可燃物な日々

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4月15日(金)

 昨日はまた、コードネーム「2階の中華屋」(同様に「地下の中華屋」というのもある)で飲んでいたのだが、どういう話の流れだったのか忘れたけど、社長が「最近は、クリスマスケーキとか大晦日って言うんだってな。知ってたか?」と言い出した。

 私は「えーーー、それは私の時代の話ですよ。今はもう、そんな言い方しませんよ。かろうじて、『大晦日』が通用するくらいじゃないですか?」と敏感に反応したのだが、30歳くらいの女子社員は「え?なんの話?」とホントに知らないようだった。

 たしかに、「適齢期」って変わったよなあ。
 今の会社でも、25歳くらいで寿退職する子はほとんどいない。私が入社したころは、まだ25〜6歳だった女の子たちが、30歳になってもゴロゴロ残っている。

 自分が大学を出て(私は出てないけど、年齢的に)、就職したころ、27歳くらいの先輩女子社員と喋っていたら、そんな話題になり、先輩が「24歳くらいに最初の山が来る、そんでまた26か27くらいで第ニ波がくるよ〜」と言っていたので「ふーん、そんなもんか」と聞き流していたのだが、ほんとに、24歳くらいで結婚した友達が多かった。
 中学の部活の友人は、ほとんどが短大に進学していたので、就職したときに20歳で、2、3年で結婚退職していたのであった。
 その後やはり、大卒の友人たちが27歳くらいで続々と結婚していたような気がする。

 今だと、せいぜい「30歳になる前に」ってくらいなもんじゃないでしょうか?うちの弟の嫁もそう思ったらしく、30歳の誕生日ギリギリに挙式して、弟が「29歳のうちにやりたいっていうから・・・・」と言ったので、姉は「おお、なんてまともな神経の持ち主なんだ。よかったなあ、いい嫁さん見つけて」と心から喜んだのであった。
 さて、そんな「死語?」ってかんじの「クリスマスケーキ」と「大晦日」であるが、バブルの時代に「クリスマスケーキ」っていう言い方が流行り(24日だとたくさん売れるが、25日ではあんまし売れないし、26日になると誰も見向きもしないし、もう腐っているかもしれない)それからしばらくして「大晦日」とか「除夜の鐘が鳴ってるよ?」なんて言い方が出てきたのだと思う。

 そして私は、「そんなの、とっくの昔に過ぎ去って、もはやカレンダーで私の年を換算するのが不可能に・・・・」とブツブツ言っていたが、ふと、気がついた。

 もしかして、大晦日の次は四十九日?

 うーん、「納骨」かあ。
 なんか、40くらいで、いいのありませんかね?
 銀婚式と金婚式の間だって25年間もあるのに、けっこう間は刻まれているじゃあないですか。冷蔵庫婚式みたいなのもあったな。・・・・・(自信がなくなったので調べてみました)・・・・・・電気器具婚式でした。


 そういえば、最近やっと「芸能ニュースがトップに出てきた」と喜んでいたワイド・ショーですが、中国の反日運動にモー娘のリーダー電撃脱退も太刀打ちできない状態。
 でも、数日前「中国とツートップ」を張っていたのは、奈良のあたりの「24時間騒音オバサン逮捕」でした。
 すごいね、あれは。
 いちおう「主婦」という肩書きらしいが、家族はどうしているのだろうか?
 もう、「オバサン」というよりは、顔に傷のある怖いオジサンよりも怖い。その筋の人は、思わずスカウトしたくなっているかもしれない。あの勢いで「誰のおかげで商売できてんのじゃ、どりゃー」とかお店にやってこられたら、おとなしく、ショバ代だかミカジメ料払うよ。

 あのオバサンの「本物ぶり」を見た後では、日本大使館に投石してる光景なんて「ああ、阪神が優勝したり、サッカーW杯のときの道頓堀と同じねえ」と微笑ましく思えてしまいました。

4月13日(水)

 また日記が飛んだ。
 でも毎日書かないという規則があるわけじゃないのだが、10年後に自分で読み返したときに「この空白の期間は何をしていたのだろう?」と考えるのも未来の自分の時間の無駄なので、現在の自分の時間を無駄にして記録しておく。複利で返してね。

 日曜日は、早い時間からビール飲んでできあがっていたのだが、そろそろ寝ようと思っていたら電話があり、酔っ払っていたのでついうっかり12時過ぎまで長電話してしまった。
 電話しながら、さらに飲んでいたので、月曜日は土日の手伝いの疲労と二日酔いでボロボロ。
 おかげで、家に帰るとシャワー浴びてから髪の毛も乾かないまま寝てしまった。

 今思えば、月曜日に休んでおけばよかったのだが、月曜日にほとんど仕事ができない状態だったので、なし崩し的に火曜日にやっつけることになり、火曜日も休めず。
 そんで、火曜日は仕事が終ったら、「お手伝いチーム」の軽い打ち上げになり、また酔っ払って帰宅。疲れてたので、あんまし飲めなかったのが幸い。

 さて、水曜日の今日になって、ハタと「そーいや、先週は水曜日が休みだった」と気がつく。
 今日で連続7日間出勤になってしまった。
 おまけに、木・金も休めないので、久々の連続9日間出勤だ。
 お父さん、お母さん、私が過労死しても会社を訴えないでください。私の計画ミスによる自己責任です。

 曜日感覚が狂っているけど、今日が水曜日だと気がついたし、それに、先日の成田空港では、アンディ・ラウとキアヌ・リーブスが10分差のニアミスという椿事が起こっていたくらいで、今週末から、新作映画(現地ではすでに旧作だろうが)が次々と公開されるのだ。トニー・レオンもまた地味に来日してたな。
 キアヌは今回、かつて見たほどがないほど機嫌がよかったようである。

 というわけで「じゃあ、そろそろ終ってしまいそうな映画観なきゃ」と水曜女性1000円デーを利用して「ブリジット・ジョーンズの日記2」を観てきました。
 あんまし評判がよろしくなかったので、「1000円ならいいだろう」という、いつものように堅実な計画。
 でも、劇場がガラ空きだと寂しいなあと思ったのだが、さすがレディース・ディ、シネコンでも小さい劇場だったのだが、20人くらい客が入っていた。

●ブリジット・ジョーンズの日記 2

 だいたい「2」がつく映画は2割引き以下なのが相場であるが、そう腹をくくって観れば、まあまあ楽しめた。(1000円だし)
 だいたい、前作でも、映画の出来がどうのこうのよりも「アナザー・カントリー」のジャド役と、「モーリス」のクライブ役がブスい女を奪い合うという、「英国美青年映画マニア」の心を踏みつけて、ってゆーか、原子レベルにまで分解するような、凄いキャスティングであることに心奪われ、「ブリジットに共感しちゃいました」という次元の話ではなかった。

 なので、今回も、レニーの「体を張った役作り」(「シカゴ」と見比べると、この人、このままこれを繰り返していると絶対に長生きしないと心配になる)には感心したものの、ブリジットはただの「ドジで間抜け」にしか思えない。アリーと似たところがあるよね。思ったことを全部口に出しちゃうあたり。あと、ちょっと神経症っていうか、思い込みが激しくて、それで周囲を振り回すが、なぜか人気モノってあたりがムカつく。

 前作でくっついたジャド(ええと、この映画ではマークって役名だったっけ)とブリジットのその直後から婚約までのドタバタ劇なのであるが、なんで別れるのか、さっぱり感情移入できないので、「こういうのは、吉本新喜劇のお約束みたいなもんだと思わないと」と自分に言い聞かせる。

   ブリジットがム所に入れられたら「あ、そうか、それで人権派弁護士が活躍すんのか」と、まあダメはダメなりにっていうか、やっぱり英国ラブコメは腐ってもタイ(笑。観た人にしかわかりません)なわけね、と、少しだけ安心した。
 
   まあ、こういう映画こそ、ポップコーン片手に無理してゲラゲラ笑いながら観るべきだと思ったのだが、なんで他の客は全く笑わんのだ?
 
   タイに行く飛行機の中で(あ、観てない人にも先の意味深な駄洒落のネタをバラしてしまいばした)、隣の客は柿食う・・・・じゃなくて、隣の客と同じ本を読んでることに気がつき、「うふふ」と本が画面にちゃんと映ったときに、「がはははは」と声を出して笑っていたのが私一人だけとは、ちょっと寂しい。
   ま、小さい字なんで読めなかったのかもしれない。「The Beach」
 
   そんで、ブリジットが知らずにマッシュルーム・オムレツを食わされ、海辺で一人ラリラリなときにかかる曲は「LOADED」だったんだが、まあ、それは一般市民の皆さんは知らなくてもフツーなので、逆にあれで周囲がウケていたら、私が「ふふ、私ってみんなとちょっと違うの」と独り善がりに優越感を持っているという根底が揺さぶられるのでそれでよい。
   ただ、隣に友達が座っていたら、お互い肘で突付き合うであろうという場面だったので、それがちょっと残念だっただけだ。
 
   「あててる曲がベタなんだ」と気がついたので、その後のラブシーンで、バックに10CCの「I'm not in love」がかかっただけで笑ってしまったのであった。英語の詩を理解するネイティブがこの曲を選ぶのは、ほんとにベタベタの確信犯。(日本だと、「単なる美しいラブソング」として使いがちであるが)
 
   そんで、ヒュー様が、ブリジットに「なんで、私のこと追いまわすのよ!」と言われ、「だって、君ってセクシーだし、それにセックスが誰よりもいいんだもん」なことを言い、それにちょこっとつけたしで「でも、男子校時代の同級生といい勝負かな」と言ったので、一人で大爆笑してしまいましたが、周りはシーンとしてて、さみしかったです。
   あたしなんて、ヒュー・グラントが「ヒューイー・グラント」って名前で出ていて、女にフラれたらあっさり自殺しちゃった弱々しい貴族の坊ちゃんエイドリアン卿って役をやってた映画もビデオで観たんだけどなあ。(でも、その映画の題名なんて忘れたけどさ)
 
   ヒュー様のキャラは、今観ると、「不機嫌なジーン」に出てきた「教授」とほとんど同じなんだね。ブリジット・ジョーンズの日記も、主役が竹内結子だったら、もっと共感できたかもしれない。でも「あたしは、ジャーナリストなの!」と口だけは達者でも、ドイツの場所も知らない「バカ・ギャル」じゃねえ?
 
