平成12年・3月議会より

東京初ストーカー条例を八王子市で

2000年3月27日

 インターネット上で、カタカナで「ビートルズ」と検索すると、該当する件数が1万8千353件。
「八王子市」と漢字で検索すると1万4千150件。
 そしてカタカナで「ストーカー」と検索すると、なんと、19万とんで442件もの該当件数がありました。この数字をあげなくとも、ストーカーという言葉が新聞紙上や各種マスコミに、踊らない日はないのではないのかという昨今。
 今回の質問のタイトルはズバリ!「東京初のストーカー条例を八王子市で」。
 質問のねらい。極論は。
 社会の大問題となっている、迷惑行為、ストーカ行為を、どこの市や区にもさきがけて東京初、八王子市独自の、小回りのきく条例を打ち出す! という、答弁を八王子市から引き出したいという主旨で、順次簡潔に質問をしてまいります。

 今回も、ホームページやメ−ルを使った、立体的な質問構成で行ってまいります。恒例の御意見大募集ということで、今回も質問タイトル、主旨とねらいを私のホームページ上で3月初旬より公表しております。「条例化への熱い要望」など多くの市民の皆さんの意思確認をメールでして参りました。  これからの質問は、私個人の意見ではなく、多くの市民の皆さんのアクセスやメールに根ざしたものと御承知おきください。
 

 「議事録ができるまで待てない」という市民の皆さんの要望に応え、質問のあとはつねに速報として市側の答弁を、ホームページに載せて参りました。
 今回のテーマでは行政の答弁、そして、やる気に対して今まで以上の関心を私たち市民をはじめ、まさに今。マスコミはもちろんのこと日本全国の皆さんに、市がどう答えるかが、注目されています。

 今日の夜更けには、答弁の一字一句を、だれがどう答えたか実名を挙げてウェッブ上に流したいと思いますので、それを頭に入れたお答を希望しておきます。

 埼玉桶川市の女子大生「いのしおりさん」
 ストーカー殺人事件をはじめ、事件のもとをたどればストーカー行為にあり、という現状が露呈されています。

 ここにいる行政の皆さんも、小さい時「人に迷惑をかけちゃいけないよ」とおじいさん、おばあさん、お父さん、お母さんから教えを受け大きくなったと思います。

 「法律に抵触しないからいいんだ」という法の網をかいくぐった行為。「二十歳までは少年法で守られているから、多少の事件は起こしてもいいんだ」という、法律や少年法を逆手にとり多くのむごい事件が起きています。いったい、「道徳」「常識」「良心」とはなんなのか、という事件が連日報道されています。
 「おまわりさん」という言葉の持つ威厳も低下。警察の不祥事のせいなのか、それとも時代なのか。異性と夜道を歩いているだけで、おまわりさんに怒られる。という話も、今は昔。

 そもそもストーカー行為、ストーキングとは何なのか? 富山県警のホームページには、「ストーキングとは、計画的に、故意に、しかも反復して他人を付け回して嫌がらせを行う行為」と、定義付けがされています。こちらの本は、97年に出版された、岩下久美子さん著の「人はなぜストーカーになるのか」。
 今まで耳慣れなかった、ストーキングという社会問題を、日本で広く認知させるきっかけとなった本です。
 私もおととい市の図書館で借りてきて初めて読んだのですが、八王子出身、歌手の松任谷由実さん「愛犬めった刺し」のストーキング事件はじめ、様々な実例をあげて、かかれております。

 では、どんな人をストーカーというのか? この本によりますと、特定の相手に尋常ではない興味を持ち、一方的に病的なほどに、執着して、追いかけ回す。嫌がっているなどの、相手の意向などはお構いなく、しつこく、繰り返し、そして絶え間なくつけねらう人。一種の妄想狂、というようなことが書かれています。
 具体的には、相手が望まない電話、ファックス、手紙に始まり、段々とエスカレートしてくると、郵便受けを荒らされたり、動物の死がいが送りつけられたり、待ち伏せや尾行。その人を中傷するビラなどを、自宅近所や職場にまかれたりすることも多い。最も恐ろしいのが、住居侵入や暴行。殺人事件にまで発展しているケースもある。というようなことも、かかれております。
 そしてなんといっても、最大の問題点は、ストーカーによる行為を、現在の法律では取り締まれないという現状。
 アメリカでおきた忘れることができない、私にとっても最もいたましい事件。熱狂的なファン・ストーカーに殺されたビートルズ、ジョン・レノン。

 犯罪先進国のアメリカではさすがに、90年カリフォルニアを皮切りに、96年には、ほとんどの州で「ストーキング防止法」が成立しているという現状です。
 ちなみに、世界80か国で読まれている「ひらがなタイムズ」という、ウェッブ上の人気サイトが行った意識調査。「ストーカー行為を犯罪で処罰するべきか?」イエスと解答した人は、日本国内では72%となっております。

 ひと昔前では考えられない社会問題。ストーカー行為など、警察も手を出しにくいグレーゾーンの悩みで、役所に市民相談としてどのくらいきているのか? また、メールでもきているのか?

