法人成り


現在は個人で事業を営んでいる方は、法人にした方が節税になるという話を聞いたこと
があると思いますが、どうしてでしょうか?はっきりとした理由がわかりますか?又 、
税金以外では法人にするメリットは何かあるでしょうか? 一般的に法人にした方が
節税になります(所得が低い場合は例外となります)。

@所得が分散できる。
法人にすれば、代表者自身も会社から給料をとることができ、法人の所得と個人の所
得を分けることができ、個人の所得税は累進課税であり、法人税は比例課税であるの
で、個人の高い税金から法人税の低い税金へシフトすることで節税ができます。

A代表者給料でも給与所得控除を引くことができる。
代表者が給料をとったときも、他の従業員と同様に給与所得控除を引いた後が給与所
得となります。ところが、個人事業主の場合には事業収入から必要経費を引いたもの
が事業所得となり、給与所得控除のような控除はありません。 ところが、昨年の法人
税法の改正で、代表者の給与所得控除が損金不算入となる場合がありますので、少し
メリットがなくなりました。

B欠損金が7年間繰越控除できる。
青色申告の法人では繰越欠損金は7年間に渡り繰越控除できますが、個人の青色申告で
は3年間しか純損失は繰越控除できません。

C法人成り後2年間は消費税を納めなくて良い(資本金1,000万円未満の会社のみ)。
個人事業を法人成りした場合には、法人の基準期間(前々事業年度)の売上は0ですの
で消費税は法人成り後にどんなに売上があろうと、2事業年度は消費税を納めなくて済
みます。

節税以外のメリットはしては、次のようなことがあります。
@資金の調達がしやすい…会社の構成員から出資の方法で資金を調達することができます。
A危険の分散…個人事業では事業上の損失は全て事業主が責任を負わなければなりませ
んが、会社であれば出資者が出資を限度とした金額だけ責任を負えば済みます。
B事業の継続性…会社であれば事業を永続させることが容易となります。
C信用の増大…個人事業よりも一般的に信用性が高いので、銀行融資、工事入札、従業
員募集等では有利です。


経営実務

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