   原作は読んでないのだが、この映画シリーズがちょっと「?」なのは、同世代の独身女性の共感を呼ぶという触れ込みとは裏腹に、実に性差別的だからかもしれない。女の子は色気があって(たとえ太めでも)、元気でバカなほうがいいって説教されてるようで、ちょっとね。
 
   とにかく、ワタクシ的には、コリン・ファースとヒュー・グラントが、アナログな取っ組み合いのケンカしてるだけで「1000円の元はとったから、ま、いっか」でありましたが、でも、はやりコリン・ファースは「アナザ・カントリー」の続きとしか思えず、あの頃、パブリック・スクールの寮にいながら、共産主義に傾倒してて、後に人民の自由を勝ち取る、革命だか内戦だかで命を落としたジャドの末裔だか、生まれ変わりが、現代に「人権派弁護士」としてよみがえり、恋人のコギャル(33歳)に「うちは5代続けてイートン校だ。だから子供が生まれたら、やっぱしイートン校だ」なんていって、うんざりした顔をされていると、とても複雑な気分になります。
 
   わかってやってください。ほんとに代々イートン校なんです。
   そんで、あそこで寮長になるかどうかで、出世街道が決まるんです。
   実は、「アナザー・カントリー」を観た当時には、そのイートン校での人事がそのまま将来に多大な影響を及ぼすという仕組みがよく理解できなかったのですが、「ハリー・ポッター」を読んだら、かなりその隙間は埋まりました。ハリポタを先に読んだ人は「アナザー・カントリー」にすんなり入り込めると思います。
 
   さて、「BJ日記2」はそれなりに楽しめたのですが、テーマ曲になっている「あのヒット曲」が今だに誰のだかわかってない自分がダメだ。
   エンド・ロール2曲目がジェイミー・カラムだっていうのはわかったんだけどなあ。
 
   最近のアメリカの女性シンガーのヒット曲って、たしか誰かも指摘してたけど、どれも「アラブ世界の歌謡曲」にしか思えないんだよなあ。20年くらい前に「次はアラブがくる!」って言われたときがあるんだけど(あの当時、けっこうエスニックは食い尽くしたきらいがあったが、未開の地として中近東が、通の間・・・・細野晴臣とか・・・・では注目されていた)、そんなにブレイクしなかったのだが、あの予言が10数年後に現実になっているというのも、興味深かったりする。あの当時は中近東歌謡を今みたいに、ダンサブルに料理する技がなかったけど、今だと「こんなにしちゃうんだ」と技術の進歩ってほんとにすごいですね。
4月10日(日)

 桜も今日あたりがピークのようだが、今日は朝から告別式のお手伝い。

 昨日は怒り狂って、家に帰ってから日記に愚痴を書きなぐったが、「こういうものを公開してもいいんだろうか?」とちょっと迷ったというか、フランスで高校生が先生の悪口をブログで書いて退学になってたし、「こりゃ、私も日記が発見されたらクビだな」と思ったので、「いいや、明日、消そう」と思ってアップしないで寝たのである。

 そしたら、なんか今日になったら、カイ少年の目から氷の欠片が落ちたように、T部長の態度が豹変。
 昨日の通夜の後で「受付や会計のことは、みんなTに任す」と陛下やK将軍からお墨付きをいただいたのだろうか?そんで、誰かが「ミヤノさんがかなり慣れてるみたいで、てきぱき指示出してたから、大丈夫なんじゃない?」と背中を押したのだろうか?

 なんだかわからんが、今日はちゃんとテキパキと指示を出してくれて、私が提案していた「このまま午後は名簿入力」っていうのも、向こうから「できたら、今日中にリストができるといいなあ」と言ってきたので、「じゃあ、予定の無い人をかき集めます」と言うと、「社用車が一台キープしてあるから、それで全部持って帰って、人員も載せていっていいから」「わかりました」「それで、預かったお花代もあるから、それもリストにして」「わかりました」「電報もまとめたほうがいいな」「わっかりました」

 なんか釈然としないが、私は「結果オーライ」な人なので、結果的に私が思ったとおりに事が進んだのでいいや。
 それで、告別式が始まる前に総務部の社員たちに「もし、午後が暇なら、出勤扱いにするから、そのまま入力手伝ってくれない?」と言うと、みんな「いいよー」と快諾。5人いれば、ほんとに2時間くらいで終る作業だ。

 さて、告別式のほうが通夜よりも、おっとりと進行するので、受付も会計もゆったりとできた。今日はクララに香典開けの極意(っていうほどのもんでもないけどさ)を伝授した。
 式も順調に進行して、出棺。
 でも、大きな斎場だから、隣でも同時進行しているので(今日も間違ってうちで受付しちゃった人に、すでに開けちゃった香典を戻してあげました)、こちらが出棺の準備を整えている間に、隣でも次々と出棺してて、涙もろい私は出棺風景を見ているだけで、涙が出てきてしまい、花粉症のフリをしていました。

 こんな気候のいいときに葬儀に参列するのもめったになかったのだが(たいてい、寒かったりする)、この時期の葬儀だと、目を真っ赤にしてグスグスと鼻をススっている人が泣いているのか花粉症なのか、見分けがつかないことに気がついたので、それを利用して、無意味に涙が出てくる自分を誤魔化したのである。
 でも、葬儀自体は、亡くなった方が平均寿命を余裕でクリアした大往生だったので、「みんなでワイワイと見送ろう」という雰囲気に包まれており、ご遺族たちも、久々に集合する「遠い親戚」の紹介に明け暮れていた。

 「ええと、この人は、お祖母さんのお姉さんの娘で、だから従姉妹なんだけど、まあ、オバサンだな(笑)。だからこの子たちは・・・・・ええと・・・・まあ、とにかく遠い親戚だ」

 なんて、セリフが葬儀が始まる前の受付付近で交わされていて、受付で背中を向けていた私まで肩で笑ってしまいました。
 私も自分の祖父の葬儀のときには、今まで一度も会ったことがなかった祖父の甥や姪が勢ぞろいして、「東京で大震災に見舞われたら、お世話になるかもしれないから、顔を覚えておこう」と思いましたっけ。
 祖父の家から斎場に向かうときに、祖父宅に寄るはずの親戚が一人来なくて、しょーがないから(私の)弟を残して、母が「ヨっちゃんが来たら、一緒に来てね」と言って弟に留守番させたのだが、そしたらヨっちゃんとやら(母の従兄弟らしい)が斎場に来たのに、弟の姿が見えなかったので「もしかして、Sちゃん(弟)はヨっちゃんの顔を知らないから、まだ待っているのか?」と思って、慌ててケータイに電話したら、もう弟は斎場に着いており、「だって、ヨっちゃん、ヨっちゃんっていうから、来た人に『ヨっちゃんですよね?』ってちゃんと確認したよ」

 そーいや、弟の結婚式に来てくれた父の従姉妹(弟夫妻の縁をとりもってくれたので)も、両親や祖母も彼女をずっと昔から「フミヨちゃん」と呼んでいたので、私もついうっかり「フミヨちゃん」って言いそうになり、でも50代半ばのオバサンに「フミヨちゃん」もねーだろうと自制して「フミヨさん」って言うのだが、ついつい「フミヨちゃん」って言いたくなるんだよね。
 はっきり言って、葬式の席で、久々に集まったイトコたちが、もうオッサン、オバサンっていうか、オジイサン、オバアサンと呼んでもいい人たちが「ヨっちゃん」「マサちゃん」「ミヨちゃん」などと呼び合っているのは、微笑ましかった。

 若い人のお葬式は切ないが、大往生した人のお葬式って、それなりに楽しかったりする。
 そういや、若い人のお葬式も、みんな悲しみに暮れながらも、ついつい同窓会気分になり「あー、○○ちゃん、久しぶり〜〜〜〜」なんて、はしゃいでしまったりしますね。

 話が逸れたが、出棺が済んで葬儀が終了すると、お手伝いや参列者は解散したので、私ら総務チームは桜吹雪の舞う第三京浜を駆け抜け(車酔いする子がいたので、開いた窓から桜の花びらが舞い込んできました)、会社に着くと「あー、腹減った」とお昼ゴハンをかっ込んだら、みんな昨日も手伝い、今日は早起きだったので、くたびれきっており、お腹がふくれたら猛烈な眠気に襲われたのですが、手分けして名簿リストを入力した。

 「株式会社○○ 代表取締役○○○○ってゆーのは法人だから一つのセル内」「うちの社員やグループ会社の社員が会社名を添えている場合は、所属名として別セルに記入」「ご夫妻は一つセル内」「○○一同の場合は、ケース・バイ・ケースだから、その都度私に確認して」と、総務の社員に説明しながら入力して、T部長が後から帰ってきたので「会葬者名簿もデータ化します?」と確認したら「できたら、そのほうがいいんじゃないかな」というので、それもやってもらって3時半くらいには終了した。香典の金額とリストもどんぴしゃで気持ちいい。

 会場で入力するよりも、みんな自分の机で、自分のパソコンでやるほうが早いし(ノートだとテンキーが無いから時間がかかる)、自分で入力してみると「漢数字で住所書くと読みにくいんだなあ」ということがわかり、自分が香典を出すときには、普通のペンで普通に数字を書いたほうが、「相手のためになる」という小さな心遣いも学んでくれたことであろう。

 というわけで、今日はビジバシ仕切ったので、たいへん気分よく仕事ができた。T部長もあれこれ口を出さず(もう、そんな気力もなかったようだ。ほんと、お疲れ様どした)、「みんな、ありがとう」とだけ繰り返す「ステキな上司道」(部長判断がいるときにはテキパキと指示を出し、あとはお任せで「ありがとう。みんなのおかげで助かったよ」と感謝の気持ちを表明するだけ)を正しく歩んでいたので、こういう雰囲気だと部下も文句言わずにシャキシャキ働くもんだ。

 斎場で、ご遺族用の余った昼食をT部長が持って帰ってきてくれて、それがまた美味くて、仕事が終ったら、みんなでツマんでから、「じゃあ、お疲れ様〜」と帰った。
 いつも、こんなふうに気持ちよく仕事ができるといいんだけどなあ。

 さすがに疲れたけど、こういう疲れ方だったらほんとに嫌じゃない。家に帰ってシャワーを浴びてから、気分よくビールで打ちあがっております。
 「はあ、これでうちの総務部、いつ誰が死んでも大丈夫だね」と言いたかったのですが、さすがにそれは言いませんでした。

 というわけで、あまりにも気分がよかったので、昨日の愚痴愚痴も記念に残しておくことにしました。あたし、印象派なんで、「光を描くには、まず影を描く」ってことなわけです。
 なんだそりゃ・・・・

