

 そこで、オタクなS嬢は、たぶん自分の中で「こういう人と共有できる話は」って自分の心の中で検索かけたんでしょうね。
 「わたし、最近けっこう、AAA(トリプルエー)のライブ行ってるの」

 えええええええ?

 って私も驚いたが、Y嬢もびっくりしたらしく「え?ニッシーが好きなの?」って言ったら、「別にニッシーはどうでもいんだけど、なんか曲が好きで、ライブ行くようになったらハマちゃって」

 そういうの絶対に好きそうじゃない硬派なS嬢のまさかの「AAA(トリプルエー)のライブ行ってる」宣言に、S嬢もけっこう怯んでいたが、少し呼吸を整えたあと、素晴らしいことを言った。

 「AAA(トリプルエー)の曲って、なんか聞いてると元気になるよねえ。勇気貰うっていうか」

 S嬢も「え?ああ、まあ、そうだよね」って言っていたけど、そっか「元気や勇気をもらいました」って、こういう時に使うアイテムなんだ!!!!

 ・・・・・え?

 だめだ、やっぱよくわからないな。
 女子トークやっぱし難易度高い。


2月20日(水)

 今日は紀伊国屋ホールで松田龍平主演の舞台見てきたんだけど、その感想はまたそのうち書くつもりですが、しばらく前にツイッターで話題になっていたことについて、なんとなく思うところがあったので、その話を書く。

 元ネタがどこにあるのか知らないんだけど、「中学生がアメリカ横断ヒッチハイクの旅」をやろうとしていたことが話題になっていた。
 アメリカでヒッチハイクなんて、危ないの当たり前だけど、それが日本だって危ないから、「ひー、誰か止めて」って感じになっていたが、よくわからないけど、どっかで阻止されたらしい。
 その話が本当なのかも私にはわからないんだけど、「へー」って思ったのは、その中学生がそういう行動を起こした動機が「みんなに勇気を与えたい」とかだったので、そのあたりも「イマドキの承認欲求事情」という文脈で語られていたが、私は「あーー、こういう感じ、なんかあったなあ」と昔の知人を思い出した。

 「B君」として、私の日記によく登場していた男子である。
 B君はそれまでの自分の友人にはいないタイプだったので、私はとうとう彼を理解できなかったのだが、今で言うところの「意識高い系」であった。

 出会った頃のB君は、「地方から東京に出てきて、いろいろな仕事を経験したが、家庭の事情でいったん地元に戻ったけど、たまに東京に出てきて遊んでいる。そして地元で何か起業したい人」だった。
 その頃は「福祉の仕事がしたい」と言っていた。
 そして、私が「福祉って?具体的には何やるの?」って聞いたら、なんか手書きの企画書みたいの見せてくれたけど、何をどーしたいのか私にはよくわからなかった。

 だから、それから10年くらいしたら、「人の役に立つ仕事がしたいです」っていう学生さんが大量発生したので「ああ、そういう時代というか、そういう教育方針なんだ」ってわかったけど、B君はちょっとだけ時代を先取りしていたんだよね。

 で、私はB君の目指すものがさっぱりわからなかったんだけど、周囲の人たちが「すごいね、立派だね」と褒めてくれるのに、私だけが「で?それでビジネスになるの?」って、ちょっと冷めていたのが逆に気に入られたのか、彼は私の当時の親友と付き合っていたけど、すぐに別れてしまって、フツーはそのまま疎遠になるところをマメに近況報告してくれたので、しばらく友人付き合いしていたのである。

 B君がよく言っていたのは「みんなを輝かせたい」ってことだった。

 しかし、そこは私にとって最大の謎ポイントで「私はそりゃ、誰かによって輝くことはあるというか、輝いてる人の光浴びてることあるけど、輝きたいっていう人はちょっと・・・」って私がいくら述べてもB君は納得しなかった。
 いろいろ話を重ねているうちに、少しだけわかったのだが、B君は過去にとある成功体験があったのである。

 地元でやっていた、とある活動が地元新聞に取り上げられたらしい。
 そして、その反響がけっこう大きかったらしい。

 B君曰く「地方にいると、自己実現の機会ってほんと無いんだけど、だからこそ、こういう場をみんな求めてるんだ」

 しかし、そのB君が語る反響って「うちの息子もぜひその活動に参加させてほしい」とか、本人じゃなくて親からの反響だったらしいんだよね。
 だから、ちゃんと20代の同世代から「一緒にやりたい」って反響を受けていたら、その人たちと一緒に活動すればよかっただけなんだけど、新聞読んでる親の世代から「すばらしい活動です。ぜひ、うちの子もご一緒させてください」って絶賛されてもねえ?

 B君「地方にはくすぶってる子、いっぱいいるんだよ」
 私 「あー、いるでしょうね、私もそうだったし。でも、そういう子は東京出て、私はゴダールの映画見て発散していたけど、原宿を奇抜なファッションで闊歩して発散してる子もいっぱいいるんでしょうよ」

 ゴダールも原宿ファッションもわからないB君には伝わらなかった。

 「でも、自分では輝けない子、いっぱいいるんだよ」

 いるね?いるでしょうよ。私だってそうだったもん。
 でも、同じように何も才能もないオメーに輝きは求めないんだけど?

