関係諸団体


関係諸団体として代表的なのは、法人会、青色申告会、納税貯蓄組合等があります。税務署
でも入会の勧誘をしています。別に、税務調査で得することなどありませんが、講習会、異業種
との交流会等があります。

毎年、3月13日に集団で確定申告する団体があり、税務署側もテントを張って受付をします。
統括官等の幹部は交替で道路、庁舎に立ちます。警察官も交通整理に駆り出されます。風船
やプラカードにスローガンを掲げ、税務署の前にぞろぞろと長い行列を作ります。全員が確定
申告書を持って、受付に提出して行きます。受付ではどんどん収受印を押して、確定申告書を
かごの中に入れて行きます。納税協力団体とおもいきや、税務署では反税団体のレッテルを
貼っている民主商工会(民商)です。民主という名前がついていますが、共産党系の団体で、
町の零細な商店、工場等が主な会員となっています。下町や町工場が密集している地区は
勢力があります。東京では蒲田、大森、足立、荒川税務署管内が会員が多いところです。

民商がどうして反税団体のレッテルを貼られているかというと、税務職員が調査に来ても一切
書類も見せないし、調査立会にさいして多くの会員を立ち会わせ、妨害行為をします。帳簿書
類等は民商の事務所に持っていってあり、調査官が提出を求めても全く出しては来ません。
調査立会について、テープレコーダーで録音しながら、「正しく申告しているのに、何故調査に
来るのか」、「調査の目的は何か」とか決まり文句を入れ替わり立ち替わり言います。
税務署側も「申告が正しいかどうか確認に来ました」、「調査の理由は所得の確認です」とか言
うと、「具体的理由が言えないのなら、調査には応じられない」などど言い、全く調査には協力
しません。調査官も帳簿等がみられないので、帳簿無しで推計課税をして、納税額を決定通知
します。推計課税というのは、同規模同業種の他の会社の荒利益率等から、売上、原価を推
定し、所得を算出するものです。申告した所得が推計により算出した所得よりも少なければ更
正決定します。

これぐらいで民商は引っ込まず、税務署にまず異議申立てをします。当然、異議申立ては棄却
されますが、次に国税不服審判所に対して審査請求を出します。ここで審査しているときに初
めて、税務署が調査しているときに全く出さなかった帳簿等を出し、税務署が行った推計課税
が間違っていると言って来ます。国税不服審判所も審査中に出して来た帳簿等は問題視しな
いので、当然民商は負けることになります。この後、さらに不服があれば、裁判所に訴えること
もできますが、そこまではやりません。

民商は商店街などに立看板を出し、「帳簿、税金のことなら民商へ」をうたい文句として、帳簿
つけや申告書も書いており、税理士法に違反の疑いがあります。ここに入ると、赤旗を購読させ
られたり選挙時の応援、カンパまで強制させられたりで、税理士を頼むよりも安いと安易に入
会すると、とんだ目に合いかねません。
昭和30〜40年代頃は、民商もかなり過激な行動をしていました。税務署へ乱入して来て、窓
ガラスを割ったり、職員に怪我をさせたりで、大変な騒ぎとなったりしました。ところが、最近は
騒動を起こすことは殆どなくなり、おとなしくなっています。

税務署側でも、このような民商に対しては特別の体制を取っています。民商担当の部門を設け
(特段担当)、会員の名簿を管理し、ベテランの調査官が調査担当になっています。民商会員
の調査については統括官のみならず逐次副署長、署長にも報告がなされ、最終的な調査の
結論についても、副署長、署長を交えた会議で決定されます。


税務署に詳しくなる話

もくじに戻る