 あー、まだ7時なんだけど、ほんとに眠くなってきたなあ。今から寝れば12時間は寝られるけど・・・・・
4月9日(土)

 あーあ、どうしてアタシって言われたことだけ「はいはい」って素直にやってらんない性格なのだろう。
 もー、ほんとに、「ロボトミー手術受けようかな」と思った。
 もしくは、舌切って喋れなくするとか。

 とにかく、T氏とK氏が「ダブル・リーダー」をやると最悪のことになるのがよくわかった。
 いや、それはただ「私にとって最悪」なだけで、客観的に見れば「まあまあな結果」になるのだろう。

 と、書いているうちにクールダウンしてきたので「今までも、それでうまくやってきたんだし」という気持ちにもなってきたのだが、でも、兵隊を無意味につぎ込む戦法は理解できない。
 兵隊が沢山いるのだから、そういう戦法でもいいのだが、でも、最小限の兵力で、最大限の効果をあげるという意識の無い将軍の下で働くのって、私は嫌なんだけどなあ。

 しかも「こうしたほうが、いいんじゃないですか?」と、小生意気な私がついうっかり進言しちゃったとして(しちゃったのだが)、「天皇陛下の御為に命を捧げる覚悟でやるのだ!」と怒鳴られるのならまだしも(それも、ヤダけどさー)、「ええと、それは勝手に決められないから、Kの意向もきかないと」と言うし、じゃあK氏に聞いてみても「え?それはTさんが決めることでしょ?」ってな感じで、私の不快指数だけが上昇するばかり。

 で、両将軍が互いに遠慮しあいながら、なすりつけあっている横で、当の天皇陛下はちゃんと「もう、明日はこんなに手伝いいらないし、こんな早く来なくていいぞ」って言ってんのに、それを聞き流すので、私が横で「陛下もそうおっしゃってますし?」なんて言ったら、完璧に無視されてしまった。

 陛下はそういう「兵隊の無駄使い」をわりと気にする人なんだが・・・・
 なーんか、太平洋戦争のころの日本もこんなかんじで物事が進んでいたのかなあ、と想像して気を紛らわせていた。

 あとねえ、香典でミエハリッ子するのやめよーよぉ。
 うちの会社で出す香典の金額もギリギリまで決まらなくて、「あっちの会社の金額による」とか言われた時点で、わたしゃー悲しくなってきたのだが、ギリギリになって向こうの会社の金額を教えてもらって「はあ?」と私は聞き間違いかと思って聞きなおしたが、向こうの経理担当者も苦笑しており「そうしろって言うから・・・・ははは」

 ところが、やりやがったよ。法人としての香典は常識の範囲ギリギリだったが、現地で香典の確認していたら、そこの社長個人の香典が見るからに分厚い。
 経験豊かな私でも、見たこともないような分厚い香典袋にビビったが、ハイジも「これ、いったい・・・・」と開けたがらなかった。
 「50は入ってるなこれ・・・・・」と思いながら開けてみたら・・・・・

 あのさー、あんまし自分が働いている会社やそのグループの恥をこんなところで晒したくないのだが、もう、あったまきてさ、つーか、香典で百万円って、それはもはや、まともな組織に属する人のやることじゃなくて、ヤクザとかマフィアの世界の流儀でしょ?
 本人はドーンとカマしたつもりかもしれないが、これ受け取った遺族だって困るよ?

 まあ、身内内でやっていることなので、「ほんとーに、ある意味、変な一族だな」で済むけど、外でこういうことやってないでしょうねえ?
 でも、同族会社って、こういうとこあるのかもしれないなあ。
 身内内で入札しているようなもんで、ぜったいにグループの長が最高金額を出さないと面子が立たないと思っているから、こっちも法人での金額はもっと押さえてあったので「まあ、この倍くらいはくるかもしれない。あの人の性格なら・・・・」と覚悟はしていたのだが、まるで「エロイカより愛をこめて」で登場したアラブのオイルダラーの王子が美術品オークションで、100万ポンドの次にドーンと「200万ポンド」で落札したようなもんだ。

 あれは、ギャグ漫画なんですよ?

 世の中、ギャグとマジの区別がちゃんとついてない人が意外と多いということが、いまさらながら確認できたので、勉強にはなった。
 私とか、ほんとに常識人なので、ああいうパワーには太刀打ちできないから、こうして影でこっそり「下品だなあ」と呆れていることしかできない。

 まあ、ああいう下品なミエ合戦が、世の中を動かしていく大きな原動力になっているということは否定できないし。

 そんな世の中を憂いて「ロボトミー手術というのは非現実的であるが、出家するならできるかも」と周囲を見回せば、あっちでもこっちでも、ありがたいお経があがっているが、でも、どの坊主もナマグサにしか見えないので、出家も諦めた。ああ、私もバチカンに弔問に行こうかしら。でも、あそこも影で現ナマ飛び交ってたりして(笑)

 チャールズ皇太子の結婚式のほうが心休まるかもしれない。でも、やはり影で王族同士のご祝儀合戦が熾烈なのかもしれない。

 まあ、前の会社でも、こういう冠婚葬祭のときのお金の動きには、かなりゲンナリしていたので、「もう、芸能界やだ」と思った理由の上位でもあったのだが、やっぱし他でもこうなんだな。
 不祝儀なんて、目立たない金額でやるのが「粋」というかマナーだと思っているのだが・・・・

 訃報といえば、漫画家の岡田史子が亡くなったらしい。
 とっくの昔に筆を折っていて、私がその存在を知ったときにはすでに伝説の作家だったけど・・・・(高野文子が話題になったころに、その存在が再評価されたように記憶している)

 それにしても、やっぱしワケわかんないなあ。
 これは、私個人の覚書みたいなもんだが、どーせ明日は休みだけど午前中だけ「お手伝い」することになったが、中味を確認した香典袋の処理というか、香典リスト作成はけっきょくうちの経理が任されたわけですよ。
 そんで、香典リストをパソコンに入力する場所が確保できなかったので、入力は後でいいと言われたので「だったら、明日、午後に予定の無い総務部社員がいたら、そのまま会社に連行して、出勤扱いにして、リスト作っちゃいません?」って言ったのだ。そんで、平日に代休とればいいわけじゃん。たぶん、2人か3人いれば、数時間で終る作業。それに、遺族だって早くリストに目を通したいだろうし。(特にご近所関係など、道ですれ違ったときにお礼を言わないといけない)会葬者名簿には「香典預かってきました」という名前は書いてもらわない方針だったし。

 そしたら、T部長は「それは、こちらだけでは決められないし」と言ったのだ。なんで?
 あたし、なんか生意気なこと言った?
 日曜日の午前中に都心に出て、正午には解放されるにしても、喪服のままで買い物や映画観に行く気もしないので、それだったら、そのまま会社に行って入力して「出勤」にしてもらったほうが、私はいいと思うし(うちの会社は土日も休みじゃないので、シフトで出勤している人は多い)、そう思う人は他にもいるはずだ。
 その裁量は、総務部長が勝手に決めてもなんの問題もないだろう。

 いったい、何がダメだったかというと、結局、私が「そうしませんか?」って言ったから?
 最近は、けっこうT部長の「やりかた」に馴染んできたつもりだったが、どうもこの葬儀に関しては、私が何か言うとことごとく「でも・・・・」で返ってくるので、へこんでいるのである。
 「私の言い方が下手だったから?」と反省してみるのだが、どうも、他でもT部長の指示はトンチンカンに横滑りしているので、(それもK部長への遠慮もあるのだろうが)、彼はたしかにちょっと難しいところがあるが、そんなにダメなことも珍しいけど、でも、たしかに時々「人からなんか意見されるのが嫌で、でも、自分でもサクサク決めない」という、困った性格になることも多々あるので(前に「キャビネットを増やしたい」と言ったら、なんか妙にネチネチと否定されたときもあったな)、今はただ単に「そういう気分」なだけかもしれない。

 いつもなら「ミヤノがボクのすぐ下の地位なわけだし」とか言って、私に仮決済権を持ってくるのに、今回の葬儀ではMちゃんに指令を出していた。Mちゃんは、きっちりした人だが、気が小さいので、T部長の言うことには逆らわないけど、あれこれ細かい確認をしてくるので、サブ・リーダーとして使うのはリーダーの趣味により使い勝手が違う。なんでも最終的に自分が指示を出したい人にはいいが、「おおまかなことはテキトーに、よきにはからって」というタイプの人だったら、私かK嬢を使う。(O部長はそうしてた)

 T部長は最初は私をお留守番要員にしたのだが、Mちゃんが「え?ミヤノさん来ないの?」と不安がっていたし、実際、香典会計をやらされそうな雰囲気になっていたし、会葬者の人数予想はだんだん増えていったし、それだけの葬儀のお金を預かるとなると、ハイジとクララだけでは心配だったので、私がT部長に「私が行ったほうがいいかと・・・」と言って配置を替えさせたのだ。あたしだって、留守番の方がラクに決まっているのだが、この機会に「総務部の重要スキル」としてクララとハイジにも香典集計のやり方を指導しときたかったし。
 でも、あの時点で、なんか面白くなかったのかもしれない。

 まあ、最近、T部長がかなりお疲れなのはわかっていたので、こっちもそれなりに気を使っていたのだが、それが裏目に出たな。
 でも、よくわからないなあ。自分が疲れているときに、Mちゃんに変な指示を出して、Mちゃんが困って「ええと、どうしましょう?」というと、またトンチンカンな指示を出して、「うーん、それじゃあ」なんて話しているのを横で聞いてると、「それじゃ、あんた余計に疲労してるじゃない」と思うのだが、ダメなときに、さらにダメな方向に自分を追い込む人なんだろうな。

 そう考えると、K部長との遠慮合戦も説明がつく。本来ならT部長が全部仕切るべきところなのだが、「でも、忙しいからK君よろしく」と言ってしまった手前、K部長に遠慮しなくてはならなくなってしまったが、K部長はそんなこととは知らず「Tさんが忙しいから、自分は人員確保だけやっておきましたぜ」な雰囲気だったので、「最終的にはどっちが仕切るか」ってことがはっきりしてなかったのだ。
 そんで、T部長は頭が疲れているので、サクサクと決められない気分なので、判断に困ると「それはTにも確認しないと」と言い出し、部下は混乱する。

 おねげーだから、少し休暇でもとって(なんだかんだ言って休もうとしない困ったちゃんである)頭の調子をよくしてもらわないと、私はやりにくくってしょうがないのですが・・・・・