 「他人のために、なんかしたい」っていう気持ちはわかるが、結局「くすぶってる子を輝かせたい」っていうのは、今で言うところの承認欲求なんだよな。
 そして、それからしばらくして、彼が市議会議員に立候補したので「おお、その手があったか。それ、ぴったりじゃん」って思った。つーか、ああいう子は最初から議員さんのカバン持ちでもやってりゃ良かったのだ。勉強になるし人脈もできるし。

 まあでも、そんな簡単に行くわけなくて、落選しちゃったけど、記憶が曖昧だが5000票くらいが当選ラインだったところを2000票くらい集めていたので「シロートの初陣としては、なかなかじゃん」と感心した。

 その後、音信が途絶えていたのだが、何年か前にふと思い出して名前でググってみたら、「環境に優しい洗剤」みたいなのを作っていて、その活動をブログに載せていたので「お、元気そうだな」と思ったのだが、けっこうニッチな商品だったので、あまり売れなかったのか、そのブログの更新も私が発見した頃には途絶えていた。

 そんで、今日また思い出したもんだから、また検索してみたら、今度は違う商品開発していて、そっちはけっこう売れてるらしく、ブログもちゃんと更新されていた!
 きちんと「人の役に立つ商品」だし、困ってる人からいろいろ問い合わせも受けているようで「おお、幸せそうで良かった」って思いました。
 やりようによっては、もっと売れそうな(って、どんだけ売れてるのかわからないけど、たぶん一人で細々と自宅でやってるようなので)商品でしたが、けっこうニッチな感じなので、あれでちゃんと食えてるなら御の字なのかもね。

 とにかく、久々に思い出して検索してみたら、ほんとちゃんと元気そうに生活しているようだったので、嬉しかった。


2月19日(火)

 うわ、4月からの土曜のテレ朝のドラマがタカハシ主演で斎藤工と滝藤賢一だって!

 「みかづき」がもう来週で終わりだが(短すぎる。詰め込んでいるからこその面白さもあるけど)、映画の公開が迫っているので、そっちの宣伝でのバラエティー露出が増えてきたから「しばらくそれで食いつなぐか」って思っていたけど、これで夏まで生きていけます(笑)
 それにしても、タクミイッセイがまた鑑賞できるとは本当に嬉しい。あ、タキケンも「グラメ」以来ですかね?あのドラマでは「なんでこの二人仲悪いの?」って、とうとう謎の設定だったのだが、今度はちゃんと絡んでね。
 そういえば、「チコちゃんに叱られる」に出ていた時に、また謎の失恋体験(3年くらいずっと引きずっている、とか)を語っていたので「また、今やってる役の話?」って冷静に受け止めていたのですが、どうやらこのドラマの設定みたいですね。
 ラブドール制作者の映画はもう撮り終わったのだろうか?
 前からそうだったけど、番宣で出てくるたびにビジュアルが違うので、どういうスケジュールになってるのかさっぱりわからないのであった。
 まあ、半年後くらいに「あれは、これの時だったか」って判明するんだろうけど。

 ところで「タカハシが犬とモフモフ?」ってことで「志村どうぶつ園」を観たのだが、秋田犬にひたすらベロベロ舐められるタカハシをただひたすら羨望の眼差しで眺めていたが、嵐の相葉くんのコーナーがエグかった。
 一軒家で60匹も多頭飼いしている家を訪問していたが、「最初は二頭だけだった」っていうの・・・しかも「オスだと思っていたら、メスだった」っていう「???」な理由であれよあれよという間に繁殖しちゃったとか・・・

 すごく恐ろしい現場だったのだが、相葉くんの人柄でなんとなく観られたけど、「なんだ、この飼い主は、何か知的障害でも抱えていたのか?」って思ったが、犬の状態がそれほど悪くもなかったので、散歩や躾はできなくても、ちゃんと食事を与えて、あれだけいるのに衛生状態もそんなに悪くないってことは、それほど悪い飼い主でもないのかなあ?って思ったけど、あんな惨状になって、やっと保護団体に助けを求めたのか、近隣から通報されたのかわからないけど、ほんと大変ですね、ああなっちゃうと。

 しかし、タカハシも「うちの実家、ピークの時は13匹いた」って言ってたけど、それも、けっこうヤバいレベルだったのでは?
 まあ、その頃は羽振りが良かったのかもしれないけど、彼が成人した頃には未成年の弟が4人もいたわけで、それでさらに犬もいっぱいって、どうしてたのよ?
 けっこう波乱万丈な人生送った母親だったみたいで、だからタカハシは母の死の直前まで絶縁状態だったらしいけど、そのあたりのことはミュージシャンの弟が音楽雑誌のインタビューでけっこうベラベラ述べていたようだが、それが逆に良かったのか、そっち方面はほとんど週刊誌ネタになってないのよね。

 ドラマ「みかづき」でも、原作はどうなのか知らないが、ドラマ内では、千秋(永作博美)がシングルマザーだったけど、前夫のことは全く触れていないので、「うわー、こういう異父姉妹設定って、タカハシのプライベートと被るじゃん」って思って、こっちが勝手に「うわー」ってなってるだけです。


2月13日(水)

 2月はけっこう変則出勤なので、今日休みになり、レディースデーだったから映画見に行った。

●映画「チワワちゃん」

 ところで、LOFTの公園通り側って、いつから紀伊国屋書店になった?

 というくらい、渋谷を通過することがあっても公園通り歩くの久しぶりだったし、HUMAX渋谷に入るのも初めてだった。なんで、ここにポツネンと映画館が?って今更ながら思った。
 そして、この映画館のF列は、昔ながらの通路が前になる席で、足投げ出せるから快適でした。

 この映画を観ようと思ったのは、二宮健監督だったから。
 2017年公開の「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY」通称「リミスリ」の監督である。
 二宮監督の商業映画デビュー作で、東京では新宿武蔵野館の単館上映だったんだけど、高橋一生が出ていたので最初の頃は満席が続いて、座席確保するのが大変でした。
 二宮監督としては、ラッキーなデビュー作だったんじゃないかな?
 撮影時というか、キャスティングした時は「そこそこ人気脇役俳優」だった高橋一生が・・・つーか、あの映画では同じ事務所の古畑新之の方が重要な役で(ピエロメイクで誰だかわからないけど)、そのバーターっていうか、「重要だけど出番少ないんだけど、ミステリアスなイケメンでギャラそんな高くない人探してます」ってことで、「その撮影期間なら、タカハシっていうのがいます」ってなったような気がしなくもない。

