東大三鷹クラブ第69回定例懇談会

 講 師 杏林大学付属病院循環器外科主任教授 須藤憲一氏(昭和40年入寮)
 テーマ 「医療の現場から見た医療事情」

 同期あるいは同室の人々(例えば辰紘さんや干場革治さん)を差し置いて私に紹介の役が廻って来た訳は、昨年夏、私が須藤さんのお蔭で危うい生命をとりとめたからなのです。

 昨年6月10日朝、私は自宅で突然大動脈解離を、更に続いて、動脈瘤破裂を起こし、杏林大学付属病院で14時間余りの緊急手術を受けました。2週間後、意識を回復し、ICUから普通病室に移り、ふとしたきっかけから須藤さんが我が三鷹クラブの仲間であることを知り、あまりの偶然に驚き、歓び、そして感激一入でありました。

 2箇所の動脈瘤破裂のため、私の受ける手術の成功の可能性は10%を割っていたと後日聞きました。長時間の難手術を沈着冷静に成し遂げ、結果を聞いた他病院の専門医達から異口同音に「信じ難い程の見事なチームワークだ」と称賛された医療チームを指揮し、統率されたのが他ならぬ、須藤さんでありました。

 退院の前日、辰紘さんに付添って貰って、かつての三鷹寮(現在の国際学生宿舎)までそろりそろりと歩きました。200メートル足らずの距離でした。そのような近くで、しかも寮仲間の手で、危うい生命を助けられようとは、全く思いも掛けぬことでした。

 人の縁の不思議さを、時を隔てて連なり続ける寮の友の結び付きの強さを痛感しました。

 循環器外科主任教授としての須藤さんは、助教授、講師、研修医そして看護師と数十人のスタッフをまとめて、一人ひとり異なる症状を抱え、気難しく文句も多い多数の患者の生命を預かり、面倒を診ておられます。それがいかに貴重であり、過酷な仕事であるかを90日を超える入院を経て、ようやく幾分かは判ったような気がします。

 その日々を支える精神的背景に、どこか三鷹寮的な適度のルースさ、広やかさが混入しているのではないかと私は感じました。

 「循環器外科の世界は変化に乏しくて、あまり面白い話題はありません」とご本人は言われますが、広い視野から医療の現場に目を据えての率直なお話が伺えると期待するものです。(29年入寮荒木健一記)



                  記

 日 時 平成18年12月1日(金) 18時30分〜21時
 会 場 学士会館本館203号室(千代田区神田錦町3−28 03-3292-5931)
 講 師:須藤憲一 杏林大学付属病院循環器外科主任教授(昭和40年入寮)
 テーマ:「医療の現場から見た医療事情」
 会 費:5000円(夕食・飲物付き)
 定 員 70名(先着順)
 申込先 平賀・干場 Fax 03-5689-8192 電話 03-5689-8182
  有限会社ティエフネットワーク Email:tfn-hoshiba@blue.ocn.ne.jp