4月8日(金)

 明日は久々に喪服を着なければならない。3年くらい前に社員が亡くなって、葬儀の手伝いに行くことになったときに慌てて買ったのだが、それでもちゃんと冷静に「大きめ」のものを買っておいた。だから、2年前の祖父の葬儀のときにも余裕のよっちゃん。(仮死語?)
 でも、あれからさらに肥えたので、だいじょぶかなあ?
 と、思いつつ、試着するのを億劫がっているのでる。

 そーいや、3年前の葬儀のとき、当時の上司だったO氏は、ちょうど今の私と同じ年だったと思うが、「礼服着るのが久しぶりで・・・・・超きつい」と嘆いていた。「でも、なんとか入ってよかったよ。冷や汗かいた」そうである。

 「山椒魚」みたいな話である、と思った。思っただけで口に出さなかったけど。私の中学の国語の教科書には載っていたけど、どの教科書にも載っているわけじゃないしね。

 そういえば、ちょっと前だけど、会社の人たちと中華料理屋で飲むことになったのだが、私は少しだけ遅れて後から行った。場所は知っていたが、入るのは初めてだった店で、雑居ビルの2界にあるのだが、エレベーター・ホールには「○○には、階段でも行けます」と張り紙があったので、階段を上ることにした。非常階段の入り口には「○○こちら」と書いてあった。2階の入り口にも「○○入り口。ドアは静かに開閉してください」と書いてあり、中に入ると2階のエレベーターホールがあり、店の入り口には「このドアは手動です」と書いてあった。

   先にビールを飲んでいた会社の人たちの席を見つけて、腰を下ろしながら「なんか、この店、『注文の多い料理店』みたいですね・・・・そのうち『ここで服をお脱ぎください』って張り紙があるんじゃないかって、緊張しちゃいました」と言ったのだが、誰もウケてくれなかったので悲しかった。
 たぶん、みんなエレベータを使っていたので、張り紙攻撃を見ていなかったのだろう、と自分をなぐさめた。

 でも、小説や映画で、そんなこと言う登場人物が出てきたら、「なーにが宮沢賢治だ、ぼけ!」と、怒ったりするんだろうな・・・・・

 さて、明日、明後日も葬儀の手伝いなのだが、「誰がボスなの?」ってかんじになっており、そんな雰囲気の中で、いつのまにかうちの経理で「香典開け」もすることになったのだが、私は「お留守番」を言いつかっていたので、同僚MちゃんがT部長に言われていろいろ準備してて、「Tさんが、何を用意したらいいか、ミヤノさんに聞けって・・・」と心細そうだったし、それでハタと気がついて、「ええと、この中でMさん(3年前に亡くなった社員)の葬儀のお手伝いしたことある人は?」と確認すると、私とMちゃんだけで、Mちゃんも「ただ、入力してただけで・・・」というばかりで、「あんときだって、パソコン3台でやっとこなしたんだから、今回はそれ以上の台数がいるんだが・・・」と言っても、Mちゃんも具体的にどうやったのかよく覚えてないらしい。

 結局、ボス役っぽい数人に「ええと、そのあたりの細かいことはどうなるんでしょーか」ってお伺いたてまくり、結局、誰もあんまし具体的には何も考えていないことがわかり「え?オレが仕切るの?」という、積極的なお返事をいただき、「と、とりあえず、お金のことは、こちらでまとめるということでよーござんすのね」という確認だけして、後はパソコンの手配とか・・・逆に持ち出し可能なパソコンを手配してくれた社員が、数年前の葬儀の手伝いをよく記憶しており、私が「そんなに沢山はいらないけど、でもなるべく沢山」という煮え切らない要求をしたのにも関わらず「そうだね、Mさんのときも3台でもギリギリだったでしょ。5台も置くとこないかもしれないけど、4台はあったほうがいいね」とか言ってくれて、「ああ、やっと話が通じる人がいた」と涙。

 T部長にも「総務部でご案内に割り振られている人を会計係りに替えてください」と言ったのだが、なーんかはっきりした返事が返ってこないし、「それで、やはり私がいたほうがいいと思うので、留守番はT嬢にしてください」と言っても、なんだか生返事。
 こういう直球で物申すと、こういう曖昧な態度の状態に陥る人なのはわかっていたのだが、でも、明日のことだし、サクサク決めたいわけよ、わたしゃ。

 まあ、結局、みんな現場がどういうもんなのか、あんましわかってないのもしょうがないし、お手伝いの人数は確保されているので、とにかく、お金のことは勝手に私が仕切ることに決定した。たぶん、私が一番経験豊富なのは間違いない。(前の会社の社長が「冠婚葬祭仕切り好き」だったので、いつも駆り出されていました)

 思い返せば、年に数回は「芸能生活○年パーティー」とか「芸能人のお葬式」の裏舞台で、せっせと背中を丸めてお金を数えていた。
 おかげで、自分の祖父の葬儀でも会計係りを立派にこなしてしまった。
 このままでは、自分の親の葬儀でも「他人に任せてられん」と意地を張ってしまいそうだ。

 明日の葬儀上は祖父のときにも火葬だけした、都内有数の「大葬儀場」である。あそこに行くと、わたし、なんだかテンションがあがるので、それが心配だ。
 そういえば、「他にあまり経験者がいないようなので、あたしが行ったほうがいいかと・・・・」とT部長に進言したとき、部長は「え?そうなの?」という顔をして、あろうことかハイジに「Aも経験ないの?」と聞きやがった。
 彼は昨年、父親を亡くしているのである。すでに母親は継母だそうで、彼が子供のころに実の母も亡くしているというのは、けっこう有名な話である。
 ハイジは低い声で「経験?アリアリですよ」
 もーーーー、T部長ったら!なんで、こうなの!
 私が横でオロオロしちゃったじゃないの。

 たぶん、ハイジは、「役員の親の死」にもそれなりに動揺しているのだと私は勝手に気がついていたのだ。(ほんとうはどうかわからないけど)
 役員氏が「おフクロが倒れたんで、帰るな」と言ったときに、ちょっと態度が不審になったので、「あ、フラッシュ・バックしちょるな」と思ったのである。
 ここ最近の私の「不振」も、ハイジのフラッシュ・バックの悪影響を受けているのでわ?って、疑っているくらいだ。なーんか、変なオーラ出てんだよなあ。

 なので、私の勝手な思い込みの産物かもしれないけど・・・・それに、そういうののフォローが超苦手なんだけど・・・・・私はけっこう気を使っていたのによー

 前の部長だったO氏も、20代のときに父親を亡くしており、ハイジの父親の危篤状態が続き、頻繁に帰省していたのを切ない気持ちで見守っていた雰囲気はよくわかったし、社員のMさんの葬儀のときにも、仕切りがどうの以前に「できるだけの手伝いをしよう」という気持ちを感じたので、そういう目に見えない感情オーラで動くのが大好きな私としてはやり易かったのだが・・・・

 今回の葬儀の手伝いは、そういう行間が見えてこないので、ちょっと不満。
 でも、現場に集合すれば、それなりに見えてくるはずだ。と、思う。
4月7日(木)

 日中は半そででもOKなくらい暖かい(というより、オフィス内はすでに蒸し暑い)し、桜は満開だし、ほんとに、いい陽気なのですが、なんで自分はこんなに陰気なのであろう?
 いや、それほど陰気なわけでもないんだが、なーんか、ボヤーっと気だるい何かを感じるのだが、この空気が濁った感じは久々だ。数年に一回くらい、この「やーな感じ」を受信するのだが、今までそれで実際に「やーなこと」が起こったこともないので、単なる気のせいということはわかっているのだが、自分自身に原因があるのか、それとも外部からの影響を受けているのか、わからないから気分が悪い。

 それでも、少ない気休めとしては、ワイドショーに芸能ニュースが多くなったこと。
 モリモリ夫妻の別居については、あんまし心ときめかないのだが、あの夫妻が結婚したときの騒ぎも「なぜ?」と思ったくらいで、どっちも演歌系なだけに、なんかスコーンと抜けない印象があるのだと思う。

 少し前の杉田かおるの結婚が、時空に傷をつけたのか、藤田朋子とか、渡辺真里奈とか「永遠に結婚しないかもしれない」と思われていた女性タレントが相次いで結婚を発表したというのも、なかなか面白い。
 ところで、杉田かおるは、結婚後にいきなりオーラというか、ギラギラ感が無くなり、昨日観た「笑っていいとも」でもほとんど出番無し。「踊るさんま御殿」には出してもらえているのだろうか?

 芸能ニュースとしては、大魔人佐々木が離婚しており、すでに榎本加奈子と同棲しているというのもあったが、一瞬「榎本加奈子って誰だっけ?」と写真観るまで思い出せなかった。彼女もずいぶん若いときから出ていたので、まだ24歳らしいが、なんか地道に神田うの路線を歩んでいるのですね。
 でも、榎本加奈子はけっこう頭良さそうだから、佐々木の今シーズンに勝負かけるかもしれないなあ。
 佐々木が活躍できなくても、「魔性の女」のトップクラスに踊り出られるし。どっちにしても、損はしない。

 自分が変な春の妖気に包まれているので、ついつい意地悪いこと書いておりますが、そーいや、最近更新がコマメな山形浩生サイトですが、春の妖気で血迷っておられるのか、どっかで拾った「ダンス・ミュージック講座」の翻訳を載せていた。

 「コメント求む」と書いてあるので、僭越ながら、ひっそりコメントしておこう。
 と、いっても私は、あんましこの世界では場数は踏んだが、「オタク」じゃなかったので、こういうジャンル分けはよくわからんのだが・・・

 一つ言えることは、これ書いた人は、たぶん若いんだろうね。年寄りだったら、よほど気合を入れてシャッフルしないと、こういう順番にはならないだろう。
 前にもイエローで話し掛けてきた若者が「ヒップ・ホップを聴いてから、ハウスにたどりつく人多いっすよ」と言ったので「ほー、そういうもんかに?」と思ったけど、年寄りだとどうしても「歴史的経緯」というか「現場で経緯を見守っていた」という自負があるので、「アシッド・ハウス」の前フリ無しに「アシッド・ジャズ」を書くことはできない。(「アシッド・ハウス」が大流行したので、ジャイルズ・ピーターソンが遊び心で「アシッド・ジャズ」って言い出した)
 ましてや、ガラージュ(って日本だと、みんなそう言うんですけど、「パラダイス・ガラージュ」を現地ではどう発音していたのか私は知らん)とハウスの間にハッピーハードコアを置くなんて、北朝鮮と韓国の間にブルガリアが紹介されているようなもんである。
 「ひょっとして、アルファベット順なのか?」とも思ったが、Hの後にFが来てるから、そういうわけでもないみたい。