 自分がテレビ番組制作会社にいたときに、よくそんな感じでキャスティングしているの横目で見ていたから。
 有名俳優のスケジュール押さえるついでに「クラブのホステス役のけっこういい役があるんだけど、そういうの出来る子いる?」って感じで。

 そういや、リミスリは、今考えると、っていうか2017年当時も思ったんだけど「高橋一生の役を成田凌でも良かったのでは?」
 成田凌もリミスリでは「大事な役なんだけど出番は少なく、しかもほとんど顔が出ない」という、もったいない役で出ているので、公開当時は「高橋一生にしても、成田凌にしても、撮影時はそんなでもなかったのに、公開時には超売れっ子って、この監督何か持ってるな」って思ったっけ。

 成田凌って、人気が出たのは「逃げ恥」だったんだっけ?

 そんで、リミスリはストーリーは好きじゃなかったんだけど、随所に「お?」っていう所があって、だから話は好きじゃないんだけど、「映像作品」としてはけっこう面白かったので、結果3回見たのかな?
 いや、決して、高橋一生のベッドシーン目当てではありませんって(笑)

 あの映画の高橋一生は「なに、この中身なんもない造形は?」って、ある意味凄かった。
 現実と妄想が交錯する映画だったけど、高橋一生の役が現実なのか妄想なのか、観る人の解釈に委ねられいて、私は「あんなの全て妄想」と解釈しました。
 それよりも、あの映画を「すごい」というか「ひどい」」と思ったのは、「30歳で映画の主演を掴み取るために枕営業する女優の卵」っていう映画なのに、実際に「30歳で映画初主演」っていう桜井ユキちゃんが脱ぎまくっていたことで、「この設定を平然とやる神経がすごいわ」と思ったのです。

 なので、「二宮監督の次回作があったら、お手並み拝見してみましょ」と思っていたので、この「チワワちゃん」を観てみたのでした。

 若手俳優大集合映画としては、メジャー作品の「十二人の死にたい子供たち」の影に隠れた感じになってしまいましたが、「チワワちゃん」は岡崎京子原作だし、主演は門脇麦ちゃんで、成田凌や村上虹郎という人気俳優に加えて、なんと佐藤浩市の息子というか三國連太郎の孫である寛一郎まで出ているという、なかなかのキャスティング。

 しかし、私は岡崎京子の「チワワちゃん」を読んだ記憶が無いのであった。
 短編らしいけど・・・・

 岡崎京子原作といえば、吉沢亮スタンプラリーで「リバーズ・エッジ」観たけど、「なんで今頃、これを映画化したかったの?」って、さっぱり理解不能でした。
 うーん、私が岡崎京子の漫画それほど好きじゃ無いこともあるけど、あの空気感を映像化するのって難しいよなあ。俳優にやらせると、あの、なんていうのか、微かなマヌケ感が抜け落ちてしまうんだよなあ。
 行定監督は同世代だから、あの世界観に思うことろがあるのは想像できたけど、うまく再構築できているとは思えなかった。

 それに比べると、20代の二宮監督が、岡崎作品を映像化するというのは、あのヒリヒリ感をリアルに引きずっているからこそ、なのかもしれないので、どうなるのかなあ?ってけっこう期待していたのですが・・・

 二宮監督はパーリーシーンが本当に上手いんですね。
 リミスリでも、「こんな屋上にベッド置いてあっても、雨降ったらどうすんの?」っていうセットで夢のようなイチャイチャパーリーシーンが印象的っていうか「だから、この空間での出来事は全部妄想」って感じだったのですが、「チワワちゃん」でも、大金を手にした若者グループがレジャーホテル貸切状態でパーリーする様子は秀逸でした。

 そして、観ていてちょっと真顔になったんだけど、あたし、こんなじゃなかったけど、ちょっと、こんなだった世界にいたことあるよ。
 クラブで会った、友達の友達と仲良くなって家に泊めたりしたけど、本名知らないとか、そういうのよくあったよ。
 そして、パートナーチェンジも頻繁に起こったので、誰々の彼氏は誰々の元カレで・・・とか、そういうのもほんとうによくあった。

 この映画というか、原作読んでないけど、たぶんそういう原作なんじゃないか?
 クラブで出会った人気者の子が、ほんとうはどういう子だか、誰もよくわかってない的な?

 映像的には、パリピ描写は素晴らしくて「やっぱこの監督才能あるな」って思ったけど、文芸部分がなあ。フツーに考えると「あんな人気者が、実はあんなことやそんなことまでやってなの?」っていうところがキモになると思うのだが、前半ですでにチワワちゃんは彼氏役の成田凌と絡みまくっていたので「性的にだらしない子」という印象だったので、後半で「実はこんなだったんです」ってやっても「前半からそんなだったです」としか言いようがない。

 で、成田凌の方が浮気してチワワちゃんを捨てたと思いきや、チワワちゃんの方が有名カメラマンである浅野忠信とデキちゃったから成田凌を捨てた、って「驚愕の真実が!」的に言われても、「へー」って感じだったのが、もったいなかった。

 だから「関わった人それぞれのチワワちゃんがいた」っていうのが全然描写されてなかったんですよ。

 そこ外しちゃだめだろうと思ったのですが、まだ若い二宮監督にそれを求めるのは酷だし、そもそも50歳の行定監督でも全然なってなかったので・・・

 結論として、「岡崎京子原作は難しい」

 岡崎京子ファンじゃないけど、岡崎京子作品って、けっこう当時の映像作品に影響受けたのが多いと思うんですよ、「リバーズ・エッジ」とか、ほんとそうだったし。
 だから、そもそもの原作が「二次創作」であるって認識しないといけないと思うのですが、今のところ、そこをちゃんとわかった上での映像化されてないのかも。
 って、「チワワちゃん」に関しては原作の記憶が無いのでよくわからないけど、映画で溜まり場になっていたクラブが「セジウィック」って名前だったし、それがなくても、このチワワちゃんという子がイーディー・セジウィックをモデルにした作品だということがわかるので、そのテイスト入れてほしかったんだけど、それを20代の監督に求める方が無理か・・・・つーか、10代の客も多かったので、そんなテイスト入っていても観客には無意味か・・・