 ここで、今回の質問にたいして、御意見大募集に来たメールのなかから、一つ御紹介します。「ストーカー条例を八王子市で制定してほしいです。現行法規で最大限カバー出来たとしても、いまおこっている状態では心配です。事件になる手前で十分対処出来るようにしてもらわないと、娘を一人で八王子市へ送り出している親としては心配です。一時的なことではなく、常に身近に相談出来る体制も欲しいです。」 異口同音のメールが、その他2通きています。

 そこで、ある意味全国から多くの御子息やお嬢さんたちを預かっている、学園都市八王子として。八王子の治安は保たれていると思うか?学園都市八王子の治安をどう考えるか?

 以前、日本でもう一つの学園都市「つくば」でおこった大学生殺人事件などをかんがえると。おこってからではもう遅い! 学園都市八王子として、ストーカー問題に係る現状を把握しているのか? 迷惑行為などに関する問題で、警察との連携はとれているのか?
 日本で初めてのストーカー条例。鹿児島で、すでに施行されている「公衆に不安等を覚えさせる行為の防止に関する条例」。これを八王子市はどのように考えているのか? 見習うべきものはなにか?
 また、八王子市で条例化する場合の予算の概算見積もりは、どのくらいか、についてもお答えください。
 社会の動きに、ようやく重かった腰を上げるのかな? というのが東京都。  さらに今月21日の新聞報道によると、参議院自民党でストーカー行為に対する法案を、議員立法で今国会に提出する方針を決めた、という記事も目にしました。

 石原都知事発言後の東京都の動向を、八王子市はどれだけつかんでいるのか? 都知事の発言を受けて八王子の考え方を示してください。

 一回目の質問を終わります。

市民部長

 ストーカー関係の、市民相談での件数をお答えします。現在、市民課において各種の相談を受け、また、大和田市民センターではカウンセラーを配置して「心の相談」業務を実施しているところでありますが、いわゆるストーカー行為を原因とした相談については正確な件数の把握はしておりません。ただ、相談員等に話を聞きますと、年数件はあるとのことございます。また、Eメールの関係でございますが、ストーカーの相談はございません。

総務部長

 学園都市ということで、学生からストーカー行為に関わる相談があった場合の対応と警察との関連ということでご質問いただきました。一人暮らしの学生等からのストーカー行為を原因とした相談があった場合には、法律相談、あるいは警視庁総合相談センターへの案内などをしております。今後も警察東都の連携を密にしながら、相談者や市民が安全で安心して生活できる環境をつくっていきたいとそんなふうに考えています。
 鹿児島県のストーカー条例につきましては、平成11年10月1日から施行され、名称については「公衆に不安等を覚えさせる行為の防止に関する条例」ということで、規定をされております。主な規制の内容としましては、粗暴行為等の禁止、押し売り行為等の禁止、ストーカーに関して、つきまとい行為等の禁止、と大きく3項目からなっていると承知しております。つきまとい行為という、ストーカー行為を明文化したということは大変参考になっています。今後、もし八王子市で条例を作るような場合にはぜひ参考にしたいと考えています。
 仮にストーカー条例を作った場合の経費ということでございますが、経費につきましては、条例内容を執行するために必要とされる体制上の問題とも関係をしてきます。仮に専属の職員を配置するような場合には相当の経費が必要であると考えています。
 石原都知事の議会での発言内容ということですけれども、平成11年12月議会での発言だったと思いますが、「ストーカー等に対する認識については、いわゆるストーカーなどが都民の平穏な日常生活を脅かすような様々な迷惑行為が、最近増加していることについては承知している。このような行為から都民生活を守るためには、条例の整備も視野に入れ、広く検討することが必要と考える。」このような内容だと思っております。
 その後ですが、東京都はこの発言を受けて、警視庁内に条例の制定に向けてのプロジェクトチームをつくっております。今月の17日には、有識者など12人で構成される「ストーカー問題対策研究会」を発足させ、今年6月をめどに結論を出し、その後、都議会にストーカー条例を提案すると聞いております。