 こういうジャンル分けって、時代や地域によっても異なるとは思うが、トランスの記述が多いとこからしても、Jリーグ以前のサッカーを知らないやつが、W杯について偉そうに書いているようなもんなんだろう。だいたい、アンビエントを語るときに、ブライアン・イーノの名前が出てこないあたりがおコちゃまである。イギリスの「レイブ禁止法案」なんて知らんのだろう。

 ケチをつけると止まらないが、翻訳上の問題を言うと、日本だとたしか「ブレイクビーツ」って言っていたような気がするが、英語だと単数形だったのかね?
 だいたい、ハッピーハードコアはあるのに、なんでガバが無いのだろう?
 日本で一時、「おしゃれトランス」として流行した「エピック・トランス」っていうのも、ドメスティックなもんだったのかな?
 最近だと、ときどき「プログレッシブ・ハウス」というのは聞くが、それも無いね。まあ、「プログレッシブ」というがつくと「いまどきの」っていう程度の意味になるようだが。(年寄りは「プログレ」だと思って肩透かしを食う)

 ちなみに、GWにも来日する予定になっているポール・ヴァン・ダイクがトランス系かって言われると、私もちょっと疑問に思うが、でも、彼が来日するたびに、私のトランス好きの友人たちはこぞって駆けつけるので、ポール・ヴァン・ダイクこそが「我こそは本当のトランス好き」と自負する人たちにとっては「本当のトランス」なのかもしれない。

 ちなみに私は、ポール・ヴァン・ダイクとマイク・ヴァン・ダイクの区別がちゃんとついてなくて、よく叱られました。「なんで間違うの!信じらんない!」「だって、名前似てるじゃん!」(似てるよねえ?)
 カール・クレイグとデイブ・クラークもよく間違えた。(似てるよ・・・ねえ?)
 あと、フォーテックを知人が招聘したときに、そんなアーチストの名前知らなかったので「えーと、なんだっけ、オーテックだったかなあ?」と言ったら、「え?オーテカ?オーテカ来日だと、それは事件だよ?」と間違った来日情報を一瞬だけ流してしまったこともあった。そういえば、オーテカは7年ぶりに来日するらしい。

 ダンス音楽がもっと盛り上がっていたときには、「ハウス」「ジャズ」「トランス」「テクノ」で済んだと思うなあ。(日本では。イエローのフライヤー的には)
 それで、その四つを結んだのが「ドラムン・ベース」で、結局、あれ以降「新しいビート」は出てこなかった。「ビッグ・ビート」なんて言い方が出てきた時点では終っていた。


4月6日(水)

 昨日は会社でワインを貰い、それを家に帰ってからさっそく飲み始めたら、飲み止まらず、結局、一本飲んでしまった。
 ワインでも、特に赤ワインだと時々あるのだが、体質に合わないのがあるらしく(つーか、そもそも飲みすぎなのだが)、これもそうだったようで、目覚ましで目が覚めたが、全然起き上がれず「まあ、遅刻してもいっか」(どーせフレックス)と思って、水分補給してウダウダ転がっていたのだが、頭痛がひどいし、立ち上がってもヨロヨロしてしまい、歯を磨いて顔を洗うところまではやったのだが、着替えする気力もなく、とうとう会社を休んでしまった。

 がんばれば出勤できなくもなかったが、でも、どうせ明日が休みの予定だったので、それを今日にしただけだ。
 「笑っていいとも」が始まるころには、かなり気分が回復してきたので、1時ごろ外出して、近所の韓国料理店で昼食。カルビ・クッパの辛さで二日酔いを乗り切ろうとしたわけである。半分くらいしか食べられなかったが、だいぶ頭痛は治まった。

 また三茶の映画館で観たいのがあったので、そのまま映画館へ行く。
 その前に、先日、部屋の掃除したときに発掘された(最近、発掘ばっか)「年末ジャンボ」を宝くじ売り場に持って行った。どうせ当たってないので、自分で番号を調べる気にならなかったのである。
 連番が3組(30枚ってこと)あったので、900円はバックされてくるはず。

 しかし、また「己の平凡な人生を再確認」することになった。
 また3000円が当たっていたのである。
 もう、これで3回目くらい?
 去年(というか、一昨年の年末ジャンボ)は、自分で番号を調べたが、まんまと外れていたので「よしよし、思った通りだ」と思ったのだが、あのときは特別賞みたいのがあり、それで1万円当選して、「あああ、私の人生って」と天井を仰いだのであるが、なんで宝くじを買うたびに、「極小当選」するのだろうか?

 この話を友人にすると「3000円も、なかなか当たらないよ?すごいじゃん」と言われるが、めったに買わない宝くじであるのに、こう毎回「小当たり」してると、ほんとに悲しくなってくる。

 というわけで、二日酔いで会社を休んだ昼下がり(しかも初夏の陽気)に、3900円を握り締めて、「まあ、あそこの映画館3回分だ。地元の映画館を大事にしろというお告げだな」と諦めたのである。
 きっと、あそこの映画館でビョン様の「バンジージャンプをする」もそのうちやってくれるであろう。

 さて、映画館は平日だというのにけっこう混んでいた。まだ春休みだったんだよね。女子学生の姿が多かった。
 あと、中高年ご婦人やご夫婦もちらほらいたのは、やはり「カンヌで受賞」が効いてるよな。

●東京タワー

 恥ずかしながら、私の「本命」はこっちでした。
 岡田准一君が黒木瞳と不倫ってやつ。
 サントリーの「北杜」のCMで「あ・・・・」と思って以来、岡田君チェックに励んでいるのである。たぶん今が旬なので、桜のように短い「みごろ」を惜しみつつ楽しむのが風流であろう。
 まあ、この世にはキアヌみたいに「あ・・・」と思ってから10年後に大ブレイクして、今だにその美貌が堪能できるという、珍しい役者もいることはいるのだが、あれはかなり特殊な人材だろう。(そろそろ新作もやるけど、あんまし話題になってないね)

 つーわけで、「でへへ、テレビドラマでは不可能な岡田君の濃厚ラブシーンもあるのかにゃ?」という完全スケベ心満載で挑んだわけでございますが、こういう「よこしまな心」(縦縞でも可)を持つ人へのサービスなのか、冒頭では大胆なヌードを披露。
 いや、別にアタクシ、顔が好きなだけで、お尻などには興味がないのですが、まあ見せてくれるというのなら、じっくり観ましょう。

 しかし、]江國香織原作なのだが、そんなもん読んだことないし、私に薦めた人も皆無だったし、「冷静と情熱の間」では辻人成とカップリングされてたし、「見えるところにあることはあるが、夜空の星と同じで、明るく輝いているようでも、三万光年くらい離れている」という認識だったので、江國香織の小説がどんな雰囲気だかは全く知らない。

 なので、江國香織が悪いのか、脚本家が悪いのかわからないのだが、もー、とにかくセリフがダメでダメで・・・・
 「芝居がかっている」というと、映画なわけだし、たしかに芝居は芝居だし、でも、あまりにも芝居がかっているので、気色悪くて鳥肌たちまくり。
 あれが舞台だったら、ああいうセリフでも「あり」だろうし、「芝居がかったクサいセリフばかりの小説」も、それなりに楽しめると思うが、でも、とにかくセリフに全然感情移入できないというか、「?今の、どういう脈絡で、どういう意味?」と、こんなに首をかしげた映画も記憶にない。

 前半1時間は、ほんとに「岡田君の美麗ショットを観たいだけなのに、なんでこんな苦行をしないといけないんだ」と悶えていたが、寺島しのぶは、そんな脚本でも頑張っていて、彼女がいなければ、どうなっていたことか。

 もー、とにかく、「トレンディなラブストーリー」なので、登場人物がみんな中途半端に「セレブ」なので、それだけでも痒いのよ。黒木瞳は青山でセレクト・ショップをやっていて、夫は有名プランナーだかデザイナー。青山の豪華マンションに住んでて、窓からは東京タワーが見える。
 岡田君も母が雑誌の編集長で、離婚した父は建築家で、これまた豪華マンションで暮らしている。

 もう、ロケーションがどれも「架空のおしゃれ」で、レストランやバーも「ああ、田舎の人が思い描く東京だよなあ」ってなかんじで、そのあまりのオシャレさに、何度も脳死しそうになった。
 そんな「ブルータスに出てくるようなインテリアに囲まれて絡む美男美女」ってゆーのをずっと観せられて、「こりゃ、岡田君目当てだからなんとか耐えているけど、そういう目的でもなければ、ただの拷問」でありました。

 たぶん、新興宗教の教祖が作った映画よりも「拷問」だと思う。いや、「東京タワー」という映画自体が、宗教の香りが濃いのだろう。
 「恋愛教」とでも言うのだろうか?「恋愛中の男女はこういう会話をする」という教義が存在するらしいが、少なくとも私はベッドを共にした男がいきなり「世界は神がお創りになった」と言っても笑って許すが、「東京タワー」で出てきたセリフみたいなのを言ったら、その場で射殺する。
 あまりにも、酷かったので、自己防衛のため全然覚えてません。自己保存本能による正しい健忘症。

 しかも、この映画、2時間くらいあった。
 1時間半にしろって。

 まあ、それでも内容はともかく、岡田君は美しかったわよ。振られた場面とか、ほんと、このワタクシが「キアヌっぽい艶がある」と見込んだだけのことはあり、かなり見応えのある「絵」になっていた。
 黒木瞳の媚ぶりもさすがであったが、やっぱり寺島しのぶの「ジワっとくる狂気」には敵わなかったので、人妻・寺島しのぶと、その暴走ぶりに振り回される岡田君っていうほうが、よかったかもしれない。

 映画は結局、「東京タワーの見える範囲では引き離された二人」が、「エッフェル塔の見える所で再会」という、それだけでも全身鳥肌モノなお話でございました。
 ああ、この映画のキモさをちゃんと表現する能力が無いのが悲しい。この日記を読んでいる奇特な諸君にも、ぜひDVD化されたら挑戦してほしい。早送りしちゃ負けよ。あたしは、ガンバって最初から最後まで耐えたのだ。

 この映画を「面白かった」と思った人を全員、竹島に送りたいと思ったくらいだ。(韓国領でいいです)