 と、不満を述べてしまったが、成田凌の「ゲス」っぷりは超よかったですよ。

 つーか、この映画R15らしいが、後半で成田凌が門脇麦を押し倒すシーンはR18級の凄まじさがあった。
 新井浩文事件を思い出してしまったよ。
 モテる男が「やっちまえばこっちのもんだろ」的に強引に性行為に及ぶ恐ろしさと悲しさをもの凄くリアルに・・・いや、私、女性だからよくわからないけど、ネクタイ使って何やったの?(画面に手元は映らないので、具体的に何をどうしたのかはわからないのだが、一回挿入したけど、相手が絶望の表情をしているのに気がついて、体を離してみたものの、それでは終われないから自慰しはじめて、でもまだ諦められずに彼女を濡らそうとするのだが、全然反応せず・・・たぶん、ネクタイに放出したとかそういう流れ?)

 そして、やっと泣き始めて、元カノのチワワちゃんの死に「だから別にどうでもいい」という態度だったのが鎧であったことがわかるのだが、同情の余地が一片も無いという残酷なシーンであった。

 リミスリでも、枕営業シーンは非情すぎて震えたが、この映画も売れっ子の門脇麦と成田凌になんてエゲつねーことやらせてるんだ?
 って、そこを「面白い」とは思わなかったが、ああいうシーンを撮影できる心の闇ってどんだけよ?と感心せざるをえない。あれに比べたら「娼年」のR18シーンは実に微笑ましかった。

 あと、「成田凌も痩せすぎだから、安易に脱がせるべからず」と思いました。
 まあ、岡崎京子的世界観にはマッチしていたとは思うけど。

 この監督、映像センスはけっこういいと思うんだけど(上から目線)、絵のほうに集中してしまうので、もう少し脚本がしっかりした映画・・・・てゆーか、時間感覚がもっとわかりやすい話にしたほうが、映像美に集中できるんじゃないかなあ?観る人が。
 リミスリにしてもチワワちゃんにしても、時間軸がバラバラすぎるので、どうしてもそっちに気が向いてしまい、ちょっともったいない気がするのだが、まあ、そこが魅力っちゃ魅力なんだろうけど。

 あと、浅野忠信はほんとうに「さすが」としか言いようがありませんでした。

 そして輝くばかりにキモい浅野忠信をうっとりと眺めながら、「この役は新井浩文だったら、もっとキモ怖かっただろう」って思って、なんか泣きそうになったしまった。

 この先「この役が新井浩文だったら」って何度も何度も何度もきっと思うんだろうなあ。


2月10日(日)

●映画「刀剣乱舞」3回目

 明日の11日に全国で応援上映が開催されるのですが、応援の是非はともかく(未経験)、ここぞとばかりに大劇場が投下されているので「いいなあ、大きい画面でまた観たいなあ」って思ったのですが、出勤日なので参加は難しい。

 そしたら、池袋HUMAXでは13時と19時の回だけ大きい劇場で上映することに気がつき、もう8割くらい席が埋まっていたので、昨日ネットで席とってまた行っちゃいました。

 行ってよかった。
 ほぼ満席だったのですが、周囲の若い女性がガチ勢だったので、予告編というか、この映画の監督が「映画泥棒」の監督なので、そのコラボ映像(刀剣男子が「上映中はお静かに」とか言う)が流れて、鶯丸がお茶をすすっているだけで場内が笑いで溢れるし、山姥さんが出てくると隣の女子は「はーー、やっぱ、かわいい」と唸ってるし、おや、こういうノリだったらやっぱ応援上映に行ってみたかったかも。

 終映後にみんな一斉に感想を喋り始めて「やっぱ、かっこいい、超かっこいい、あと2回は見る!」とか「最後にその他の刀剣男士が出てきたけど、レアが多くて、あの審神者けっこう強いな」とか、いろいろ話しが聞こえて本当に楽しかったです。

 さて、自分メモですが「池袋HUMAXのシアター1は座席ピッチが狭くて、中の方の席に入るのが超大変」
 最近のシネコンは座席がゆったりしているに慣れてしまっているから、あれには驚いた。
 上映前でも「すいません、ありがとうございます」って前を通るのが大ごとだったので、もし途中でトイレに行きたくなったらほんと申し訳ないことになるので、今後、あの映画館に行くことがあって、2時間超えの映画だったりしたら通路側にしたほうがいい。

 でも、音響は今までで一番良かった。
 前の方(4列目)だったから、よけいに音が響いたのかもしれないけど。

 そして、4列目(D列)でも見上げる感じではなかったので、あのくらい前の方が迫力あって良かったかも。
 もう、すっかり展開わかっているから、やっと噂の「薬研の太ももに虫刺され跡がある」っていうのも確認できました(笑)
 確かにあれは前の方の席じゃないと見えないね。

 男子があんな短い短パン履いてるの初めて観たけど、あれで滑稽になってないってすごいね。

 そうそう、話戻るけど、この映画は時々きちんと笑いどころを作っているのが好感が持てるのだが、初回や2回目ではあんまり皆笑ってくれてなくて寂しかったんだけど、ガチ勢が多い満席の日曜日回だったので、私が声出して笑いたいところで、みんなドっと笑ってくれたので、嬉しかったのでした。
 長谷部の失言を日本丸が「おい!」って漫才みたいに手で突っ込むところなんて、ちゃんと笑ってあげないとね?

