倒産対策の融資


倒産対策の融資

   取引先から受け取った手形が不渡りとなってしまい、お金が入ってこなくても、割り引い
た手形、裏書した手形代金を支払わなくてはなりません。資金繰りが大変苦しくなりますが、
こういったときに利用できる公的な融資があります。危ない会社とは取引をしないことですが、
国の「中小企業倒産防止共済制度」の利用をお勧めします。積立掛け金の10倍まで、回収不能
となった売掛金、受取手形等の被害額を返済期間5年、担保、無保証、無利子で借入れることが
できます。この共済制度に加入していなくとも、公的な倒産対策の融資として、次のものがあ
ります。条件は多少変更しているかもしれません。

T.東京都の環境変化適応資金融資

問い合わせ先 東京都商工振興部金融課 03-5320-4777
融資金額 最高 8,000万円  返済期間 7年  利率 2.1%(平成9年10月現在)融資条件
@東京都内に50万円以上の売掛債権を倒産会社に持つ会社が5社以上あること、A取引先が2回
の不渡手形で銀行取引停止処分を受けた、会社更生手続開始を申立てた、和議手続開始を申立て
たりして、事実上倒産していること、B上記の倒産をしたときから、6ヶ月以内に東京都に届け
出ること、C届出できる者は、倒産企業、清算人、債権者集会の議長、弁護士等、D保証協会の
保証が必要

U.国民生活金融公庫の倒産対策貸付

問い合わせ先 本店 03-3270-1361 及び各支店 融資金額 最高 1,000万円  返済期間 
5 年 利率 2.4%(平成9年10月現在) 融資条件

@倒産会社に対して50万円以上の売掛債権があること、A倒産会社の売上依存度が全売上の20
%以上であること、B緊急性があること、C担保あるいは保証人が必要、注意が必要なのは、
上記条件が満たしていても、必ず貸してくれるとは限りません。通常の融資と同様に、決算書、
試算表、資金繰表、将来の見通し等の審査から返済能力があると認められないと融資は受けら
れません。

 従業員や不渡手形の裏書先、支払いが遅れそうな仕入先については、得意先が倒産した事実
をはっきり伝え、説明をして、協力をお願いすることです。下手に倒産の事実を隠していても、
会社の雰囲気、電話、取引先等色々なところから情報が入り、すぐに分かってしまうことです。

むしろ、隠して説明がないことにより大きな不安を与え、パニック状態になる危険があります。
ですから、きちんと事実を正確に伝え、その対策としてこのような措置を講じているので、心配
しないように説明することです。当社は必ず、この難局を克服することができるので、一致協力
してほしいとお願いすることです。

このように、会社の方針を明確にして、従業員、仕入先等の協力体制が得られれば、会社は必ず
立ち直ることができるはずです。


経営実務

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