 うん、でも「美」を堪能するのに、苦行が伴うのはそれなりの充実感はあった。と、日記には負け惜しみをそう書いておこう。

●「誰も知らない」

 併映はこれでした。
 よかった、こっちが後で。
 ストーリー的にはたいした話でもないのだが、とにかく「こんな会話する人たちは、実在しないんだよ!SFよりも架空だ」と思った「東京タワー」の後では、「誰も知らない」のリアリズムには感動。
 もう、子役選びの勝利としか言いようがない。 
 カンヌで賞をとったナギラ君の演技も美貌も素晴らしかったが、他の子役も凄まじかった。

 「東京タワー」で「こんな、おシャレな暮らししている人なんていないよ」とゲンナリしていたので、「誰も知らない」が描いたリアルな東京の描写は心に染み入りました。

 さーて、そのうち、ウォン・カーウェイも参加してるオムニバス映画も観ないとなあ。
 チャン・チェンが、娼婦のコン・リーの仕立て屋さんっていうやつ。
 チャン・チェンこそ、私が「アジアのキアヌ」と見込んだ役者である。

 ウォン・カーウェイ映画に私は厳しいが、「東京タワー」を観た後だと、カーウェイ映画に甘くなりそうな予感。
 彼は「ファッション誌から抜け出したようなスタイリッシュさ」を表現するのに、「セレブ」を出さないという「良識」があるもん。
 それが実は、たいそうな才能であることにやっと気がついたよ。ごめん。(とりあえず、あやまっておく。なんなら土下座してもいいくらいだ) 

4月5日(火)

 今日も考古学調査に勤しんだ。
 遺跡が占領している場所の都合で、今週中に終らせないとならなくなったのである。

 しかし、残りあと3分の1のところで、たいへん興味深い資料が発見された。
 おかげで、調査に時間がかかり、今日は二箱だけしか発掘できませんでした。

 前にも「この会社、ブラジルに販路を広げようとしたことがあったのね」という資料を発見したが、それの詳しいやりとりのFAXが残っていたのである。
 アメリカの会社をAとする。A社はソフト開発と販売をやっている会社である。
 うちの会社(T社)が出資しているし、その当時T社は「濡れ手に泡」であり、潤沢な資金を元に事業拡大を狙っていた。A社はT社をバックに積極的にビジネス展開していたが、なかなか経済的に自立できなかった。

 資金繰りがあまり良くないA社に「ソフト開発の依頼」が舞い込んできた。相手は、ブラジル系のアメリカ人の会社らしい。けっこう納期がタイトで、開発側に不利な条件の契約のようで、弁護士に相談している地層が出てきた。

 私は英文の書類が読めないのであるが、読んでいるのは日本にいるA社の社長宛てで、それは日本語だったので、それを元に現地での英文書類をかいつまんで眺めて(「読んで」といえないところがかなひい)いただけだが、考古学者としては優秀なので、かなり内容を理解していると思う。

 契約書の見本が大量に出てきたので、契約締結までけっこう苦心したのであろう。まあ、アメリカでの仕事ってこういうもんか。(日本だと、契約書って、けっこうナーナーなので)
 そのブラジル系の会社B社が、いつのまにか、A社が開発したソフトの「ポルトガル版を作って、南アメリカで売ろう」ということになっていた。翻訳版の制作はA社とB社で分担して、B社が販売して、A社にロイヤリティを払うことになっていた。

 ところーが、B社が翻訳を依頼したC社の担当者が、会社を辞めてしまった。
 翻訳は中断。
 それどころか、B社が秘密裏にC社内部の人と情報交換したところによると、新たな担当者は「その情報提供者の言葉のままにお伝えすると『魔女』だそうです。」

 「魔女」の登場で、考古学者はもう夢中で資料を読みましたよ。
 その魔女さんは、「誰も彼女と仕事をしたがらない」という人らしく、前任者が辞めた理由を行間で表現してある。「あそこ責任者のEさんが、なんで彼女と仕事しているのか、謎です」という、まあ、ありがちな話ではある。ちなみに、魔女さんの説明の最後にポツリと「ユダヤ人です」と書いてあったあたりが、「ああ、外国のオフィスの書類を読んでいるのだわ」と考古学者を満足させた。でも、わざわざ人種を書かれるなんて、「秘密文書」(ってゆーか、単なる「ちくり」)であることを差しひいても、それを書いた人がかなりビビっている様子が手にとるようだ。

 「魔女」はB社の心配どおりに、「前の担当者の契約なんて知らんわい」な態度で挑んだらしく、その後も魔女とB社の間に立ったC社の担当者が次々と辞めていき、とうとうC社の社長と直で話さないといけない事態になっていた。

 時系列をまだ整理していないんだが(するつもりもないし)、そもそも、A社と契約したB社の社長はアメリカで他の仕事しているらしく、ブラジルにいるB社の社員は、よくわからないままA社と提携した仕事をこなしていたようだ。
 ブラジル人社長の名はラテン系だったが、現地社員は日系で、ヘタクソな手書き文章で、切々と気持ちを訴えているので読み応えがありました。どうやら、私でも想像できる程度のことだが、そのブラジル事務所も金に困っているらしい。
 ポルトガル版が頓挫していても、英語版はそこそこ売れていたみたいだが、そのロイヤリティ報告をちゃんとやらないので、A社が何度も「振込みまだですが?」と催促しているのだが、日系人といえども、心はラテン。
 ほんとなのか嘘なのかよくわからないが、最初にロイヤリティを振り込みするときに「つい、うっかり自分のNYでの口座番号を書いてしまい、それに気がつかないままでした」という、わけわかんない「言い訳」をかましている。

 たしかに、海外送金は慣れないと記入欄を間違いやすいのだが、それにしても、自分の口座番号書くかフツー?

 こりゃ「魔女」も怖いが、ブラジル事務所の面々も日本語で文章を書いているけど、魂はラティーノ。おもしろそうな展開だ。

 と、その調子で、厚さ30センチ以上ある書類の束を上から読んでいると、ほんとに時間が経つのがあっという間。

 その後もブラジル事務所は、なんだかんだ言って、ロイヤリティをなかなか送金してこない。アメリカのA社も半ばあきれたようで、催促FAXを送ると、大袈裟な返事が返ってくるので(ブラジルは海外送金がそう簡単にいかない事情を切々と・・・・そうなんですかね?)、それを事務的に受けるのに苦労しているのが文面でわかった。
 それに、情けないことに、ロイヤリティの送金っていっても、たかだか数千ドルなわけですよ。
 それを「ブラジルでの税金がどうの」とかいう文章で誤魔化しているのが悲しい。

 そうこうしているうちに、ブラジル事務所はとうとう「融資」をお願いしてきた。ポルトガル版が難航しているので当座の資金が不足しているという理由なんだろうけど、明らかに事務所の運転資金。文面にも「お助けください」とか「このご恩はいずれ必ずお返しいたします」とか、「さすがわ日系人」ってな人情モノになってきた。

 そんで、「ポルトガル版はまだか、という顧客からの問い合わせも多く、ブラジルでのニーズの高まりを感じております」などの、「うっそでぃ」な記述も満載。

 その後の地層からは、A社から「契約は更新いたしません」という最後通牒が出てきた。
 貸したお金は返ってきたのかなあ?借用証書が出てくるのかな、と思ったが、それのFAXでのやりとりしか出てこなかった。

 おっかしいのは、A社が、そのブラジルの会社に対して「南米では、持つものが持たざるものにお金を与えるという風習が根強いんですかね?」という嫌味な文章を書いていたこと。
 それは10年前のことなのだが、そのA社は、うちの会社からの資金に頼りきっていたというのに・・・・

 その当時はそうでもなかったようだが、ここ数年は、「感謝祭の休暇前までに給与を払わないといけないので、3万ドルお願いします」なんて請求が来てて、「知るか、そんなもん」と私を不機嫌にさせたのである。

 そーいや、ブラジル事務所とのやりとりには「○日からカーニバルなので、○日まで事務所は休みです。お急ぎの場合は自宅までお電話ください」とか書いてあって「カーニバル休暇が5日間かあ・・・・まあ、お盆休みみたいなもんか」
 と思ったが、さすがにブラジル人といえども、「A社から入金がないと、給料も家賃も払えない」という状況だと、カーニバル休暇中も「電話してください」ってことになるのね。立場が逆だったら「この期間は休みだから、連絡不能です」ってところだったろうなあ。

 こんなやりとりは、特に珍しくもないんだろうが、なぜか書類が詳細に残っているので面白い。
 このやりとりで、その会社がやたらとFAXでのやりとりや、メールでのやりとりを保存していた理由がわかってきた。
 日本でもそうなんだけど、アメリカだと特に「担当者レベル」で話が進むらしく、担当者が退職してしまうと、後任者と一からやり直さないといけないようで、そのために「前任者とのやりとりの記録」はけっこう重要なようだ。
 法的にはどうなのかわからないが、たしかに、弁護士と相談するにしても、こういう書類が残っていると、説明する手間は省かれる。

 ただ、あの会社がうまくいかなかった理由というのもちょっとわかってしまった。結局、最終的な決済権を持つ人が、日本にいたし、彼のメインの仕事は別のところにあり(某大学の教授)、みんな最後は彼に愚痴りまくることで終っているのだ。
 で、その「彼」がうちの会社に「こういう事情なんで」と言えば、お金が振り込まれてくる。

 「彼」がどんな人だか、私は会ったことがないのだが、悪気はなかったと思うが(うちの会社が色気を出したのも悪い)、ずいぶん食ってくれたよなあ。
 それなりに人脈があった人みたいで、他にも変なの拾ってきてくれたし。
 もう一つ、別の会社がアメリカにあって、そっちは私が入社する前に潰したのだが(でも、そこの残党が、先日、うちの会社から1千万の出資を獲得!)、その会社の設立経緯と、崩壊するまでの経緯をクールにレポートした書類も発掘された。「これ、いった誰が作ったのだ?」と思ったが、考古学的な書類であるからして、20ページにも及ぶ「調査書」は最終ページが欠けていたのか、作成者の署名がなかった。

 まあ、とにかく、アメリカのA社と、ブラジルのB社はその後「こうなったのはうちの責任ではない」とうい泥仕合を繰り広げたようで、弁護士だけが儲かったのかもしれない。
 アメリカのA社も「もう、南米はこりごり」と思っただろうなあ。
 その当時、ブラジルは「輸入ソフト」に厳しく税金をかけていたらしいこともわかった。