 「カメラを止めるな」が楽しかったのは、映画の出来も素晴らしかったけど、なによりも、客席がドッカンドッカン笑うことでした。
 私はレイトショーで映画を観に行くことが多いから「あれ?声出して笑ってるの私だけ?」なこと多くて、いつも寂しい思いをしているから、今日の「刀剣乱舞」は混んでて大変だったけど、お客さんの熱狂ぶりが伝わってきて、ほんと楽しかった。

 そして、この環境でこの映画見られて、やっと満足したかな。
 「シン・ゴジラ」の時も、二度目はわりと小さい劇場で見たから「なんかやっぱ迫力がイマイチだった。もっと大きいところで観たい」と思って、3回目は立川の字幕上映に行ったら大画面で満席状態だったから客席も非常にホットで、あれでやっと満足したっけ。

 で、「シン・ゴジラ」も何度見ても楽しいが(二度地上波放映したが、二度ともリアルタイムで見た)、この「刀剣乱舞」も非常によく出来たファンタジー時代劇で、つーか、信長と秀吉役を誰もが知っている人気俳優にしているところが「本気」だし、だから「時代劇」としては本当にちゃんとしているのです。

 去年、NHKのコント番組「LIFE」が忍者モノ時代劇を作っていたが、あれも「LIFEでしょ?コントでしょ?」と思って観たら、堤真一の殺陣が素晴らしくて「NHKの本気を観た」と感心しましたが、時代劇音痴の私を夢中にさせるとは、まだまだ時代劇には可能性あるんじゃないですかね?

2月9日(土)

●映画「刀剣乱舞」2回目

 日曜出勤していたので、木曜日に休みをとり「刀剣乱舞」を観に行こうとしたが、渋谷が満席状態で・・・
 この映画、元々上映館数が少なく、メジャーな作品って200から300館くらいで上映されるんだけど、刀剣乱舞は111館スタートだったんですよ。
 それがどういうことかと言うと、ほぼTOHOシネマズでの上映なので、私の行きつけの二子玉川109では上映してないのです。
 そして、渋谷や新宿もそれぞれTOHO一館づつなので、客が集中してすぐ満席に近くなってしまうのです。
 さらに、2月7日で一部の映画館で上演終了予定だったので、リピートする人たちが集まってしまった。どうやら「終了阻止するために、客席を埋めるのだ!」って刀剣女子さんたちっていうか、審神者?さんたちが荒ぶっているようなのです。

 そういう活動を眺めるの初めてだったので「おー、オタクつえええ」って感心しましたが、映画館側も上映終了予定だったけど、なんとかネジこんで上映してくる感じが面白いね。
 6日の水曜日は映画館側もけっこう自由が効いたので、レディースデーで押し寄せる審神者を収容するために、一番大きい劇場用意していたりしました。

 って、そういう状況を「へえーーーー」って楽しく観察していたのだが、いざ自分が観に行こうとすると「席がとれない」ってことになっていて困ったのだが、都心はそういう状況だったけど、郊外はそうでもなかったので、府中まで行ってしまったよ。

 それでも、割引デーではない平日の府中の15時の回で、わりと大きい劇場だったのに、けっこう客が入っていたので、「ほんと、審神者さんたちスゲーな」って思った。

 そんで、2回目の感想ですが、初回の時はそもそも、三日月宗近が国宝であることも知らずに観てましたから、信長と秀吉のキャラ設定以外は全く白紙状態だったのですが、それでも十分楽しかったけど、大まかなキャラ設定をふまえて二度目観たら、より楽しめました。

 初回と2回目の一番の違いは、初回は三日月の設定もわからないし、演じてる鈴木拡樹も初見だったので、あまりにも馴染みの無いものに接すると、「自分の中で知っているもの」に寄せようとするんですかね?
 なので、初回は三日月のビジュアルが「福士誠治に似てる」と思ったし、声は「野村萬斎みたい」と思ったのです。

 平安時代の刀を表現するために、能や狂言の喋りっぽくしたのかなあ、と思っていたのですが、どうやら原作であるゲームの方の声優さんに寄せていたみたい。
 そして、二度目になると、目が慣れてきたので・・・あと、ユーチューブで鈴木拡樹の研究をちょびっとだけしたので(こういう時だけ勉強熱心)初見では圧倒されてしまった三日月の美しさだったけど、「冷静になってよく見ると、それほどイケメンじゃねーし」っていう余裕が生まれました。

 そうなると「美しく見せるための演技」とか撮影技術に目が行くし、衣装や髪型などを主に観察していたのですが、見れば見るほど作り込んであって最高だった。
 三日月の髪型が、頭頂部にツンツンって、えーと文章で表現するとピョンピョンってカモメのマークみたいなのがあるんですけど、漫画キャラだとよくああいう描写あるけど、あれを実写でやるの大変だと思いました。
 監督のインタビュー読んだら「ワンカットづつヘアメイクさんが入って大女優並みだった」って言ってましたけど、そういうとこが非常に凝っているので「こりゃ、何度もリピートしたくなるよなあ」って。

2月6日(水)

●映画「刀剣乱舞」をもう一回観に行く気満々

 軽い気持ちで観に行ったら「三日月宗近っていう刀はどこ所蔵なんだ?」って真っ先にググってしまい、刀剣女子に片足突っ込んでいる今日この頃です。
 丁度、関東ローカルニュースで、水戸だかその辺で「ふるさと納税の返礼品が、刀剣乱舞に出てくる刀に触れられる権利」を10万円先着20名で応募したら、すぐに20名集まったっていうのやっていたが「そりゃ、推しの握手会をふるさと納税なら行くわ」と超納得した。

 しかし、東博はこの映画の公開に合わせて、三日月を展示しないなんて!
 まあ、調べたら、去年くらいに展示して、けっこう騒ぎになっていたらしいので(京都の凱旋もしたらしい)、しばらくやりたくないのかもしれないが(笑)