 でも、考古学者として、その資料を読んでて悲しくなるのは、その技術が数年後には誰も見向きもしなくなるようなものだったということがわかっているから・・・・
 当事者たちも「せいぜい2年」とわかっていたようだが、開発費をかけても、回収できる期間は短いのだ。

 マーケティングの資料も一箱でてきた。
 日系企業などをマメに回っていたらしい。笑えるのは、メッセみたいなところに出店すると、その後、山ほど反響があることだ。顧客ではなく「うちで広告出しませんか?」なやつばっか。ファイリング担当者は、そういうのも丁寧に保管してあって泣ける。

 私が読んだ書類は、ほんの一部なんだろう。
 担当者が「これ、要保管」と言ったものしか残っていないのだと思う。

 おもしろいのは、10年前のそういう「失敗の歴史」は沢山出てきたのに、最近の書類は全く出てこないということだ。その書類を「保管が必要だが、うちでは保管できないから。倉庫代もない」と、出資者であったうちの会社に嫌味ったらしく全部送ってきた「今の責任者」は、自分たちの失敗談は送ってこないだろう。ずるーい。

 歴史ってこういうもんなんだな、と思った。
 10年前にファイリングした人は、自分が辞めるときに、その書類を処分しなかっただけだ。
 それを継いだ人は、中身なんて見なかったに違いない。
 たとえ見たとしても「自分には不利ではない」という理由で、今まで大事に保存されていたのだろう。

 それで、「捨てるのも面倒だから」という消極的な理由で、ずっと保存されていたが、うちの会社が「もう資金を流さないから、閉鎖」と告げたら、「じゃあ、保管料も払えないから、そっちで保管してください」と丸投げしたので、本来なら私が見るはずもない書類が、山のようにアメリカからやってきて、おかげで私は肩こりに悩まされているけど、考古学的好奇心は満たされて、けっこういい暇つぶしになっちょります。

 アメリカでのビジネスの失敗は、これを見なければ、私には「出資した金が紙くず以下」という程度のことしかなかったはずですが、この書類の山を見たおかげで、それに血骨がついたようである。
 でも、読んだあとバリバリ捨てているのですが(笑)

 奈良あたりの遺跡でも、民家の下から発見された場合には、いったん発掘して調査したら、また埋めなおして民家を建て直すようであった。(私が大学時代に見学した「推古天皇のお屋敷跡」はそうだった)
 狭い日本では、遺跡を全部保存しておくことができないので、よくそういう方法がとられるようだ。
 私がやっている「オフィス考古学」でも、発掘された書類を全部保存しようとすると、倉庫会社への支払などの経費が生じてしまうので、発掘調査した跡は、廃棄するしかない。

 私はそういうことでは妙に優秀なので、ガーーーーっと調査した15箱を廃棄はしたが、その内容は、私の脳内記憶メモリにちゃんと書き込んだ。保存期限は、私が死ぬまでという、かなり不確定な期限だが、でも、あの当時、あそこで仕事していた人たちに、「脳内記憶メモリ」ではなく、ちゃんとした「その気になれば永久に残るテキスト」で、こう書いておいてあげよう。

 あんたたち、あんまし切れモノでもなかったし、どっちかというと、バカだったかもしれない。
 でも、バカはバカなりに、一生懸命やっていたのは、わかったよ。

 ちなみに自分もバカはバカなんですが、一生懸命やってもバカなのはアホらしいと気がついているので、それならそうで「ちゃらんぽらんで、やっぱしバカ」なほうがいいなあ、と思っているのですが、でも、やっぱし気が小さいもんで、10年後の誰かに「この人、一生懸命やったけど、バカな結果しか出なかったんだなあ」と思われるのが、とても嫌なのですが、でも考古学的にはどうだか知らないけど、「今のこの一瞬」という現世バリバリなことを重要視すると、「バカがバカなりにガムシャラにバカをやっている」というのは、当人にとっては幸せなことでしょう。

 というわけで、考古学的には「バカ」でも、今の自分が、いいと思ったら、それでやるしかないんですよね。


 そんな哲学的な思いに、私を飛ばしてくれた23箱の書類でしたが、まだ発掘には、あと2日くらい必要なようです。ああ、ずっと考古学やってたい!
4月4日(月)

 土曜日に書類整理に勤しんでいたとき、すでに「明後日には、肩がバリバリになっているだろう」と予言していたのだが、日曜の夜の時点でかなり肩こりを感じていたので、旅行用に買ったアンメルツ(商標名ですな。一般名はなんて言うんだろう。湿布塗布薬とか?)を塗りまくり、ヒリヒリしながら寝た。

 今朝、目が覚めたら、前夜の努力も空しく、まるで金縛りにあったかのように肩が重かった。
 ほんとに、全然、首が回らないので、会社休もうかと思ったくらいだ。

 でも、この程度の肩こりなど、「こり症」の人だったら日常のことだろうと思って耐えて、テレビ観ながら首を動かして、なんとか緩めた。
 書類整理していると、たしかにいつも肩が凝るというか、軽い筋肉痛を起こすのだが、でも、ここまでヘヴィーなのも珍しいぞ。やはり潰れた会社の呪いか?
 だとしたら、肩こりで済んでいるので「よかった」と思うべきであろう。

 会社では「ダヴィンチ・コード」も「天使と悪魔」も数冊づつ出回っていたので、ある社員に「ローマ法王が亡くなったねえ。いよいよ、あの小説の通りの展開じゃん」と話し掛けたら、「ああ、コンクラーベね」と応えてくれたが、それを小耳にした他の社員が「こんくらべ?・・・が、どうしたの?」と言ったので笑った。

 たしかに、ニュースでも「以前は数年もかかったこともある」なんて言っているので、「こんくらべ」なのかもしれない。枢機卿が100人くらい集まって投票するのだが、誰かが3分の2以上得票するまで延々と投票を続けるらしいのである。子供のころ、遊びでチーム分けするのに「ぐっとっぱ」で決めたもんだけど、人数が多いと、なかなかうまく分れなかった。あれを大人数でやるようなもんか。(でも、亡くなった法王がその方式を改革して、決選投票が可能になったので、昔みたいに時間かからなくなったらしい)

 桜は開花したけど、お約束の「花冷え」で、今日は北風が吹き、とても寒かった。

 新年度になって、人事異動もあったが、経理課はそれに絡む仕事は無いので、とても暇。
 書類整理はまだ残っているが、肩こりがもう少し回復してからにしようと思って、今日はちんたら仕事していた。

 そういや、毎年、4月〜5月は暇なんだよなあ。
 しばらくは、書類整理に明け暮れる予定。潰れた会社のは、もう一息だが、自分の会社の書類もそろそろ溜まってきたので倉庫会社に送らないと。

 少し前まで、けっこう楽しみにしていたサイトに、朝日新聞の「マイタウン」ってゆうのがありました。
 地域情報を載せているのだが、なぜか、三重県や徳島県などに混ざって「U.S.A」というのがあって「そうか、アメリカは日本の一地域だったのか・・・・」と、竹島問題よりも興味深い。
 そこが、ずっと記者の趣味なのか、バカ・ニュースばかり拾っていて、密かに楽しみにしていたのだが、いつのまにか、バカ度が下がり、あまり訪れなくなっていたのだが、この間、やはり暇だったので久々に行ってみたら「MoMAなど4館に「押しかけ展示」」というバカの匂いがムンムン匂う見出しを発見し、読んでみたら「やっぱし、バカーっ!」と感激。

 ルーブル美術館に「押しかけ展示」したらすぐにバレるだろうけど、MOMAだとけっこうバレなさそうだよね。
 なんかほら、現代美術館って、部屋の片隅に置いてある椅子があると、「これも作品かね?」なんてマジマジと眺めて、っていうか「作品名のプレートがどっかにあるのかも?」なんてやっていると、監視員が戻ってきて、そこにドカっと座ったので「あ・・・・」なんて気まずいことがよくある。
 あと、消火器とか、湿度計なんかも、けっこう紛らわしい。

 このニュースでも4日間も展示してくれてたらしいし。うーん、いいなあ。私ももっと早くに思いついていれば・・・・
 自分の作品が有名美術館に展示される可能性は、ほぼゼロと考えて間違いないと思うが、愛知万博で人気展示の「マンモスの冷凍保存標本」などを見るにつけ「うーん、美術館は無理でも、博物館だとこういう可能性は残されている・・・・」なんて考えてみたりする人はけっこう多いのではないでしょうか。

 そーいや、その愛知万博はとうとう「弁当持込可」になったらしい。
 うちの両親も。一ヶ月くらい前には、「もう前売りを買った」と張り切っていたのだが、ふと母親の行動パターンを思い出して「お弁当も飲み物も持ち込めないって知ってた?」と聞いたら、母親が「ええええええ!」と驚いていて、案の定「おにぎりとお茶くらい持って行くつもりだったのに」と言っていて、それで「なんか、そんなとこ、行く気がしなくなった・・・・でも、もう前売り買っちゃったし・・・・」と、こっちがビックリするくらい、ガッカリしていた。


 なので、ワイドショーでも「これは、小泉首相の在任中の唯一の実績として語られるのでは?」なんて嫌味を言われていたが、我が家では、ほんとにそうなる可能性がとても高い。

 イーガンの「宇宙消失」を読み終えた。
 このくらいだと読みやすいな。「万物理論」は途中でわけわかんなくなったから。こっちのほうが断然わかりやすい。
 でも、読み終えたあとに思ったのだが、これって、「イノセンス」とほとんど同じイメージの世界?

 なーんか女性研究者のシニカルな感じとか、趣味が似てるなあ。
4月3日(日)

 昨日の土曜日は出勤して、また書類整理。
 前にも日記に書いたが、アメリカの関連会社が閉鎖したので、残った書類が全部送られてきたのである。23箱も。
 通関や運搬で10万円もかかったてしまった。

 「どーせ、中はゴミばかりだろう」と嘆いていたのだが、なにしろ自分が直接関わった会社でもないし、書類のほとんどが英文なので、とにかく全部開けて、中を確認しながらの整理なので、とても時間がかかる。
 アメリカ式ファイリングというのに慣れるまでに一日かかり、だんだん書類の重要度がわかってきたので、昨日もちまちまと整理して、やっと3分の2くらい進んだ。すでに5箱くらい破棄。

 10年前の請求書控えなんて、ドカドカ捨ててやったけど、10年前の採用の際の書類がごっそり残っていたり、その後も、派遣会社とのやりとりの書類がごっそり出てきたが、スタッフの職歴シートならまだしも、派遣会社からのFAX送付状まで大事にとってあった。
 その当時のファイリング担当者の趣味なのか、その人に保存を命じる人がいたのかはわからないが、ともかく、その地層からは、大量にFAX送付状が発見され、その当時、誰がどんな仕事をしていたのか、漠然とだがわかって面白かったけど、でも、そんなのをじっくり読んでいると、時間がかかってしょうがない。

 あと、導入したソフトや機器の説明書などがきちんと整理されて入っている箱もあったが、それも時代は10年前のようで、たぶん不要だと思うんだが、一応、目を通してからじゃないと捨てられない。

 あと、小切手の控え(というのか、アメリカは切った小切手が銀行から戻ってくるのは知っていたが、実物は初めて見た)が10年分出てきた。これって永久保存なのか?よくわからんが、捨てていいものなら捨てたい。

 日本でも会計書類や証拠書は、7年から10年の保存義務があるけど、実際に必要なのはせいぜい3年分。税務調査などに備えても5年分もあれば十分である。
 特に最近は、会計ソフトのデータは保存されているので、そっちが残っていればたいていの用は足りるし、もし「5年前の請求書が見たい」と言われてても、自分がファイリングした書類だったら発見できるが、それ以前だと探すだけでも一苦労。でも、ときどき「どうしても見たい」という人がいて、会計ソフトでは「○○費一式」なんて入っているので、その明細を知りたいと言うのだが、倉庫で埃だらけになり、書類で手を切って「名誉の負傷」までして探したのに、実物の請求書にも「○○費一式」だけしか書いてなかったりして犬死気分ですがすがしくなったことは何回もあった。

 書類整理していると、気をつけていても手を切ってしまうので、毎日バンソーコーのお世話になっているので、手術用の手袋が欲しくなる。
 あと、10年前の埃を吸引してしまうので、花粉症とはまた違うタイプのクシャミがとまらなかったり・・・・・
 自分の健康を損ねてまでやっているのだが、「しょせん、潰れた会社の書類・・・・」と知っているので、精神的にもダメージが大きい。特に優秀なファイラー(?)が完璧にファイリングしている箱を漁っていると、悲しさ倍増である。

 ブラジルとやりとりした書類がFAX送信状と共に発見され、ブラジルでのビジネスの拡大を謳った書面が出てきたりして、涙してみたり・・・・・
 もっと、事務的にやれればいいのだが、ついつい持ち前の「オフィス書類考古学的好奇心」が起動してしまう。

 というわけで、けっこう楽しんでいるのでありました。
 あの潰れた会社の歴史は、私の心の中にちょっとだけ刻み付けてあげました。

 K子さんの友達が三茶に引っ越してくるようで、「その手伝いで三茶に行くから、よかったら会おう」と連絡があり、土曜日はさっさと帰ってきて、三茶で会食。
 K子さんの元同僚2名と一緒に、イタリアン・レストランでピザを食べた。

 新卒でずっと勤めていた大企業を退職してから、ずっとフリーターだったK子さんも、ついに来週から派遣で仕事することになったらしい。「オフィスで仕事するなんて、何年ぶりよ?」「んーと、2000年に辞めたから・・・」「5年ぶりかあ」

 それでも、一般事務職ではなく、なんたってSEであるから、派遣登録したら、ドカドカと仕事依頼が来たらしい。
 でも、いきなり週5日働くと心臓に悪そうだから、「週に3日。10時半出勤」という、「それって、主婦のパートか?」な仕事を探し当てたらしい。

 三茶に越してきた友人を紹介してくれたのは、「三茶情報を教えてあげてね」という理由とともに、「彼女、韓流ドラマ通だから」ということもあった。
 その友人は、今でもその大企業でバリバリ働いているので、帰宅は毎日、10時くらいになるそうだが、日中に録画した韓国ドラマを毎日3本観るだけで、午前1時になってしまうとか。かなり本格的な「ファン」である。
 元々、ドラマ好きで、それが韓国ドラマに移行しただけなので、別に「ヨンさま〜」とか「ビョンさま〜」というわけではないらしい。
 私がビョン様ファンだとわかると「イ・ビョンホンだと『中毒』がお勧めかな」と教えてくれたのだが、後からよく考えてみると、それは前に観た「純愛中毒」のことだった。

 食事の後、K子さんとお茶してから帰宅。
 「美しき日々」の最終回を観た。
 いちおう、「涙の最終回」らしいのだが、私が涙ぐんてしまったのは、危険な手術をすることになった、チェ・ジウが夫のビョン様に「せっかく結婚したのに、まだ夫婦らしいこと、なんにもしてない」と言い、それを受けてビョン様が、
「夫婦らしいことって・・・・一緒にお風呂入るとか?」
 と言って、眉毛をスケべっぽく動かしてみて、チェ・ジウが、いやーんバカとばかりにボコボコとビョン様を叩いた場面。

 うううううううう(嗚咽)

 と、私も自分なりに堪能しました、涙の最終回。
 このドラマのテーマは結局、「兄弟仲良くしましょう」だったらしいです。うちの母親とその兄弟にも見せてあげたい。(ずっと、ギクシャクしたまんまなので)


 あ、とうとうローマ法王が亡くなったんだ。
 コンクラーベだ、コンクラーベ!(「ダヴィンチ・コード」の後に「天使と悪魔」を読んだ皆さんは全員お喜びのことと思います)


 そういえば「ダヴィンチ・コード」と「天使と悪魔」は、構成がほとんど同じなので、後から読んだ方はだいたいの筋がわかってしまうのだが、イーガンの「万物理論」を読んだ後に、「宇宙消失」を読んでいると、「これも、同じっぽいそ」と思ってしまう。まだ半分しか読んでないけど・・・・
 「万物理論」よりは「宇宙消失」のほうが理論の記述は易しいようだ。今んとこ。

 今日はお昼ごろに起きたのだが、天気がよかったので洗濯だけして、また昼寝してしまった。
 春はこうして、浅い眠りに身をまかせているだけで、とても幸せなのでいいね。

 自分はやっぱり「猫型」なのかもしれない。とにかく昼寝が大好き。でも、寝てばっかりじゃ、ゴハンが食べられないので、たまにはご主人様に「にゃおーん」と甘えて、ちゃんと餌をゲットしている。
 そう思って、また明日から会社でせっせと「にゃおーん」しようっと。

 自分で餌を探すのは大変だから、飼い猫人生でいいのです。
4月1日(金)

 エイプリルフールに上手い嘘を披露するような能力が無いのが残念である。うちの母は毎年、すごいのをカマしてくれたんだけどなあ。この日は毎年、登校日だったらしく、時計を進めて「遅刻した!」とか、「今朝早くに連絡網で回ってきた」とか言って、バケツを持って学校に行きそうになったり・・・・

 そのせいかなんだか知らんが、エイプリルフールは好きである。元旦よりも好きかもしれない。それに、元旦よりも、この日のほうが「一年の始まり」って気がするし。

 だから、毎年のように言っているが、なぜか4月1日になると「ああ、入籍したいなあ」と思うのである。
 「4月バカに電撃入籍」に憧れているのだ。
 それに、せっかくだから結婚記念日は「一年で最も好きな日」にしたほうがいいじゃん。

 と、くどいようだが、毎年、そう思っているだけで過ぎていく切ない日でもある。いや、べつに結婚したいわけじゃあないのだが、でも他に「エイプリルフールを自分の記念日にする」っていう方法は「命日」くらいしか思いつかないし・・・・

 つーわけで、年に一回だけ、ものすごーく結婚願望が高まるのだが、でも「うるう年の29日」に執着しているよりも、チャンスは4倍!(そーゆー問題じゃないと思う)

 また人事異動があり、また部署名が大幅に変更になったので(組織替えが好きな会社ですこと)、「あー、また経理ソフトの部署登録がああ」と嘆いていた。半年前も変わったばかりで、やっと覚えてきたのに。伝票を入力するときに必要なのだが、異動や組織変更のたびに、パソコンにメモを貼り付けておかないと、なかなか覚えられないのだ。

●よくなくない?

 朝のテレビで、最近流れているCMが紹介されていた。若いカップルが「これ、よくなくない?」「よくなくない?」と話していて、隣にいるおじさんが「どっちなんだ?」というCM。(ここで観られます)

 10年くらい前に、すでにスチャダラがそういうラップしてたよね。

 ♪ これ よくない? よくない これ? よくなくなくなくなく セイ イエー!

 って、よくカラオケでみんなで唄った「今夜はブギーバック」

 「これ、よくない?」はよく使うが、「よくなくない?」は私も否定形に感じる。
 でも、たぶん、最初のころは、「よくない?」の反論として「えー、あんまし、よくなくない」と、ついうっかり言ってしまい、「あれ?よく・なく・ない だと、イイってことじゃん!」「あーほんとだ」ということになり、「よくなくない?」が「いいじゃない?」という意味になってしまったのかにぃ?
 こうなると、語感で遊んでいるだけのようで「本当はどっちの意味なのか」はどうでもよくなってそうだ。

 そもそも、スチャダラのラップでわかるように、「よくな〜い?」という言い回しが当時はすでに「どっちなんだ?」と言われていたはずだが、今ではオジサンたちも使う言葉に成り下がったので、若者たちもいろいろと工夫しているのであろう。

 だから、私がいつも熱く語っているように、「ズボンずり下げ」を「みっともない」と嘆くよりもオジサンたちが率先して取り入れれば、あっという間に変化するはずなのに・・・・・あれはさすがに、30歳以上はなかなか手を出さないので、今だにスタれてくれないじゃあないですか。

 そういえば、それとは直接関係ないが、ギター侍の「・・・・・って、ゆーじゃな〜い?」の流行のおかげで、「・・・・じゃない」という文章を読むと、自動的に「・・・・じゃない?」と読んでしまう。

 「冗談じゃない」と書いてあっても、心の中で勝手に「冗談なんじゃな〜い?」という雰囲気に読み替えてしまうのだ。もともと「いいんじゃない?」という使い方もメジャーだったのだが「?」をつけなければ、強い否定形というのが自然だったが、これもそのうち「・・・じゃないんじゃない?」「・・・じゃないんじゃないんじゃない?」と進化していくかもしれない。

 すでに「そうじゃないんじゃないんじゃない?」っていうのは、普通に使ってるような気がしなくもないような感じじゃなくなくない?

 「そうじゃないんじゃじゃじゃないんじゃない」くらい言っても、普通の会話のような気がしてきた。

 わけがわかんなくなくなってきたので、もう寝ます。 
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