 で、私がどんだけハマっているかというと、「もし、今後子供を産むとして、それが男子だったら、宗近って名前にしてしまう」だろう、くらいです。
 もしくは映画で三日月宗近を演じた鈴木拡樹から「拡樹」にしちゃうかも。

 でも、雑誌AERAの表紙がその鈴木拡樹だったので、さっそく買いましたが「あ、こいつじゃねーな」って思った。こういう感覚になったのは「小野政次」以来かな。脱ぎ捨てられた小野政次の着ぐるみ抱いてオンオン泣いてたもんな。

 で、この映画の三日月、ほんと素晴らしいんですよ。
 あんなに輝くように美しいのに、1000歳くらいだから、自分のこと「じじい」呼ばわりするの超たまらん。
 そして、雛人形が武装しているような、あの衣装が素敵すぎて、「もう、次の大河ドラマは、三日月が主人公でいいんじゃね?」って本気で思った。(ハセヒロ主演の明智光秀の次って意味です)

 そして、こんな気持ちになるのも珍しいが「三日月のあの衣装が着たい」って思ったんですよ。
 青い髪に青いコンタクトレンズつけて、あの衣装着て、しずしずと歩いて毎日出勤したい。
 「ババアなので、小さい字はよく読めません」って、あの扮装で言いたい。

 目が悪いのは10代の頃からなので、ある程度慣れてるつもりですが、最近悩ましいのは「もしかして、耳もかなり悪くなってる?」ってことです。
 文字はね、例えば雑誌読んでて、写真と重なる文字が全然読めなかったりすると「あー、目が悪いから」ってわかるのですが、音って何が標準なのかよくわからないんですよね。

 10年前くらいからかな?実家でテレビつけると、音量がすごく大きくてびっくりしていたんだけど、うちの親は、あんな大音量でテレビを観ない人達だったので「そっか、耳が遠くなってるんだ」って思ったけど、自分ちのテレビの音量も、昔は「通常だと5で、集中して観たいドラマとか映画だと7くらい」だったのが、今だと10くらいにしないと迫力を感じないようになってしまった。

 そして、仕事上困るのか、前から思っていた「なぜ、日本人は大事な話ほどコソコソ言うのだろう?」問題。
 いや、きちんと発声してくれる人の方が多いのだが、一部にいるんですよ、雑談の時はくっきりはっきり喋るのに、大事な用件というか「それ、すごく真っ当な仕事の話なんだから、そこちゃんと発声しろよ」と思うのに、なんかコソっと囁く人。
 あれ、なんでそうなってるのか全く理解不能なのだが、さっきまで「もー、寒くてやんなっちゃいますよねー」ってフツーに話していたのに、「すいませんが、この契約書に捺印していただけませんか?」っていうのを何で小声でしかも早口で言うの?

 そりゃ、なんかそっちがポカしてて・・・・例えば届いていた請求書を寝かしてしまい、「先方から支払い確認の電話があったので、申し訳ないけど、すぐ支払ってほしい」とかだったら、自分のミスを隠すために小声になるのわかるのだが、そういうんじゃなくて、とてもフツーで正当な処理を依頼する時に小声で言われると、こっちはジジイだからよく聞こえないので「え?」とか言っちゃうと、相手よけい怯える悪循環になってしまい、「あ、すいません、お忙しいところ、ほんと」とかアワアワしてるけど、そうじゃないんだよ。

 お忙しいんだから、用件ははっきりくっきり言ってくれって。

 あ、三日月宗近の話を書いていたのに、年寄り話になってしまった(笑)

 ほんと、あの衣装着たいよぉ。
 もし、私が今、幼稚園児で、あの三日月と出会っていたら「七五三の着物は絶対あれ!」ってダダこねていたでしょう。
 あの胸にぶら下がってる、「何か」(名称あるんだろうけど知らん。兜の一部みたいだから、防御目的なんだよね?)が超かわいいんだよな。
 そして髪飾りというか、紐がカチューシャみたいになってるところとか、ほんと可愛くて可愛くて、こんなに「かわいい」しか言葉が出ないのも珍しい。

2月4日(月)

 仕事が忙しくて間が空いたが、新井浩文ショックから全然立ち直れてない。
 「真田丸」も「モンテ・クリスト伯」も動画配信停止とか影響が大きすぎる。
 こうなるとレンタルビデオ屋って大事だね。
 でもモンクリはまだDVD化されてないよね?DVD化されてレンタルされたらまたゆっくり観たかったのにぃぃ。
 あれはほんとうに「最高レベルのディーン様」が堪能できるし、脚本演出もほんと素晴らしかったのに、本当に残念だ。
 そういや、コンフィデンスアワードで岡田将生が「昭和元禄落語心中」で主演男優賞を受賞していて、「カルテット」以来の「さすがわ、コンフィデンスアワード!」でありました。主演女優賞は金曜日の同時刻の「大恋愛」の戸田恵梨香だったから「金10被り問題」が露骨に出ましたよね(笑)

 ところで、新井ぱいせん問題ですが、被害者が「出張マッサージ」ということで、デリヘルの婉曲表現だと思っていたのですが、続報を眺めると「性的サービス店じゃない」っぽくて、ちゃんとしたマッサージ業者さんが「こっちまで誤解される」と抵抗してましたが、でも「ちゃんとしたところ」は、深夜に女性を派遣したりしないだろうからなあ?
 ただ、被害者は容疑者を俳優だと知らなかったらしく、本当にそうだとしたら、あの怖い顔に迫られたら「殺される!」って怯えて抵抗できなかった可能性もある。
 三茶の高級マンションに派遣されて行ったら、新井ぱいせんが一人で待ち構えていたら「この人、ぜったいにカタギじゃない」って思うよね。

 一瞬だけ「なんで示談でまとまらなかったのか?」って思ったけど、そういう問題ではなかったのは、なんとなくわかるような気がするので、最悪の結果になったわけだけど、事件の真相については私がどうのこうの想像するような話でもないが、それにつけても私が被る被害が大きすぎて「賠償金が発生するのなら、私も少し負担しますから、地上波放送はダメだとしても、未公開映画とか、観たい人だけ金払って観るものだから・・・こっそりと上映してほしい」って思う。
 売り上げの一部を被害者への賠償金に充てるから、とか、なんかそういう方法ないんですかね?

 まあそういう制度作ってしまうと「ハニートラップ勝ち」みたいなことになるんだろうけど。

 さて、ですから1日の夕方に「新井浩文ショック」に接して「気分を変えるために、キムタクにやつあたりだ!」って意気込んで観た「マスカレード・ホテル」でしたが、やつ当たりするほどの手応えはなかった。
 でも、やっぱし悪口も書いておく。

 豪華キャスト大量投入が「昔のお正月の隠し芸大会みたい」と思ったけど、そういう雰囲気は楽しめた。全部のせ的な。
 でも、ホテルの総支配人が石橋凌で、その下が鶴見辰吾とか、警察の現場トップが渡部篤郎でその下が篠井英介って、どっちも記号的にしか出てこないんだけど「この記号、正月娯楽作のキャストじゃないでしょ?」って思った。すごいワケアリ感満載で、そっち方面でドンデン返しするのかと思って身構えたよ。思うツボだったのかもしれないけ。でも、客席眺めると「老若男女全ての世代にヒットする話題作」って感じだったけど、なんかこう「ああ、楽しかった」って感じが無かったんですよね。

 原作読んでないからわからないけど、前半は「自分の勘を信じる刑事とお客様を信じるホテルマンの対立」をもっとギャグっぽく描いてもよかったのかと。
 実際、割引デーだったから、8割くらい埋まってる客席は前半は笑いが出ていたけど、中盤から全然笑いが出てなかったんだもん。

 後半の「真犯人」の登場で空気がガラっと変わったほうが面白かったような?

 その要因として、前半の「ワガママな客たち」のワガママが、けっこう深刻というか「こんなクレーマーみたいなのにちゃんと向かい合うなよ」って感じだったが、「そういうのにきちんと対処してこそ真のホテルマン」的なノリのあまり共感できなかった。

 原作も映画も描きたかったのはそこじゃなかったのかなあ?
 「連続殺人犯が暗号でこのホテルが次の現場と予告している」っていう無理無理な設定にしたのは、「ホテルマンに扮した潜入捜査官と、それを指導するホテルマンとのあれこれ」をやりたかったのでは?
 なので、「キムタクと客」のエピソードを一つでも削って、ベルボーイに扮している泉澤くんの「ヒヤヒヤベルボーイ生活」のエピを入れてほしかった。

 いや、私が泉澤祐希を評価しすぎているので、つい期待してしまっただけですが。
 それを言うなら、さっきも書いたけど、警察のトップ(この現場の)に渡部篤郎が配置されていたら、「こいつがなんか怪しい」って思うのがフツーじゃないですか(笑)、しかもホテルの支配人は石橋凌ですよ、絶対に渡部篤郎と石橋凌は裏でなんかやってますよ。

 しかし、どうやらそういう話じゃないらしく、しかもキムタク刑事の見せ場もあるのか無いのかよーわからんなーと思っていたら、セリフで「あいつ、なんか手助けしたくなる魅力があるんだよなあ」って小日向さんに言われても・・・・「キャラが魅力的かどうかはこっちが決めることだ」としか・・・・

 そう、この映画、2時間超えてるのはわかっていたけど、観ている途中で「このシーンは切れば良かったのに」ってシーンが多かったんだよね。
 で、「キムタクさんがやってるんだから、魅力的な人物に決まってるだろう」の法則で、「何がどう魅力的か?」って描写するの避けちゃんだよね、これは私がずっと抱えている「坂本龍馬問題」にも似ている。

 「真犯人はあの人だったのかあ」っていう展開はそれなりに楽しかったけど、終映後、「けっきょく、あの犯人は何をやりたかったわけ?」って反省会開いてる人多かったので、あの設定けっこう無理があったよね。
 そりゃ「キムタク主演映画」で「真犯人役はあの女優さん」ってことで出落ち感は満たされたけど、後でよく考えてんみると「なんの話だったっけ?」って。

 でも、ディティールは破綻してるんだけど、オールスターキャスト感は満喫できるので悪くは無いけど、良くもないというあたりが・・・

 終映後の客席の「これ、面白かったの・・・か?」っていう空気感が一番面白かった。

 なによりも、一番最悪だったのは、事件解決した後の余計な時間。
 フツーだったら、キムタクと長澤まさみがそのあと付き合っちゃうかも、って余韻残して終わりだと思うのだが、「じゃあ、反省会やりまーす」って、会食会開くところまでやるのよ。

 「この後日談、ほんと超余計なんでけど?」って思ったし、あそこカットすれば2時間で収まったのでは?

 私の隣に座っていた30代夫婦の奥さんは、本当に後半退屈していたらしく、腰のストレッチしてましたからね。

 まあでも、しばらくしたら「豪華キャストの大ヒット映画」として地上波放送するんだろうけど、興行成績も順調なので「こういうのがヒットしていると個人的に辛い」って思うんだけど、一部だけ「いいこと」もありました。

 勝地涼の使用法が最高。
 前田敦子がけっこう重要な役で出てくるのだが、そこに絡む勝地涼が最低で「これ、二人が結婚発表してから撮影したの?」って戸惑った。
 婚姻発表は去年の7月なので、スケジュール的には微妙だが、勝地涼と前田敦子の盛大な無駄使い感は嫌いではなかった。捨てエピで、この贅沢。

 さらに、この映画の最大にして唯一の「観てよかった」は、終盤の「大事だけど一瞬の役」で我が水間ロンくんが出ていたことだ。

 ネタバレ圏内なので、ツイッターで検索しても「水間ロンが出てる!」って呟いてる人を3人くらいしか発見できなかったのだが、今後、水間ロン氏がちょっとブレイクしたら「嘘を愛する女」に続く「ワンショットの超重要な役」になるので、「ホホホホ、わたくしは、あの頃から水間ロンくんに注目していたのよ?」と自慢するつもりなので、日記に書き残しておきます。

 でも、お願いですから、もっと長く出演できる役ゲットしてください。次はジャニーズ玉森くん主演映画なのは抑えてますが、10秒以上出るかなあ(自虐笑)


2月1日(金)

 「嵐」の解散報道には「ふーん?」って感じだった。

 それよりも、少し前に嵐のものすっごく動員するドームツアーが発表されていたので、一部ファンは「これは解散の前触れでは?」とザワザワしていたけど、「ふーん?やっぱしそうなんだ」って思った程度。
 つーか、わたくし、嵐のリーダーが誰かもつい最近まで知らなかったので。
 なんかの雑談で「ジャニーズには意外と疎くて、メンバーの名前がすらすら言えるのは嵐までかなあ?って、あれ?そういやTOKIOのリーダーは城島くんだけど、嵐ってリーダーいるの?」って呟いたら、「大野くん!」って周囲が即答したので「あ、すいません」と恐縮した記憶がある。

 解散会見の内容を見たら、その大野くんの休養宣言なのね。
 それが、SMAPの悲劇を踏まえて、ソフトランディングさせたようだが、それにしても「2年後」って、皇室には基本的人権が無いようだが、ジャニーズにも労働基準法が適用されないのね。労働者じゃないからいいのか。

 そりゃ嵐のコンサートに行くようなファンにとっては大事件だろうけど、そうじゃない私からすれば、個々の活動は今まで通りだろうし、将来的に活動再開の可能性が全くないわけでもないので、けっこういいソフトランディングだと思った。SMAPが一部が事務所脱退したり、TOKIOが不祥事でメンバーを失ったりしたことと比べれば「全然まし」なわけだし。

 ほんと、一番怖いのが不祥事で一発退場だよ。
 と、小出恵介の時に思った。

 タレントを「三次元に存在する生身の人間であるが、こっちとしてはテレビや映画でしか見ることのない二次元的存在」として捉えると、不祥事で消えるのって、死亡したのと同じことで、だとしたら「死んだ方がマシじゃん?」って本気で思う。
 樹木希林とか市原悦子の場合は追悼特集バンバン組まれて、かえって露出が増えたくらいだから。
 そして、不祥事退場の場合は、ワイドショーでは話題になるけど、未公開の出演作がお蔵入りになったりするから。

 というわけで、私はずっと「推しの不祥事怖い」と密かに怯えていたのですが、今日の午後は外出して書類の受け渡しの仕事していて、夕方それが終了して電車の中でスマホ開いたら・・・・「新井浩文が性的暴行容疑????」

 新井浩文推しというわけでもないけど、かなり好きな俳優で、「朝ドラの父親役に滝藤賢一がなったのなら、そのうち新井浩文の朝ドラの父親役もきっと来る」と確信していたくらい好きなのに・・・
 去年、「あさイチ」に出た時も「きゃー、新井ぱいせんが、朝の生放送なんて!!!」って感激していたのに、性犯罪容疑なんて、だから死刑に等しいじゃん。

 まじ、頭真っ白になりましたが、よくよく記事を眺めると、去年の7月の事件らしいし、相手はいわゆる「デリヘル嬢」らしく、「あー、デリヘルに本番強要したってやつか」って想像がついたけど、それが表沙汰になったってことは示談では済まない事態というか、悪質と警察が判断したのかもしれないし、有名芸能人だからスケープゴードになったのかもしれないけど、新井ぱいせんは、見た目は「そういう感じ」だけど、中身がけっこうゆるキャラなのが売りだったのに、こんな「見た目」とリンクした不祥事とは・・・

 事件の詳細はよくわからないけど、「新井ぱいせんを失うんだ」というのは確実だと思われ。

 悲しい・・・
 ほんと悲しい。

 このまま帰宅しても、ヤケ酒飲むだけだなあ・・・と思って、ふと、当初は「刀剣乱舞」をリピートしようとしていたが、時間が合わなかったのと、映画刀剣乱舞は2月第1週で上映が終わる予定になっているところをファンが抵抗しているので、都心の映画館は軒並み満席状態になっていたんですが、(今日は映画の日だし)、ふと「じゃあ、マスカレードホテル見ちゃう?」って思いついて「面白くなかったら、新井ぱいせんが逮捕されたストレスをぶつけまくるし、面白かったらそれはそれで最高だ」と観にいってしまいました。

●映画「マスカレード・ホテル」

 そういうメンタルで観たので、それほど悪くはなかった。

 つーか豪華キャストがこれでもかこれでもかと大量投入されるので警戒していた「キムタクがどうのこうの」っていう映画でもなかった。
 最大の謎は「なんで、この映画はこんなに客が入ってるの?」ってことだ。
 予告編ではちっとも面白そうじゃなかったんだけどなあ?
 そして、口コミで広まるとか、リピーター続出という映画でもなかったので、なんで安定的にヒットしているのかが最大の謎。

 「悪くはない」と思ったのは、「無骨な刑事が潜入捜査でホテルのフロントマンになる」て設定が意外と面白かったこと。
 原作ありきなのでしょーがないけど、キムタク以外の刑事もベルボーイなどに扮しているのだから、そっち膨らませたほうが面白かったのでは?せっかく泉澤祐希をベルボーイで潜入している刑事にしているのに、エピドード的な展開がほとんどないのがもったいなかった。


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